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開発ログ2026年7月25日by K.hirano

Claude Opus 5、全effort段でSol凌駕——秘めた実力とコスト最適化の結論

Claude Opus 5とGPT-5.6 Solを同じeffort段で並べると、low/medium/high/xhigh/maxの5段すべてでOpus 5が上回りました。mediumがSolのhighを超え、lowですらSolのmaxより嘘をつかない。独立実測データから、常用すべき段とコスト最適化の答えを出します。

#Claude#gpt#aiモデル比較#ベンチマーク

effortを下げるの、こわくないですか。

lowからmaxまで5段階あって、下げれば速くなるのはわかる。でも「下げたぶんだけ馬鹿になる」なら本末転倒です。確かめる方法もないので、結局maxかhighに固定したまま。

その代償が、最初の一文字が出るまでの待ち時間です。

1分近く沈黙が続くと、こちらの集中も切れます。かといって下げてハルシネーションが増えたら困る。感覚で決めるしかない——この状態、けっこう長く続いていました。

2026-07-24にリリースされたClaude Opus 5について、独立ベンチマークのArtificial Analysisが各effort段の実測を公開しています。これをGPT-5.6 Solの同じ段と並べてみました。

先に結論を書きます。同じeffort段で並べると、Claude Opus 5はGPT-5.6 Solに5戦5勝でした。

しかも1段のハンデを与えても勝ちます。Opus 5のmedium(56.28)が、Solのhigh(55.87)を上回る。

実用的な答えは「迷ったらmedium常用」です。最初のトークンが出るまでの時間が、mediumで5.63秒、highで24.94秒。ここで4倍以上に跳ねます。対話の気持ちよさが保たれる上限が、ちょうどmediumなんです。

じっくり考えさせたい設計レビューのときだけ、high以上へ上げれば十分。

その根拠を、以下で数字ごと並べていきます。

なお、この記事は私が自分でベンチマークを回したものではありません。第三者が公開している実測データを読み解いて、「で、自分はどの段を使えばいいのか」まで落とし込む記事です。データの取得時点は2026-07-25。ベンチマークは随時更新されるので、閲覧時点の数字とはズレることがあります。

同一effort段での勝敗表

大前提を1つだけ。段を揃えて比べます。

段が違えば結論はひっくり返るからです。これは後でちゃんと書きます。

使う物差しはArtificial Analysis Intelligence Index v4.1(以下AAII)。GDPval-AAやSciCodeなど9つの評価を合成した知能指数です。

effort段Claude Opus 5GPT-5.6 Sol差(Opus 5 - Sol)
low50.6149.44+1.17
medium56.2853.59+2.69
high58.8655.87+2.99
xhigh60.0757.65+2.42
max60.6958.89+1.80

出典: Claude Opus 5 on Artificial Analysis, GPT-5.6 Sol on Artificial Analysis

5段すべてでOpus 5が上、でした。

ただし、さっき「段を揃える」と言ったのには理由があります。試しに揃えずに比べてみてください。Opus 5のlow(50.61)とSolのmedium(53.59)なら、今度はSolのほうが上です。

「lowなら何でもSol以上」ではありません。ここは正直に書いておきます。

1段、2段のハンデを与えても勝てるのか

もっと知りたいのは、こっちだと思います。「下の段にしても、向こうの上の段に勝てるのか」。

Opus 5のmedium(56.28)は、Solのhigh(55.87)を上回ります。1段ハンデで勝ち。

Opus 5のhigh(58.86)は、Solのmax(58.89)とほぼ同点。差は-0.03しかありません。2段ハンデでようやく並ばれる。

そしてOpus 5のxhigh(60.07)になると、Solのmax(58.89)を明確に抜きます。

つまり、effortを1段下げるという判断は、他社の最上位に対する敗北を意味しません。設定で毎回悩んでいる側からすると、これはかなり心強い話です。

全体順位で見るとどうなるか

同じAAII v4.1のランキング全体でも、Opus 5の各段はかなり上位に食い込んでいます。

順位モデル (effort)AAII v4.1
1Claude Opus 5 (max)60.69
2Claude Opus 5 (xhigh)60.07
3Claude Fable 5 (with fallback)59.86
4GPT-5.6 Sol (max)58.89
5Claude Opus 5 (high)58.86
6GPT-5.6 Sol (xhigh)57.65
7Kimi K357.11
8Claude Opus 5 (medium)56.28
9GPT-5.6 Sol (high)55.87
10Claude Opus 4.8 (max)55.69

出典: https://artificialanalysis.ai/models/claude-opus-5

1位がOpus 5のmax。ここまでは気持ちいいのですが、3位の行に少し注意が要ります。

Fable 5の行には「with fallback」というラベルが付いています。

これは、安全性の分類器にリクエストが弾かれたときに別のモデルへ回した結果を含む、という意味です。純粋なFable 5単体のスコアではありません。

ややこしいのは、Anthropic自身の発表では逆向きの表現が使われていることです。「Fable 5のフロンティア知能に半額で肉薄する」——つまり公式は、Opus 5がFable 5の下にいる前提で書いています。

