RadeonかRTXか。2026年の選択は、もはや性能比較だけじゃ済まない
2026年時点のMETA-MARKデータを使ってRadeon vs RTXを比較。性能スコアではNVIDIAが圧倒的だが、ROCm・Linux・AI用途ではRadeonが選択肢になる理由を解説。
この記事の結論(2分で読める要約)
- 純粋な3Dゲーム性能ならNVIDIAが圧倒的(RTX 5090のMetaScore性能値: 1047 vs RX 7900 XTX: 307)
- Adobe・DaVinci・AIローカル実行が絡む場合はRadeonのROCm対応が決め手になる
- 予算10〜15万円帯ではRadeonの価格優位が明確
- 「とにかくゲームだけ」なら素直にNVIDIAを選んだほうがいい
- 「用途が9割」というのが20年この業界にいた正直な感想
情報の鮮度: 2026年2月時点のDB実測値をもとに記述
RadeonかRTXか、この問いに正解を出そうとする人が今でも絶えない。
理解できる。GPU選びは金額が大きいし、一度選んだら数年単位で付き合うことになる。失敗したくないのは当然だ。ただ、「どっちが強いか」という問い方をしている限り、答えが出ることはない。
性能という名の前提条件
META-MARKのデータベースで測定したMetaScore性能値を見ると、差は残酷なほど明確だ。
| GPU | 性能スコア | 効率スコア | VRAMVRAMグラフィックボードに載っている、GPU 専用の高速なメモリ。詳しく → | TDPTDP(熱設計電力)CPU や GPU の冷却を設計する時に使う、発熱量の目安となる電力の値。詳しく → |
|---|---|---|---|---|
| RTX 5090 | 1047.5 | 18.2 | — | — |
| RTX 4090 | 825.8 | 18.4 | — | — |
| RTX 5080 | 562.8 | 15.6 | — | — |
| RX 7900 XTX | 307.1 | 8.7 | 24GB | 355W |
| RX 9070 XT | 243.3 | 8.0 | 16GB | 304W |
RTX 4090とRX 7900 XTXを比べると、性能で約2.7倍、効率でも2倍以上NVIDIAが上回る。ハイエンドで比較する限り、Radeonに勝ち目はない。
これは事実だし、隠す必要もない。
では、Radeonをあえて選ぶ理由は何か
ここからが本題だ。
Linuxで動かすなら、話が変わる。META-MARKのLinux互換性データを確認すると、RX 7900 XTXはROCm 6.3でフルサポート、RX 9070 XTはROCm 6.4に対応している。オープンソースドライバーで動き、ROCm経由でAI計算もできる。
NVIDIAがCUDAという閉じた生態系で強みを発揮するのに対して、AMDはオープンな方向に舵を切っている。これが「どちらが正しいか」の問題ではなく、「何をやりたいか」によって評価が逆転するポイントだ。ローカルでLLMLLM(大規模言語モデル)大量の文章で学習し、人のように文章を読み書きできる大きな AI のモデル。詳しく →を動かす、Stable DiffusionStable Diffusion文章で指示した内容の画像を作る、重みが公開された画像生成 AI のモデル。詳しく →を走らせる、AIワークロードを自前サーバーで処理する——そういう用途に対して、ROCm対応のRadeonは選択肢になり得る。NVIDIAのほうが生態系として成熟しているのは確かだが、AMDはそこを猛追している。
中間価格帯で逆転が起きる
もう一つ見落とされがちな点がある。
RX 9070 XT(性能スコア243.3)とRTX 5080(同562.8)を直接比較するのは意味がない。価格帯が違う。けれども同価格帯で比べると、AMDはコストパフォーマンスで拮抗してくる場面がある。
ミドルレンジで「FHDから2Kの環境でゲームをする」という用途なら、Radeonの選択肢は排除しなくていい。ただし、RTX特有のDLSSDLSS(深層学習スーパーサンプリング)NVIDIA の、低い解像度で描いた画面を AI で高解像度に仕上げる技術。詳しく →の完成度は素直に認めるべきで、AMDのFSRFSR(FidelityFX Super Resolution)AMD の、低い解像度で描いた画面を高解像度に仕上げてフレームレートを稼ぐ技術。詳しく →はそこにまだ届いていない。ゲームによってはフレームレートに如実に差が出る。
FAQ
Q: RadeonはWindowsゲームに向かないの? A: 向かないわけではない。Windowsでのゲーム性能は問題ない。ただし、DXR(レイトレーシングレイトレーシング光が物に当たって反射する道筋を計算して、影や映り込みをリアルに描く方法。詳しく →)の実装品質とDLSSに相当するFSRの完成度という点では、NVIDIAに軍配が上がる場面が多い。
Q: ROCmとCUDAの実力差は? A: CUDAはエコシステムが成熟していて、機械学習フレームワークの対応度が高い。ROCmはオープンで追いついてきているが、一部フレームワークや古いコードではCUDA前提になっている場合が多い。本格的なAI開発ならCUDA環境のほうが手間が少ない。
Q: RX 9070 XTは買いか? A: MetaScoreのデータでは性能243.3、効率8.0。同予算のRTX系と比較した上で判断してほしい。RX 9070 XT詳細とRX 7900 XTX詳細でスペックを確認できる。
20年この業界にいて、メーカー変遷をずっと見てきた。AMDが一時期「安物」扱いされていたことも、NVIDIAが圧倒的な地位を確立したプロセスも、どちらも知っている。Radeonが今、ROCmというオープンな武器で反攻している。それが実際のゲーム性能差を埋めるかどうかはまだわからない。
少なくとも「ゲームだけなら」という条件付きでRadeonを選ぶのは、2026年の時点では難しい選択だ。
関連: GPUランキング | RTX 5090詳細 | RX 7900 XTX詳細
この記事を書いた人
HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!
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