Claude 7構成にLPを作らせて比較:軍師(設計)が参謀(レビュー)に半額で勝った
Claudeの高モデルは完成物レビューより事前設計に回した方が安く強い。7構成で同一LPを比較し、実コストと使用感から判断材料を整理しました。
先に結論
生成AIで成果物を作らせるなら、高いモデルは「完成物のレビュー役」より「作る前の設計役」で使った方が得でした。今回の比較では、同じLPを7構成で作らせたところ、軍師=事前設計のほうが、参謀=事後レビューより半額以下で同等以上の結果**になりました。
ここでいう「軍師」「参謀」は、私の中だけの呼び分けです。読者の手元ではこう置き換えると分かりやすいです。
- 軍師=作らせる前に高モデルに設計図だけ作らせる使い方。Claude Code の Planモード(plan-first) に近いです。
- 参謀=完成物を高モデルにレビューさせて直させる使い方。advisor 的な事後レビューに近いです。
つまり、これは「高モデルをどこで使うと効くか」の話です。高モデルを使うな、ではありません。使う場所を間違えると高くつく、という検証です。
目次
- 今回の検証条件
- 7構成のコスト比較
- 参謀が高くついた理由
- 軍師が効いた理由
- 人間の目で見た総合評価
- この結果が効く場面
- 向いている人・向いていない人
- 限界と、次に見るべきこと
- 関連記事
- この記事を書いた人
今回の検証条件
今回作らせたのは、架空SaaS「FocusFlow」の集中タイマーLPです。しかも、一発出しです。ここは足元を見ておきます。難しい実案件ではなく、まずは易課題1件として見てください。
検証の見方は3つです。
- コスト
- 客観スコア
- 人間の実機評価
コストは、出力単価ベースの上限概算です。厳密なトークン実測は取れていません。単価の正本は lib/creation-cost.ts の PRICING_PER_MTOK を使っています。
客観スコアは、7構成すべてで renders OK・console_errors 0・チェックリスト10/10。つまり、機械的な合否では差がつきませんでした。差が出たのは、見た目の完成度・タイポ・情報量という主観領域です。
人間評価は、私が7本のLP実物を見比べて判断しました。机上の理屈だけではなく、実際に触ってどうだったかを優先しています。
7構成のコスト比較
まず数字です。
| 構成 | 概算コスト |
|---|---|
| haiku単体 | $0.18 |
| sonnet単体 | $0.56 |
| fable単体 | $4.76 |
| haiku参謀(Fable作後レビュー) | $5.13 |
| sonnet参謀 | $6.37 |
| haiku軍師(Fable事前設計) | $2.41 |
| sonnet軍師 | $2.99 |
この表だけ見ると、まず違和感が出ます。高モデルをレビュー役に回した構成が、単体より高いのです。
特に分かりやすいのがこれです。
- fable単体 $4.76
- haiku参謀 $5.13
参謀版は、高モデルを完成物の批評に使うぶん、生成と同等の推論コストが乗るので、単体より割高になりました。期待したくなる気持ちは分かりますが、ここは直感が外れました。
一方で軍師は逆です。
- haiku軍師 $2.41
- sonnet軍師 $2.99
参謀版の半額以下です。しかも、後述しますが、品質が大きく落ちたわけでもありません。
参謀が高くついた理由
参謀は、完成物を見てから直す役です。言い換えると、**高モデルに「作品を読ませて、評価させて、修正方針まで考えさせる」**わけです。
これ、軽そうに見えて重いです。
なぜなら、レビューはただ眺めるだけでは終わらないからです。LPなら、少なくとも次を見ます。
- 情報の抜け
- 文章の順序
- 導線の破綻
- 余白や視線誘導
- コピーの弱さ
- タイポや違和感
つまり、生成したものをもう一度、頭から組み直すのに近い。そりゃ高くなります。
今回の結果で面白いのは、高いモデルをレビュー役に置いたら品質が上がるはずという直感を、コスト面で裏切ったことです。しかも品質も、少なくともこのタスクでは、そこまで伸びませんでした。
軍師が効いた理由
軍師は、完成物ではなく設計図を作ります。
ここが大きいです。設計図は、実装より軽い。だから高モデルを使っても、使うトークンの総量が少なくて済む。
今回の構成では、Fableが1回作った設計図を haiku軍師 と sonnet軍師 が共有しています。つまり、差は設計図ではなく、executor の実装力だけです。かなり綺麗な対照実験になりました。
結果として、軍師構成はこうなりました。
- haiku軍師 $2.41
- sonnet軍師 $2.99
