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事例紹介2026年10月27日by K.hirano

GPT-6.1 Terra、Codex の実装役で Sol と同じ全問合格。時間は25%短く費用は半分

10月26日に出たGPT-6.1 Terraを、Codexでコードを書く実装役としてSol mediumと24回比べました。過去のバグ4つで全員8/8合格、Terra mediumは平均120秒・API換算$0.13。AAの指数では同じmediumで6.5点差があり、使い分けの線も整理します。

#GPT-6.1 Terra#GPT-6.1 Sol#Codex#OpenAI#AIモデル比較#Artificial Analysis

こんにちは。10月も終わりが近づいて、朝の空気がだいぶ冷たくなりました。

10月26日、OpenAI が GPT-6.1 Terra を公開しました。このサイトの開発では、コードを書く作業を Codex(ChatGPT の契約で使える、コーディング用の AI)の GPT-6.1 Sol に任せています。そこに「Sol の半額で速い」という Terra が来たので、同じ仕事を任せられるかを、過去に実際に直したバグ4つで確かめました。

結果は、3つの設定(Sol medium・Terra medium・Terra xhigh)がそろって 8/8 合格。合否では差がつかず、差が出たのは時間とお金でした。Terra medium は平均 120 秒で、Sol medium の 160 秒より 25% 短く、API の単価で換算した額は $0.13 と Sol の約半分です。ただし、第三者の物差しである Artificial Analysis の指数では、同じ medium どうしで Terra は Sol に 6.5 点届いていません。この記事では、自分で測った結果と第三者の数字を分けて並べ、どこまでなら Terra に任せてよいかの線を引きます。

Terra は「日常業務を速く安く」の中位モデル

OpenAI のモデルは、軽い順に Luna・Terra・Sol・Astra と段が分かれています。Terra はその真ん中で、GPT-5.6 Terra の後継です。GPT-6 の世代では Sol と Luna だけが出て、Terra はしばらく空いていました。

OpenAI が掲げた狙いは、コンピューター操作(画面を見てクリックや入力をする作業)、フォーム入力、図面の読み取り、動画編集といった「日常業務」を速く安くこなすことです。API の料金は100万トークンあたり入力 $1・出力 $5 で、Sol($2・$10)のちょうど半分。作業中に同じ内容を読み直したときの「キャッシュ済み入力」も、Terra $0.05 に対して Sol $0.10 と半分です。ChatGPT・Codex・API のどれからでも使えます。

OpenAI は「Claude Opus 5.5 の約9分の1の費用」「Sol より3倍超速くタスクを終える」と自社の数字を出しています。一方で、最も難しいコーディングには Sol や Astra を勧めてもいます。速くて安い代わりに、いちばん難しい仕事は上の段に任せてほしい、という置き方です。では、私が毎日任せている「そこそこ難しい実装」はどちら側に入るのか。これが今回確かめたかったことです。

過去に直したバグ4つを、正解を隠して解かせた

簡単な課題だと差が出にくいと考えて、このサイトで過去に実際に直した、数ファイルにまたがるバグを4つ選びました。

  1. 製品名の照合で、メーカーを見ずに別メーカーの製品と取り違える不具合(新しい部品を1つ足す規模)
  2. 記事の本文に出てくる他製品の性能の数字が、手元のデータベースの値と食い違う問題を見つける仕組み
  3. ノートPCの価格表示で、構成の違いや中古品の注記が正しく出ない問題(画面と処理の両方)
  4. 価格の急な変化を止める安全装置が、正しい価格まで隠してしまう不具合

1回の手順はこうです。直す前の状態のコードを、変更の履歴を消した形で用意します(履歴が残っていると正解を覗けてしまうため)。そこに当時書いたテストだけを置き、「このテストを全部通して。テストは変えない。ほかのテストを壊さない」と依頼します。渡したテストは課題1が12件、課題2が21件、課題3が17件、課題4が14件です。

