Claude Code の /effort に増えた max・ultracode・auto と、プロンプトに紛れ込ませる呪文 ultrathink を、公式が明言した『ultracode は API の effort レベルではない』を起点に解剖。overthinking・自律ワークフロー・永続性と優先順位の罠まで、誤解されやすい論点を一次情報で正します。
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BlogClaude Code の /effort 完全ガイド|low〜maxの使い分けと『コストが増える本当の理由』Claude Code の /effort(low〜max・ultracode・auto)は「賢さ」ではなく「トークンの気前よさ」のレバー。モデル別の推奨スタートと、Opus 4.8 でコストが増えた気がする原因を『トークナイザ』と『effort』の2軸に切り分ける考え方を、公式一次情報と v2.1.156 の実機確認で解説します。→」(シリーズ①)の続編です。/effort の基本的な仕組みとモデル別の使い分けは①にまとめてあるので、未読の方は先に目を通しておくと、本記事の新オプションの位置づけがすっきり掴めます。
この記事は Claude 公式の Effort / Model configuration / Pricing ドキュメント(2026年5月時点)を一次ソースとして参照し、Claude Code 最新版(v2.1.156)の実機で
/effortメニューにmax/ultracode/autoが並ぶことを確認したうえで執筆しています。仕様は更新される場合があるため、最終的な挙動は公式ドキュメントの最新版をご確認ください。
TL;DR: max は最強ですが最善とは限りません(overthinking のリスクがあり、公式は「フロンティア級の難問だけ」と釘を刺します)。ultracode は effort ではなく「xhigh +マルチエージェント自律起動許可」のスイッチ。auto は現在モデルの既定 effort に戻すリセット指示です。そして唯一効く「呪文」が ultrathink で、セッション設定を変えずにそのターンだけ深く考えさせます(think hard などは効きません)。優先順位は「環境変数 > 設定値 > モデル既定」で、skill/subagent の frontmatter は環境変数に勝てません。
max ―― 「最強」が最善とは限らない理由ultracode ―― effort ではなく「自律ワークフロー」スイッチauto ―― モデル切替の事故を防ぐリセットボタン前回の記事「
BlogClaude Code の /effort 完全ガイド|low〜maxの使い分けと『コストが増える本当の理由』Claude Code の /effort(low〜max・ultracode・auto)は「賢さ」ではなく「トークンの気前よさ」のレバー。モデル別の推奨スタートと、Opus 4.8 でコストが増えた気がする原因を『トークナイザ』と『effort』の2軸に切り分ける考え方を、公式一次情報と v2.1.156 の実機確認で解説します。→」で、Claude Code の /effort が「賢さ」ではなく「トークンの気前よさ」を動かすレバーであること、そしてモデル別の推奨スタート地点を整理しました。今回はその続編として、新しく増えた3つの選択肢 max ultracode auto、さらにプロンプトに紛れ込ませる「呪文」ultrathink を、公式の一次情報だけを根拠に解剖します。
なぜ選択肢が増えたのか。背景には、Claude が「短い質問に即答するアシスタント」から「何十分も自律的に作業し続けるエージェント」へと役割を広げたことがあります。30秒で終わるタスクと30分かけて探索するタスクでは、最適な「考え込み具合」がまるで違う。だから1本のレバーに段階を増やし、さらに「自律的に並列エージェントを動かすモード」や「考える深さをその場だけ上げる呪文」まで用意した――そういう進化の結果が、いまの7択なのです。
そして大事なのは、この7つが全部同じ種類のものではないこと。前回も触れましたが、ここを誤解すると設定で必ずハマります。改めて分類しておきます。
low / medium / high / xhigh / max ―― API レベルの effort 値(モデルに送られる「努力度」)ultracode ―― Claude Code 独自の設定(effort ではない。後述)auto ―― リセット指示(effort の値ですらない)この前提を持ったまま、一つずつ見ていきましょう。
max ―― 「最強」が最善とは限らない理由max は、公式の定義では "Absolute maximum capability with no constraints on token spending"(トークン消費に一切の制約をかけない、絶対的な最大能力)。最も徹底した推論と最も深い分析を行います。Opus 4.8 / 4.7 / 4.6、Sonnet 4.6 で使えます。
「じゃあ常に max が最高じゃないか」と思いますよね。ところが公式は、Opus 4.8 / 4.7 向けにはっきりこう釘を刺しています。
Reserve for genuinely frontier problems. On most workloads
maxadds significant cost for relatively small quality gains, and on some structured-output or less intelligence-sensitive tasks it can lead to overthinking.
