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事例紹介2026年6月10日by K.hirano

Claude 7構成にLPを作らせて比較——設計役(planner)が検証役(advisor)に半額で勝った

Claudeの高モデルは完成物レビューより事前設計に回した方が安く強い。7構成で同一LPを比較し、実コストと使用感から判断材料を整理しました。

#Claude#ai活用#コスト比較#llm運用#ケーススタディ

こんにちは。梅雨どきで、窓の外がずっと灰色の日が続きますね。今回は、Claude の高いモデルを「どこで使うと得か」を、同じLP(製品を紹介する1枚のWebページ)を7通りの組み合わせで作らせて確かめた話です。

先に結論を書きます。生成AIに成果物を作らせるなら、高いモデルは完成物のレビュー役より、作る前の設計役で使った方が得でした。作る前に設計させる使い方(私は「軍師」と呼んでいます)は、完成物をレビューさせる使い方(同じく「参謀」)より半額以下で、同等以上の結果になりました。高いモデルを使うな、という話ではありません。使う場所を間違えると高くつく、という話です。

軍師と参謀は私の中だけの呼び分けなので、手元の道具に置き換えておきます。軍師は、Claude Code の Planモード(plan-first、作る前に計画を立てさせる使い方)に近いものです。参謀は、advisor 的な事後レビュー(できあがった物を高いモデルに見せて直させる使い方)に近いものです。

目次

今回の検証条件

作らせたのは、架空SaaS「FocusFlow」の集中タイマーLPです。しかも一発出し。難しい実案件ではなく、まずは易課題1件の結果として読んでください。ここは最初に足元を固めておきたいところです。

見たのは次の3つです。

  1. コスト
  2. 客観スコア
  3. 人間の実機評価

コストは、出力単価ベースの上限概算です。厳密なトークン(AIが読み書きする文字の単位)の実測は取れていません。単価の正本は lib/creation-cost.ts の PRICING_PER_MTOK を使っています。

客観スコアは、7構成すべてで renders OK・console_errors 0・チェックリスト10/10でした。ページはちゃんと表示され、エラーも出ず、確認項目も全部通っている。つまり機械的な合否では差がつきませんでした。差が出たのは、見た目の完成度・タイポ・情報量という、人の目で見る領域です。

だから最後の人間評価が大事になります。7本のLPの実物を私が見比べて判断しました。机上の理屈より、実際に触ってどうだったかを優先しています。

7構成のコスト比較

まず数字です。haiku・sonnet・fable は Claude のモデル名で、fable が最上位です。

構成概算コスト
haiku単体$0.18
sonnet単体$0.56
fable単体$4.76
haiku参謀(Fable作後レビュー)$5.13
sonnet参謀$6.37
haiku軍師(Fable事前設計)$2.41
sonnet軍師$2.99

この表を見ると、まず違和感が出ると思います。高モデルをレビュー役に回した構成が、高モデル単体より高いのです。fable単体が $4.76 なのに、haiku参謀は $5.13。参謀は高モデルを完成物の批評に使うぶん、生成と同じくらいの推論コストが乗るので、単体より割高になりました。レビューを足せば安く良くなる、と期待したくなる気持ちは分かりますが、ここは直感が外れました。

軍師は逆です。haiku軍師 $2.41、sonnet軍師 $2.99。参謀版の半額以下です。しかも、後で書くように品質が大きく落ちたわけでもありません。

参謀が高くついた理由

参謀は、完成物を見てから直す役です。高モデルに「作品を読ませて、評価させて、修正方針まで考えさせる」わけです。

軽そうに見えて、これが重い。レビューは眺めるだけでは終わらないからです。LPなら、少なくとも次のような点を見ることになります。

  • 情報の抜け
  • 文章の順序
  • 導線の破綻
  • 余白や視線誘導
  • コピーの弱さ
  • タイポや違和感

ここまで見るのは、生成したものをもう一度頭から組み直すのに近い作業です。そりゃ高くなります。

今回の結果で面白いのは、「高いモデルをレビュー役に置けば品質が上がるはず」という直感を、コストの面で裏切ったことです。品質も、少なくともこのタスクでは、そこまで伸びませんでした。

軍師が効いた理由

軍師が作るのは完成物ではなく設計図です。ここが大きいところで、設計図は実装より軽い。だから高モデルを使っても、使うトークンの総量が少なくて済みます。

今回は、Fable が1回作った設計図を haiku軍師と sonnet軍師が共有しています。2つの差は設計図ではなく、実際に組み立てる側(executor)の実装力だけです。かなり綺麗な対照実験になりました。

客観スコアは、軍師の2構成も他と同じく満点です。機械評価が全部満点なら、最後に効いてくるのは見た目と情報量の差で、今回のタスクでは設計が良いほどその差が詰まりやすいことが見えました。