測っているベンチマークが違えば、どちらも正しい。なので「Opus 5がFable 5を超えた」と単純には言えません。ここで扱っているのは、あくまでArtificial AnalysisのIntelligence Index上での順位です。

もう1つ、地味に効く話を。

8位のOpus 5 medium(56.28)は、前世代の最上位だったOpus 4.8のmax(55.69、10位)を上回っています。前世代で一番重い設定にしていた人は、Opus 5ではmediumまで落としてなお性能が上がる計算です。

なぜeffortを下げても安心なのか:AA-Omniscience Index

知能スコアが高くても、嘘をつくなら意味がありません。というより、effortを下げるのがこわい本当の理由は、たぶんここです。

Artificial AnalysisのAA-Omniscience Indexは、知識の正確さからハルシネーション率を引いた指標(-100〜100)。高いほど「知ったかぶりをしない」モデルです。

この軸で、はっきり差が出ました。

Opus 5のlow(23.18)が、Solのmax(21.70)を上回ります。

Opus 5を一番軽い設定にしても、Solを一番重い設定にしたときより、嘘が少ない。しかも全段対全段で、きれいに分離しています。

モデル (effort)AA-Omniscience Index
Claude Opus 5 (max)31.27
Claude Opus 5 (xhigh)29.80
Claude Opus 5 (high)28.08
Claude Opus 5 (medium)25.63
Claude Opus 5 (low)23.18
GPT-5.6 Sol (max)21.70
GPT-5.6 Sol (xhigh)20.55
GPT-5.6 Sol (high)19.75
GPT-5.6 Sol (medium)18.95

出典: Claude Opus 5 (low)

「下げたら嘘が増えるのでは」という不安に対する答えが、この表です。少なくともOpus 5については、その心配はかなり小さいと言えます。

なぜhighにすると『待たされる』のか

体感速度を決めているのは、平均の速さではありません。最初の一文字が出るまでの沈黙です。

Time To First Token、略してTTFT。この間、画面には何も起きません。

Claude Opus 5の段別TTFTがこちらです(単位: 秒)。

  • low: 4.08
  • medium: 5.63
  • high: 24.94
  • xhigh: 38.85
  • max: 64.52

出典: Claude Opus 5 (medium), Claude Opus 5 (high)

mediumまでは5秒台。highで、いきなり約25秒。

ここが断絶です。

5秒なら「ちょっと待つな」で済みます。25秒は違います。「あ、いま考えてるんだな」と意識してしまう長さで、そこで一度こちらの集中が切れる。マシンの速度の話ではなく、人間の集中の持続時間の話です。

日常のコーディング支援でhighを常用しづらいのは、知能が足りないからではなく、この沈黙のせいだと思います。

ただし、全部が遅いわけではありません。

リクエスト完了までの総時間で見ると、medium以上ではOpus 5のほうが速い。highではOpus 5が33.37秒、Solが44.90秒。11.53秒の差がつきます。

考え始めるまでは長いが、動き出したら早く終わる。段ごとに並べると、逆転がどこで起きるかがはっきりします。

effort段Opus 5のE2E応答SolのE2E応答速い方
low13.29秒10.83秒Solが2.46秒速い
medium15.52秒17.77秒Opus 5が2.25秒速い
high33.37秒44.90秒Opus 5が11.53秒速い
xhigh48.54秒85.04秒Opus 5が36.50秒速い

出典: https://artificialanalysis.ai/models/claude-opus-5-high

lowだけはSolが速い。でもmediumで逆転して、そこから段を上げるほど差が開きます。xhighではSolがOpus 5の1.75倍の時間を使う計算です。

重い設定にするほどOpus 5が有利になる、というのは直感に反するかもしれません。同じ点数を出すのに必要な思考量が、そもそも違うということなんだと思います。

1枚にまとめると

ここまでの数字を並べておきます。

effort段AAII v4.1嘘のなさ初動(TTFT)完了まで出力トークン/タスク
low50.6123.184.08秒13.29秒6,067
medium56.2825.635.63秒15.52秒11,564
high58.8628.0824.94秒33.37秒19,692
xhigh60.0729.8038.85秒48.54秒28,703
max60.6931.2764.52秒73.64秒

出典: https://artificialanalysis.ai/models/claude-opus-5-xhigh

この表の読みどころは、段の「間」です。

lowからmediumへ上げると、知能は5.67ポイント伸びるのに、待ち時間は1.55秒しか増えません。安い買い物です。

mediumからhighはどうか。知能の伸びは2.58ポイントに落ちるのに、初動は19.31秒も伸びます。

得が減って、損が増える。 折り返し地点が、ちょうどmediumにあります。

出力トークン数も同じ形です。lowの6,067から、maxまでで4倍以上に膨らむ。effortを上げるというのは、要するにモデルに長く考えさせることで、その時間とトークンは全部こちらの財布と集中力から出ていきます。

