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チュートリアル2026年7月11日by K.hirano

GPT-5.6のeffort、maxにすると何倍遅い?実測で見る使い分け

GPT-5.6 Sol/Terra/LunaのreasoningエフォートをArtificial Analysisの第三者実測データで比較。effortを上げるとIntelligence Index・TTFT・価格がどう変わるかを出典付きチャートで確認し、用途別の使い分け判断基準を整理します。

#GPT-5.6#OpenAI#Artificial Analysis#reasoning effort#Sol#Terra#Luna

こんにちは。夏の暑さが本格的になって、待たされる時間がいつもより長く感じる季節ですね。今回は、その「待ち時間」がテーマです。

GPT-5.6 の Sol・Terra・Luna は、考える深さ(reasoning effort)を Non-reasoning から max まで最大6段階で選べます。第三者のベンチマーク機関 Artificial Analysis の実測を並べると、effort を上げるほど賢さの指標(Intelligence Index)は伸びますが、上の段ほど伸びは頭打ちになります。一方で、応答が始まるまでの待ち時間(TTFT)は、Sol の low から max までで約88倍に跳ね上がります。料金の単価は同じモデルなら effort に関わらず固定で、費用が増える正体は出力トークン(AI が書き出す文字の量)の増加です。結論としては、低い effort で足りる作業と、高い effort が要る作業を分けて使うのが正解です。

正直なところ、最初は私も「困ったら max にしておけばいい」と思っていました。でも実測データを並べてみると、そうとは言い切れませんでした。この記事では、OpenAI 公式の位置づけと、Artificial Analysis の実測チャート(一次情報として保存したページから出典付きで引用)を突き合わせて、公式発表だけでは分からない「上げた分だけ何が起きるのか」を数字で見ていきます。

GPT-5.6 は3モデル体制で、新しく「max」が加わった

OpenAI は2026年7月9日、GPT-5.6 ファミリーとして3つのモデルを発表しました(OpenAI公式発表、2026-07-11確認)。

  • Sol — フラグシップ。ソフトウェアエンジニアリング・科学研究・高度な推論・複雑な問題解決など高負荷タスク向け
  • Terra — バランス型。日常業務でケイパビリティ・速度・コストのバランスを取ったモデル
  • Luna — GPT-5.6ファミリー中最速・最安

価格(1Mトークンあたり、入力/出力)は Luna $1/$6、Terra $2.50/$15、Sol $5/$30 です。同じモデルの中では、effort をどこに設定してもこの価格は変わりません。Luna の価格はOpenRouterのモデルページでも同じ数値(入力$1/1M・出力$6/1M)を確認できます。

Sol は ChatGPT の対象プランで Medium・High・Extra High の effort を提供していて、GPT-5.6 では新たに「max」が追加されました。Sol にいちばん長く考えさせる設定です。さらに Sol 専用の新しい動作モード「ultra」もあり、1回の呼び出しでタスクを分解し、並列に動く小さな作業役(サブエージェント)を立てて同時に処理する仕組みとして紹介されています。ただ、今回の素材には ultra の実測データが含まれないので、ここでは機能の紹介だけに留めます。

effort 別の実測値を一覧で見る

ここからの数字は OpenAI の公式発表値ではなく、第三者ベンチ機関 Artificial Analysis が自分で計測した実測値です(保存日時2026-07-10、Artificial Analysis)。Output Speed は文字を書き出す速さ、TTFT は書き始めるまでの待ち時間です。

モデルEffortIntelligence IndexOutput Speed (t/s)TTFT (秒)入力$/1M出力$/1M
LunaNon-reasoning27210.90.73$1.00$6.00
Lunalow33227.41.15$1.00$6.00
Lunamedium38196.41.80$1.00$6.00
Lunaxhigh49185.225.11$1.00$6.00
Lunamax51204.499.97$1.00$6.00
SolNon-reasoning41記載なし記載なし$5.00$30.00
Sollow4967.12.21$5.00$30.00
Solmedium54欠損欠損$5.00※$30.00※
Solhigh5673.07.00$5.00$30.00
Solxhigh5870.842.65$5.00$30.00
Solmax5978.0195.05$5.00$30.00
TerraNon-reasoning34131.80.74$2.50$15.00
Terralow40135.01.37$2.50$15.00
Terramedium46138.81.87$2.50$15.00
Terrahigh49121.52.07$2.50$15.00
Terraxhigh52142.127.55$2.50$15.00
Terramax55144.1139.28$2.50$15.00

※Sol (medium) の価格は直接確認できていません。Sol の他の5段階がすべて $5.00/$30.00 でそろっているので、同じパターンからの推定値として載せています(実測ではありません)。コンテキストウィンドウ(一度に読み込める量)は、全モデル・全 effort 共通で1.0Mトークンです。

Sol の effort による違いを散布図で見ると、こうなります。

GPT-5.6 Sol (low) のコスト対知性スコア散布図。左下寄りの低コスト帯に位置するSol(low effort)はタスク単価約0.2ドルでIntelligence Index約50の位置にある(出典: Artificial Analysis https://artificialanalysis.ai/models/gpt-5-6-sol-low)