しかも、客観スコアは他と同じく満点です。ここで一度、足元を見ておきます。機械評価が全部満点なら、最後に効いてくるのは、見た目と情報量の差です。今回のタスクでは、設計が良いほどその差が詰まりやすいことが見えました。
特に、sonnet軍師は総合最良でした。運営者としての実機評価では、sonnet-planner が一番バランスが良い。実際に回してみると、この組み合わせがいちばん扱いやすく感じました。高モデルで先に設計させ、その設計を安定した実装側に流すと、変な迷いが減る。LPのような構成物では、この効き方がかなり素直でした。
人間の目で見た総合評価
私の見た目評価では、こうです。
- Fable単体:見た目・タイポ・ボリュームで最良。ただし僅差
- Sonnet 4.6単体以上:どれも実用十分
- 軍師2構成:どちらも良いが、sonnet-planner が総合最良
最高峰モデルの出力は、たしかに強いです。ただ、最高峰だから最後まで単体で走らせるべき、とは限らないのが今回の結論です。
現場目線でいうと、LPのような成果物は「全部を高モデルにやらせる」より、
- 高モデルで設計を固める
- 実装は安定した安いモデルに任せる
- 必要なら軽いレビューだけ足す
この流れのほうが扱いやすいです。
実際に触ると、この差は地味に効きます。完成物の質が劇的に跳ねるというより、迷いと手戻りが減る。その減り方が、実務では意外と大きいです。
この結果が効く場面
今回の結果がそのまま効くのは、次のようなケースです。
- LP、紹介ページ、簡易な営業資料のように、構成が先に決まる成果物
- まず1本作って、そこから微修正するより、最初の骨格が大事なケース
- 生成AIに「とりあえず1本作って」と頼みがちな人
- 高モデルを使いたいが、どこに置くと費用対効果が出るか迷っている人
逆に、全部をこの結果で一般化するのは危険です。難しい仕様、長い反復改善、複雑な依存関係がある仕事では、参謀の価値が出る可能性があります。
今回の結論は、あくまでFocusFlow の集中タイマーLPを一発出しさせた易課題1件に限ります。
向いている人・向いていない人
向いている人
- Claude / Codex / Gemini を日常的に使っていて、モデル費用のムダを減らしたい人
- vibe coding で成果物を作るとき、高モデルの置きどころを探している人
- 「レビューに高モデルを使えば安心」と思っているが、本当に得か疑っている人
- 実務で、まずは設計を固めてから実装する癖がある人
向いていない人
- 1回で完璧な答えを求める人
- すべてのタスクに同じ最適解があると思っている人
- CLIや生成AIの工程分割に興味がない人
非エンジニアでCLI操作に抵抗がある人向け、というより、今回は生成AIの役割分担をどう切るかを考える人向けです。CLIに慣れている人には、むしろ説明不要な部分もあるでしょう。
限界と、次に見るべきこと
この検証には限界があります。
- 易課題1件だけです
- 一発出しです
- LPという、比較的構成が見えやすい成果物です
- 厳密なトークン実測ではなく、出力単価ベースの上限概算です
なので、結論はこう置くのが安全です。
高いモデルは、完成物レビューより事前設計で使え。少なくとも LP の一発出しでは、軍師が参謀に半額以下で勝った。
ただし、これをそのまま全タスクに広げないでください。次にやるべきことは単純で、反復改善が必要な仕事、仕様が曖昧な仕事、コード依存が強い仕事で同じ比較をやることです。
その続編として、より難しい「ブラウザで動くテトリスを作らせる」課題で同じ7構成を比較しました。結論は今回と反転し、難課題では軍師も参謀も崩れて、最上位モデル単体(Fable)の信頼性が割に合うという対照的な結果になっています。
最後に、読者が自分の現場へ持ち帰るなら判断軸はこれです。
- 高モデルは設計に使うか、レビューに使うか
- その工程は本当に高モデルが必要か
- レビューで増えるコストに見合うだけ、品質差があるか
私なら、まずはこうします。
- 設計が大事な仕事 → 高モデルを軍師に回す
- 実装が定型的な仕事 → 安いモデルに任せる
- 最後の確認だけ欲しい仕事 → 軽いレビューを足す
今回の検証では、少なくともこの順番がいちばん筋が通っていました。
LP実物は、/llm-test/creations の比較ページで7本すべて見られます。数字だけではなく、実際の見た目も見てから判断した方がいいです。こういう比較は、表だけ見て分かった気になると外します。
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HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!
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