で、いくら得なのか

AAII v4.1のテストセットを1周走らせた総額が公開されているので、これで見てみます。

GPT-5.6 Solが、Opus 5のmedium(56.28点、約$1,115)に追いつくには、xhigh(57.65点、約$1,543)まで上げる必要があります。1.38倍払って、1.37点。

Opus 5のhigh(58.86点、約$1,974)に並ぶには、Solのmax(58.89点、約$2,824)が要ります。1.43倍払って、0.03点。

単価そのものにも差があります。Claude Opus 5は入力$5.00・出力$25.00(100万トークンあたり)、GPT-5.6 Solは入力$5.00・出力$30.00。入力は同額で、出力はOpus 5が2割安い。

さらに言うと、Opus 5の価格は前世代のOpus 4.8と同額に据え置かれています。Opus 4.8を使っていた人からすると、値段はそのままで中身だけ上がった形です。

キャッシュヒット時は$0.50(9割引)まで落ちるので、同じコンテキストを何度も投げるエージェント用途なら、実効単価はもっと下がります。

Anthropic側の説明とも矛盾しないか

ここまでは第三者の実測でした。売り手側は何と言っているのか、いちおう見ておきます。

先に断っておくと、ここから先はAnthropicの自社公表値です。独立検証ではないので、そのぶん割り引いて読んでください。

Anthropicの発表によると、Zapierの業務自動化ベンチマークでは、最低effort設定のOpus 5が他のどのモデルよりも多くのタスクを通過したとされています。

同じ発表に載っている早期アクセス顧客のコメントも、方向は揃っています。

法務エージェントを開発している企業の担当者いわく、「低いreasoningレベルでも品質を維持する能力に感心した。Opus 4.8の最大reasoningと同等の性能を、平均26%少ないトークンで達成した」。

金融系ベンダーの担当者は「effort段を横断して平均9ポイント高い精度を、1/3少ないターンとツールコール、60%短い時間で達成した」。

ベンダー発の数字なので鵜呑みにはできません。ただ、独立実測と自社公表が同じ方向を向いているという事実自体は、判断材料として意味があると思います。

結局、どの段を使えばいいのか

ここまでの数字をまとめると、こうなります。

常用設定は medium がバランス点

  • 知能指数(AAII)ではSolのhighを上回る性能が得られる。
  • TTFTは5.63秒と、対話のテンポを壊さない範囲に収まっている。
  • ハルシネーションの少なさ(Omniscience指数)ではSolのmaxを上回るため、品質面での不安が小さい。

high 以上は特定の場面で

  • 設計ドキュメントの深いレビュー、複雑なアルゴリズムの考案など、じっくり思考時間をかけてほしいタスク。
  • TTFTが25秒〜1分以上になることを許容できる場合。

low はコスト優先時

  • 単純なコード補完や定型処理など、最高の知能は必要ないがOmniscience(正確性)は欲しいタスク。
  • 応答速度(TTFT約4秒)を最優先する場合。

どこで切り替えるか

Claude Codeなら、セッション中に /effort を実行すると段の選択画面が出ます。

普段はmediumに置いておいて、重い設計レビューに入るときだけhighへ上げる。この運用がいちばん楽だと思います。

ただ、設定まわりには癖があります。設定ファイルに永続化できる段とセッション限りの段が分かれていたり、モデルを切り替えるとリセットされたり。このあたりは手元で確かめてClaude Code の /effort 完全ガイド|low〜maxの使い分けと『コストが増える本当の理由』BlogClaude Code の /effort 完全ガイド|low〜maxの使い分けと『コストが増える本当の理由』Claude Code の /effort(low〜max・ultracode・auto)は「賢さ」ではなく「トークンの気前よさ」のレバー。モデル別の推奨スタートと、Opus 4.8 でコストが増えた気がする原因を『トークナイザ』と『effort』の2軸に切り分ける考え方を、公式一次情報と v2.1.156 の実機確認で解説します。にまとめてあるので、運用に落とすときはそちらへどうぞ。

APIから使う場合は、リクエスト側でeffortを指定します。

Anthropicの説明でも、この設定は「知能を優先するか、トークンを節約して速く安く済ませるかを選ぶためのもの」と位置づけられています。下げることは、想定された使い方です。手抜きではありません。

速度そのものが欲しいなら、Fast modeという別の手もあります。Anthropicの発表によると、既定の約2.5倍の速度で動く代わりに料金が2倍。待ち時間をお金で買う仕組みで、effortを下げるのとは別の軸の解決策です。

最後に、いちおう釘を刺しておきます。

ここに出した数字は、Artificial Analysisという1つの評価体系の上での話です。ベンチマークのスコアは、タスクの設計と採点基準しだいで印象が変わります。実際の挙動も、扱う仕事の性質によってはこの通りにならないはずです。

それでも、「下げると馬鹿になるかもしれない」という漠然とした不安を、「mediumならまず大丈夫」という具体に置き換えることはできたと思います。

コストと待ち時間に悩んでいるなら、まずmediumから試してみてください。

参考リンク

本記事の数値はすべて下記から取得しています。Claude Opus 5のリリースは2026-07-24、データの取得日は2026-07-25です。

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この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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