「本物のフロンティア級の難問のために取っておけ。多くの作業では max はコストを大きく増やす割に品質の伸びは小さく、構造化出力や知性をあまり要さないタスクでは考えすぎ(overthinking)で逆に品質が落ちることすらある」。
これは直感に反しますが、理にかなっています。「東京駅への行き方」を聞かれて10通りの経路を比較検討し始める人がいたら、有能というより面倒ですよね。タスクの難易度に対して思考が過剰だと、寄り道や過剰な一般化を生み、かえって答えがブレる。max はそれが起きやすいゾーンなのです。
公式の推奨手順も具体的です。「max を使うのは、eval(評価)で xhigh にまだ伸びしろ(headroom)があると測定できたときだけ」。つまり「なんとなく強そうだから」ではなく、「xhigh で頭打ちなのを数字で確認してから初めて max に上げる」という順番。常用するものではなく、ここぞの難問に投入する切り札だと捉えてください。
なお max はセッション限定です。設定ファイルの effortLevel には書けません(low/medium/high/xhigh のみ受理)。唯一の例外が環境変数 CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL=max で、これだけはセッションへ固定できます。
ultracode ―― effort ではなく「自律ワークフロー」スイッチここが今回いちばん誤解されているポイントです。ultracode は API の effort レベルではありません。公式が明言しています。
ultracode appears in Claude Code's effort menu, but it is not an additional API effort level. ... Ultracode pairs the
xhigheffort level with standing permission for Claude Code to launch multi-agent workflows.
つまり ultracode の中身は2つの合わせ技です。
xhigh(=xhigh と同じ努力度)この「動的ワークフローの起動許可」は、会話の途中でシステムメッセージを差し込む仕組み(Mid-conversation system messages)を通じて与えられます。要は「実質的なタスクごとに、Claude が自分で計画を立て、複数のサブエージェントへ仕事をファンアウトしてよい」状態にするスイッチです。xhigh が「1人の作業者を本気にさせる」なら、ultracode は「現場監督として複数の作業者を勝手に編成してよい権限を渡す」イメージです。
この Dynamic Workflows(並列サブエージェント)が Opus 4.8 でどんな位置づけの目玉機能なのかは、「
BlogClaude Opus 4.8 は何が変わった?ベンチより「正直さ」と並列エージェントが本命だったClaude Opus 4.8 で本当に変わったのは、ベンチの数ポイントではなく『正直さ』と並列サブエージェントでした。公式ベンチ、4つの新機能、OpenRouter の実トラフィックを重ねて、価格据え置きの今回のアップデートを乗り換え目線で整理します。→」で主役として解説しています。全体像はそちらが詳しいので、合わせて読むと ultracode が何を解き放つスイッチなのかが立体的に見えてきます。
使い所は、ひとつの文脈に収まりきらない大仕事――大規模なコードベース移行、横断的な監査、広範囲のリファクタなど。Claude に「分解 → 並列実行 → 検証」を自律的に組ませたいときに効きます。逆に、小さな単発タスクで ultracode を選ぶのは、軽自動車を運ぶのに大型トレーラーを呼ぶようなもので、オーバーキルです。
設定面の注意も max と同じく厳しめです。ultracode はセッション限定で、
/effort ultracode で当該セッションのみ有効化--settings '{"ultracode": true}' や Agent SDK のコントロールリクエストで指定設定ファイルの effortLevel・--effort フラグ・環境変数 CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL のいずれにも書けません。「常時 ultracode」は(フラグ起動を除き)想定されていない、ということです。コストも相応にふくらむので、ここぞの大仕事で使うモードと考えてください。
auto ―― モデル切替の事故を防ぐリセットボタンauto は拍子抜けするほどシンプルです。effort の「値」ではなく、「現在のモデルの既定 effort に戻せ」というリセット指示です。