中でも、sonnet軍師は総合最良でした。運営者としての実機評価では、sonnet-planner が一番バランスが良い。実際に回してみると、この組み合わせがいちばん扱いやすく感じました。高モデルで先に設計させ、その設計を安定した実装側に流すと、変な迷いが減る。LPのような構成物では、この効き方がかなり素直でした。

人間の目で見た総合評価

人の目で見た評価は、こうなりました。

  • Fable単体:見た目・タイポ・ボリュームで最良。ただし僅差
  • Sonnet 4.6単体以上:どれも実用十分
  • 軍師2構成:どちらも良いが、sonnet-planner が総合最良

最上位モデルの出力は、たしかに強いです。ただ、差は僅差で、コストは fable単体 $4.76 に対して sonnet軍師 $2.99。最高峰だから最後まで単体で走らせるべき、とは限らないというのが今回の結論です。

現場目線でいうと、LPのような成果物は全部を高モデルにやらせるより、次の流れのほうが扱いやすいです。

  1. 高モデルで設計を固める
  2. 実装は安定した安いモデルに任せる
  3. 必要なら軽いレビューだけ足す

完成物の質が劇的に跳ねるというより、迷いと手戻りが減る。この差は地味ですが、実務では意外と大きく効きます。

この結果が効く場面

今回の結果がそのまま効くのは、次のようなケースです。

  • LP、紹介ページ、簡易な営業資料のように、構成が先に決まる成果物
  • 1本作ってから微修正するより、最初の骨格が大事なケース
  • 生成AIに「とりあえず1本作って」と頼みがちな人
  • 高モデルを使いたいが、どこに置くと費用対効果が出るか迷っている人

向いている人・向いていない人

向いているのは、Claude / Codex / Gemini を日常的に使っていてモデル費用のムダを減らしたい人や、vibe coding(AIに話しかけながら作る開発)で高モデルの置きどころを探している人です。「レビューに高モデルを使えば安心」と思いつつ、本当に得かを疑っている人や、設計を固めてから実装する癖がある人にも合います。

逆に、1回で完璧な答えを求める人、すべてのタスクに同じ最適解があると思っている人、CLI(文字で操作する道具)や生成AIの工程分割に興味がない人には、あまり役に立たない話です。非エンジニアでCLI操作に抵抗がある人向けというより、生成AIの役割分担をどう切るかを考える人向けです。CLIに慣れている人には、説明不要な部分もあると思います。

限界と、次に見るべきこと

この検証には限界があります。

  • 易課題1件だけです
  • 一発出しです
  • LPという、比較的構成が見えやすい成果物です
  • 厳密なトークン実測ではなく、出力単価ベースの上限概算です

難しい仕様、長い反復改善、複雑な依存関係がある仕事では、参謀の価値が出る可能性があります。結論は、あくまでFocusFlow の集中タイマーLPを一発出しさせた易課題1件に限ります。安全に置くなら、こうです。

高いモデルは、完成物レビューより事前設計で使え。少なくとも LP の一発出しでは、軍師が参謀に半額以下で勝った。

次にやるべきことは単純で、反復改善が必要な仕事、仕様が曖昧な仕事、コード依存が強い仕事で同じ比較をすることです。

その続編として、より難しい「ブラウザで動くテトリスを作らせる」課題で、同じ7構成を比較しました。結論は今回と反転し、難課題では軍師も参謀も崩れて、最上位モデル単体(Fable)の信頼性が割に合うという対照的な結果になっています。

Claude 7構成でテトリス実装——設計役(planner)も検証役(advisor)も崩れ、単体が勝ったBlogClaude 7構成でテトリス実装——設計役(planner)も検証役(advisor)も崩れ、単体が勝った難しいテトリス実装で7構成を比較。軍師が崩れ、参謀も割高に収束。最上位モデル単体の信頼性が効く条件を実測で整理します。

持ち帰るなら、判断軸は3つ

自分の現場へ持ち帰るなら、判断軸はこの3つです。

  • 高モデルは設計に使うか、レビューに使うか
  • その工程は本当に高モデルが必要か
  • レビューで増えるコストに見合うだけ、品質差があるか

私なら、まず設計が大事な仕事は高モデルを軍師に回し、実装が定型的な仕事は安いモデルに任せ、最後の確認だけ欲しい仕事には軽いレビューを足します。今回の検証では、少なくともこの順番がいちばん筋が通っていました。

LPの実物は、/llm-test/creations の比較ページで7本すべて見られます。数字だけでなく、実際の見た目も見てから判断してみてください。こういう比較は、表だけ見て分かった気になると外します。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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