同じ散布図でmax effort版のSolの位置。右上寄りの高コスト・高スコア帯へ移動している同じSolでもmax effortではタスク単価が約1ドルまで上昇し、Intelligence Indexも約59まで伸びる(出典: Artificial Analysis https://artificialanalysis.ai/models/gpt-5-6-sol)

同じ Sol なのに、low と max ではタスク単価が約5倍違う位置にいます。単価は同じでも、1回の仕事にかかるお金はここまで変わるわけです。

上げるほど賢くなるが、伸びは頭打ちで、待ち時間は跳ね上がる

表を眺めて読み取れることは、3つにまとまります。

まず、Intelligence Index の伸びは上の段ほど小さくなります。Terra で見ると low 40 → medium 46 → high 49 → xhigh 52 → max 55 と、1段上げるごとの伸び幅が縮んでいきます。

次に、TTFT は effort を上げるほど劇的に増えます。Sol は low の2.21秒から max の195.05秒まで、約88倍です。長く考えさせる代償が、そのまま待ち時間に出ています。

そして、価格は同じモデルの中では effort に関わらず固定です。費用が増える正体は単価ではなく出力トークン数で、Sol の high では約21M、max では約70M に増えています。

他のモデルと比べた位置も、Intelligence Index のランキング棒グラフで確認しておきます。

Intelligence Indexの主要モデル横断ランキング棒グラフ。GPT-5.6 Sol (high) は56点で全体4位相当Intelligence Indexランキングでは、Sol(high)が56点で上位に位置する(出典: Artificial Analysis https://artificialanalysis.ai/models/gpt-5-6-sol-high)

GPT-5.6 Luna (Non-reasoning) のタスク単価対Intelligence Indexの散布図。最速・最安モデルの位置(約$0.06・Intelligence Index約27)最速・最安のLuna(Non-reasoning)はタスク単価約0.06ドルの最左に位置する(出典: Artificial Analysis https://artificialanalysis.ai/models/gpt-5-6-luna-non-reasoning)

Intelligence Indexの主要モデル横断ランキング棒グラフ。GPT-5.6 Terra (medium) は46点同じランキングでバランス型のTerra(medium)を見ると46点の位置にある(出典: Artificial Analysis https://artificialanalysis.ai/models/gpt-5-6-terra-medium)

Luna(Non-reasoning)はタスク単価0.06ドル帯のいちばん左にいて、Sol(high)はランキング上位の56点です。この距離が、そのまま料金と賢さの引き換えを表しています。

用途別の目安

ここが今回の中心です。実測データから逆算すると、使い分けの目安はこう整理できます。

  • コスト最優先・大量バッチ処理 → Luna のNon-reasoning〜low。タスク単価が最も低く、TTFTも1秒台に収まる
  • 日常のコーディング・Q&A・一般業務 → Terra のmedium前後。Intelligence Index 46でTTFT 1.87秒と、コストと待ち時間のバランスが良い
  • 設計・複雑な推論・妥協できない品質が必要な場面のみ → Sol のhigh以上。ただしTTFTが7秒を超えるため、リアルタイム性が求められる用途には向かない
  • 「念のため最高設定」は避ける → maxは効果があるものの、TTFTが100〜200秒に達する場面もあり、バッチ処理やレビュー用途以外では体感的な待ち時間が大きなコストになる

「とりあえず max にしておけば安全か」と聞かれたら、品質の面では悪い選択ではない、と答えます。ただ、返事が始まるまで100〜200秒待つ場面があるので、その場でやり取りしたい用途では待ち時間そのものが大きな負担になります。迷ったら、まず一段低い effort で試して、実際のタスクで品質が足りているかを確かめてから上げるのが安全です。

なお、effort を上げても単価($/1Mトークン)は変わりませんが、出力トークン数が増えるぶん、実際の請求額は結果的に増えます。

数字は第三者の計測で、時点によって変わる

最後に、この記事の数字を読むときの但し書きをまとめておきます。

  • 本記事の実測値はすべて Artificial Analysis という第三者ベンチ機関の計測で、OpenAI公式発表値ではありません。
  • Sol (medium) は保存ページが破損していて、Output Speed・TTFT・価格の直接データが欠けています。Intelligence Index=54 だけは、Sol(high) のページに埋め込まれたランキング棒グラフから補って確認しました(sm-03参照)。
  • 2026-07-11 にライブで確認したところ、Sol(high) の Output Speed が保存データの73.0 t/s から61.1 t/s へ、TTFT が7.00秒から10.51秒へ変わっていました。第三者ベンチマークは継続的に計り直されるので、数値は時点によって変わりえます。
  • ultra モード(並列サブエージェント)は、今回の素材に実測データが無いため比較の対象外です。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

出典

(確認日: 2026-07-11 / 公開日: 2026-07-09) この記事は OpenAI 公式発表(previewing-gpt-5-6-sol)と、第三者ベンチ機関 Artificial Analysis の実測ページ(一次情報として保存・2026-07-10)を一次ソースとして参照して執筆しています。数値は第三者計測であり、時点によって変動します。

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