/effort auto を実行 → そのモデルの既定へ。Opus 4.8 なら high、Opus 4.7 なら xhigh。CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL=auto と書けます。何が嬉しいのか。前回も触れたとおり、Claude Code はモデルを切り替えると effort を新モデルの既定にリセットします。ところが手動で max や low に振っていると、「いまの設定、結局どのレベルだっけ?」と分からなくなることがある。そんなときに /effort auto を打てば、いま使っているモデルにとっての“正しい初期値”へ一発で戻せる。乱用した max のあと標準へ戻す掃除ボタンとして、地味に重宝します。
ちなみに現在の effort レベルは、ロゴやスピナーの隣に「with low effort」のように常時表示されます。/model を開かなくても、いまどのレベルで動いているかを確認できます。
最後に、知る人ぞ知る小ワザです。プロンプトのどこかに ultrathink という単語を入れると、そのターンだけ深い推論を要求できます。公式の記述はこうです。
Include
ultrathinkanywhere in your prompt to request deeper reasoning on that turn without changing your session effort setting. Claude Code recognizes the keyword and adds an in-context instruction.
ポイントは2つ。第一に、セッションの effort 設定は変わらないこと。/effort を high のままにしておいて、「この1回だけ念入りに考えてほしい」というときに ultrathink を添えればいい。API に送られる effort レベル自体は変わらず、Claude Code が「文脈内の指示」として深く考えるよう促す仕組みです。
第二に、他の言い回しは効かないこと。公式は名指しで「think、think hard、think more といったフレーズは、ただのプロンプト本文として素通りされ、キーワードとしては認識されない」と書いています。つまり「もっとよく考えて」と日本語や英語で頼んでも、それは普通の指示文として読まれるだけ。特別扱いされるのは ultrathink という綴りだけです。ここは勘違いしている人が多いので、覚えておくと得します。
新オプションを使いこなすうえで最後に押さえるべきが、「どの設定方法が永続するのか・どれが優先されるのか」です。ここを知らないと、「設定したはずなのに効いてない」が起きます。
まず永続性。公式仕様を整理するとこうなります。
| 設定方法 | 永続性 | 書ける effort |
|---|---|---|
settings の effortLevel | セッションを跨いで永続 | low medium high xhigh のみ |
/effort <level> | そのセッション(モデル切替で既定に戻る) | 全部 |
--effort フラグ | 起動したセッションのみ | ultracode 以外 |
環境変数 CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL | そのセッション | 全部+auto(ultracode は不可) |
| skill / subagent の frontmatter | その skill・subagent が動く間だけ | effort を上書き |
ここから読み取れる罠を挙げます。
max と ultracode は設定ファイルに書けない。常用したいなら環境変数(max のみ)かフラグ起動に頼るしかない。ultracode はフラグ・環境変数でも基本書けない(--settings の JSON か /effort か SDK 経由のみ)。最も「その場限り」のモード。次に優先順位。公式の表現では「環境変数 > 設定した値 > モデルの既定」の順で強い。さらに skill/subagent の frontmatter で指定した effort は、セッションの設定を上書きするが環境変数には勝てない。
これが地味に効きます。たとえば「軽いサブエージェントは low で回したい」と frontmatter に書いても、もし環境変数 CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL を設定していたら、環境変数が勝って frontmatter が無視されます。「サブエージェントだけ effort を下げたつもりが効いていない」ときは、まず環境変数を疑ってください。