合格の条件は機械で判定しました。渡したテストが全部通ること、テストファイルを書き換えていないこと、全体のテストで正解の時点より落ちるテストが増えていないこと、60分以内に終わること。この4つを全部満たして合格です。4課題 × 3設定 × 2回 = 24回を、同時には走らせず1本ずつ順番に回しました。条件は走らせる前に文書に書いて固定しています。結果を見てから物差しを動かさないためです。

実行は ChatGPT Plus の Codex 枠で行いました。記事中のドル額は、使ったトークン数を API の公式単価で換算した参考値で、実際に払った額ではありません。

全員 8/8 合格、差が出たのは時間とお金

設定合格平均所要時間API 換算(1回平均)8回の合計
Sol medium(いまの実装役)8/8160秒$0.26$2.10
Terra medium8/8120秒$0.13$1.00
Terra xhigh8/8144秒$0.16$1.29

24回すべて合格です。数ファイルにまたがるバグを選んだので、正直どこかで落ちる回が出ると思っていました。結果は、どの設定も1回も落ちませんでした。

差が出たのは時間と換算額です。Terra medium は Sol medium より平均で40秒短く、換算額は約半分。課題ごとに見ても、Terra medium が遅かったのは課題4の1回だけでした。課題4は Sol medium が 61 秒で解いた回がありますが、Terra medium にも 61 秒の回があります。所要時間は15秒おきに状態を確かめて測ったので、15秒より細かい差には意味がありません。

課題Sol mediumTerra mediumTerra xhigh
1228 / 167 秒152 / 137 秒152 / 152 秒
2182 / 152 秒121 / 122 秒137 / 152 秒
3197 / 152 秒152 / 107 秒167 / 136 秒
461 / 138 秒107 / 61 秒138 / 122 秒

換算額の中身を見ると、お金の使われ方が分かります。1回あたりに読んだ量(入力)は、Sol medium で約92万トークン、Terra medium で約94万トークン。そのうち9割以上がキャッシュ、つまり作業中に同じファイルを何度も読み直した分です。一方、書いた量(出力)は Sol medium で 4,014、Terra medium で 2,756 トークンしかありません。コーディングの AI に払うお金は、文章を書く量よりも、ファイルを読み直す量で決まります。そこへ単価が半分になるので、Terra の換算額がそのまま半分近くに落ちたわけです。

もう1つ目に付いたのが、書き足したコードの量の違いです。追加した行数の平均は Sol medium が約76行、Terra medium が約41行でした。Terra のほうが少ない行数で同じテストを通しています。ただ、今回の合格条件は機械判定だけで、コードの良し悪しまでは採点していません。行数が少ないから良いコード、とは言えない点は断っておきます。

Terra を xhigh にしても良くならなかった

Terra の effort(考える深さの設定)を xhigh に上げた回も、合否は medium と同じでした。推論に使ったトークンは medium の約3倍に増えましたが、そのぶん時間は平均 144 秒、換算額は $0.16 と、どちらも medium より少し増えただけです。

今回の課題はテストで正解を確かめられる種類なので、先に深く考えるより、動かしてテストに通るまで直すほうが早く済んだのだと思います。この種類の仕事では、Terra の effort を上げる理由は見当たりませんでした。

第三者の指数では、同じ medium で 6.5 点の差

自分の課題では差が出なかったので、第三者の物差しも見ておきます。Artificial Analysis(AI モデルの性能と料金を第三者として測って公開しているサイト。以下 AA)は、effort ごとに別のモデルとして知能指数を出しています。総合の知能指数は10種類の評価から作られた点数で、そのうちターミナル作業のテスト(Terminal-Bench 4.0)も並べました。数字は10月28日に取得したものです。