もうひとつ補足。effort のスケールはモデルごとに較正されているため、「同じ high でもモデルが違えば実際の値は違う」と公式は明記しています。Opus の high と Sonnet の high は同じ深さを意味しない。レベル名は絶対値ではなく、あくまで各モデル内の相対的なつまみだと理解しておきましょう。
新顔3つ+呪文の正体を、最後に圧縮します。
max は最強だが最善とは限らない。overthinking のリスクがあり、公式は「eval で xhigh に伸びしろを確認してから」「フロンティア級の難問だけ」と釘を刺す。常用ではなく切り札。ultracode は effort ではない。中身は「xhigh +マルチエージェント・ワークフローの自律起動許可」。大規模・横断的な大仕事用のスイッチ。auto は値ではなくリセットボタン。現在モデルの既定 effort に一発で戻す。ultrathink は唯一効く呪文。セッション設定を変えずにそのターンだけ深く考えさせる。think hard などは効かない。max/ultracode は設定に書けずセッション限定。優先順位は「環境変数 > 設定値 > モデル既定」、frontmatter は環境変数に勝てない。/effort の7択は、ただのメニューに見えて「アシスタントからエージェントへ」という Claude の役割拡張がそのまま形になったものです。レベル名の裏にある設計思想まで理解すると、コストも品質も自分の手でコントロールできるようになります。基本の使い分けは「
BlogClaude Code の /effort 完全ガイド|low〜maxの使い分けと『コストが増える本当の理由』Claude Code の /effort(low〜max・ultracode・auto)は「賢さ」ではなく「トークンの気前よさ」のレバー。モデル別の推奨スタートと、Opus 4.8 でコストが増えた気がする原因を『トークナイザ』と『effort』の2軸に切り分ける考え方を、公式一次情報と v2.1.156 の実機確認で解説します。→」(シリーズ①)にまとめてあるので、合わせてどうぞ。
Q. max と ultracode は何が違うのですか?
A. 送られる effort はどちらも xhigh 相当ですが、ultracode には「Claude Code がマルチエージェントの動的ワークフローを自律起動してよい」という常時許可が追加で付きます。max は単純に「制約なしの最大能力」で並列起動の権限とは別物。大規模移行や横断監査のように分解・並列実行させたい大仕事は ultracode、単一の超難問に深く考えさせたいなら max(しかも eval で xhigh の頭打ちを確認してから)、と使い分けます。
Q. ultrathink と「もっとよく考えて」は同じ効果ですか?
A. 違います。Claude Code がキーワードとして認識するのは ultrathink という綴りだけで、think・think hard・think more や日本語の「もっと考えて」は通常のプロンプト本文として素通りされます。そのターンだけ深い推論を要求したいなら、プロンプトのどこかに ultrathink を入れてください。セッションの effort 設定は変わりません。
Q. 設定したはずの effort が効きません。なぜ?
A. 優先順位の罠が原因のことが多いです。強さは「環境変数 > 設定値 > モデル既定」の順で、skill/subagent の frontmatter は設定値を上書きできても環境変数には勝てません。CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL を設定していると frontmatter や設定ファイルの指定が無視されるので、まず環境変数を確認しましょう。また max/ultracode は設定ファイルに書けずセッション限定である点にも注意です。
HW系エンジニアとして20年超・2000件超の単独SOL業務を経験。AI・ガジェット・自作PCを実際に触りながら「本当に使えるか」を試し続けています。META-MARK では GPU/CPU/AI ツールの実務評価と、プログラマティック SEO の実験を並行して走らせています。
max の overthinking 注記・ultracode は API effort ではない旨ultracode/auto の挙動・ultrathink キーワード・永続性と優先順位・モデル別較正この記事は上記 Claude 公式ドキュメント(2026年5月時点)を一次ソースとして参照し、Claude Code 最新版(v2.1.156)の実機で /effort メニューに max/ultracode/auto が並ぶことを確認(検証日 2026-05-29)したうえで執筆しています。各オプションの仕様は公式ドキュメントの当日時点の記載に基づきます。
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