モデル(effort)知能指数Terminal-Bench 4.0出力速度(トークン/秒)
Claude Opus 5.5(Max)※AA 1位57.660%96.7
GPT-6.1 Sol(Max)51.856%74.8
GPT-6.1 Terra(Max)48.156%90.9
GPT-6.1 Sol(Medium)47.848%59.1
GPT-6.1 Terra(Xhigh)45.446%90.9
GPT-6.1 Terra(Medium)41.332%90.8

出典: Artificial Analysis(https://artificialanalysis.ai/)

同じ medium どうしだと、知能指数は Sol 47.8 に対して Terra 41.3 で 6.5 点の差。ターミナル作業のテストは 48% 対 32% で、16 ポイントも開いています。Terra を xhigh に上げても 45.4 で、Sol medium にはまだ届きません。Terra が Sol medium の指数に並ぶのは、いちばん深い Max にしたとき(48.1)です。Sol 側の effort ごとの違いは、GPT-6.1 Sol を effort 別に見た記事にまとめています。

この差は、私の24回では見えませんでした。指数の差が本物なら、今回の4課題は両方のモデルにとって「余裕で解ける」範囲に収まっていたことになります。テストという答え合わせの道具が最初から手元にある課題は、AI にとっては比較的やさしい部類なのだと思います。AA のターミナル作業のテストのように、何をすれば正解かを自分で探りながら進む課題になると、medium どうしの差が表に出てきます。

速さは Terra の明らかな長所です。出力速度は effort に関係なく約91トークン/秒で、Sol(59〜75)より速い。私の実測で時間が縮んだのも、この速さと、書く量が少なかったことの両方が効いているはずです。

最上位の Opus 5.5 と比べると、Terra medium の賢さは約72%で単価は4分の1

AI モデルを選ぶとき、私がいつも気にするのは「最上位とどれくらい違うか」と「値段に対して賢いか」の2点です。

AA の1位は Claude Opus 5.5(Max)の 57.6 点です。これを100%とすると、Terra medium は約72%、Sol medium は約83%、Terra Max は約84%。入力3:出力1で混ぜた単価は Opus 5.5 が $8、Sol が $4、Terra が $2 なので、Terra は Opus 5.5 の4分の1、Sol の半分の値段です。

AA のサイトには、Max どうしで評価1タスクあたりにかかった費用も載っています。Terra $0.40、Sol $0.72、Opus 5.5 $5.98 です(10月27日閲覧)。Opus 5.5 との差は単価の差(4倍)より大きく開いていて、Opus 5.5 はそのぶん多くのトークンを使って考えていると読めます。

なお、今回 Opus 5.5 は実測していません。同じ Codex の中で、実装役の OpenAI モデルを入れ替えられるかを確かめるのが目的だったためです。

テストで確かめられる実装は Terra medium、難しい仕事は Sol に残す

まとめると、私の線引きはこうなりました。

  • Terra medium に任せてよい仕事: 何が正解かをテストで確かめられる、数ファイル規模のバグ修正や機能追加。今回の4課題では Sol medium と同じ全問合格で、時間は25%短く、換算額は約半分でした。
  • Sol medium 以上に残す仕事: テストが無い、何をすれば正解かを自分で探る必要がある、手順の長い作業。AA の指数では同じ medium で 6.5 点、ターミナル作業のテストで 16 ポイントの差があり、ここは Terra の effort を上げても埋まりきりません。
  • Terra を xhigh にする理由は、今回の範囲では見つかりませんでした。

ただし、言えるのは今回の4課題・各2回の範囲までです。全員が満点だったので、どこまで難しくすると差が出るかはまだ測れていません。課題が4つしかないので、一般的な優劣とも言えません。

Plus の Codex 枠で24回を回したら、5時間ごとの利用枠が途中で上限近くに達して、2時間ほど待ってから続けることになりました(ほかの作業でも Codex を使っていたので、どの設定がどれだけ枠を使ったかは分けられていません)。枠の減り方の違いも、次に測りたいことの1つです。あわせて、テストの無い課題を混ぜて、差が出る境目を探してみるつもりです。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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