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チュートリアル2026年6月2日by K.hirano

RunPodでGPUを時給39円で借りて実測 — 安い16GBは24GBより割高だった結論

RunPodでgemma3:27bを16GBと24GBで実測。借りるのは簡単でも、安いGPUが得とは限らない理由を数字で整理します。

#runpod#gpuレンタル#ローカルLLM#VRAM#実測

こんにちは。紫陽花が色づき始めて、雨の予報が気になり出す頃ですね。

RunPod で GPU を借りてローカルLLM(手元で動かす対話 AI)を試すなら、「一番安いGPU」ではなく「動かすモデルが収まる最小のGPU」を借りてください。同じ gemma3:27b を RTX A4000(16GB) と RTX 4090(24GB) で回したところ、時給の安い16GBは 約20.7倍遅く、仕事量あたりでは7.5倍割高でした。借りること自体は簡単で、時給39円台から触れます。落とし穴は値段ではなく、モデルの大きさとGPUのメモリの関係にあります。

公平のために先に書いておくと、これは 17GBある gemma3:27b を16GBに載せようとして「あふれた」ケースの話です。モデルがちゃんと16GBに収まるなら(7B〜12B級など)、16GBは普通に実用になります。 安い16GBが罠になるのは「収まらないモデルを無理に載せたとき」だけ、と覚えてください。RunPod と Vast.ai のどちらにするかで迷っているなら、RunPod vs Vast.ai GPUレンタル実測 — 初めてはRunPod、最安はVastの2択 もあわせてどうぞ。

目次

RunPodは本当に借りやすい

RunPod は、GPUレンタルの面倒さがかなり薄いサービスです。Pod(借りたGPU付きの作業マシン)をデプロイすると、数十秒で root@...:/# のプロンプトが出ました。ここは予想以上でした。

RunPodのPodにデプロイ直後、数十秒でroot@プロンプトが表示されたターミナル画面

つなぎ方も Jupyter Lab・SSH・Web terminal・直TCP と4通り用意されています。特にありがたいのは、SSH鍵を先に入れていなくても、ブラウザの Web terminal からその場で触れることです。最初の一歩で詰まらない。地味ですが、ここが効きます。

RunPodのPod接続画面。Jupyter Lab・SSH・Web terminal・直TCPの4つの接続経路が並ぶ

RunPod の入口を試すなら、まずはこれで十分です。

📌 この記事の RunPod へのリンクは紹介リンク(アフィリエイト)です。下のリンクから新規登録して $10 入金すると、あなたと私の双方に少額のクレジットが入ります。料金や中身は、自分で実際に借りて確かめたうえで書いています(使っていないサービスは勧めない方針です)。

👉 RunPod を試す: https://runpod.io?ref=8f3bejl2

実測した環境と料金

RunPod は前払いクレジット制です。$150 などまとめて入れておき、残高が尽きると Pod が止まります。逆に言えば、勝手に青天井で課金されないのが安心材料です。最小 $10 の入金から始められ、そこで紹介クレジットも発生します。

RunPodのクレジット追加画面。$150〜$500の前払い選択とauto-payトグル、残高切れ警告

今回使った2枚の料金は次のとおりです(2026-06-02 時点・1USD≒157円で概算)。GPU 料金は時給課金で、1ミリ秒単位で計算されます。

  • RTX A4000(16GB) = $0.25/hr(約39円)
  • RTX 4090(24GB) = $0.69/hr(約108円)

為替と RunPod 側の改定で変わるので、最終的にはご自分の画面で確かめてください。実際のデプロイ画面では、時給と内訳がそのまま見えます。下は RTX A4000 を選んだときの例で、合計 時給$0.26(GPU $0.25+ディスク類)と、停止中のコストまで明示されます。

RunPodのデプロイカード。RTX A4000 x1で合計時給0.26ドル、GPU/ディスク/停止コストの内訳表示

⚠️ RunPodは「止めたつもり」で課金が終わらないことがあります。停止とTerminate(削除)は別物で、停止中もディスク維持費が少しかかります。不要になったら必ずTerminateしてください。auto-pay(残高が減ると自動で入金する設定)は任意でOFFにできますが、設定を見落とすと想定外の入金につながります。

ここで一度、足元を見ておきます。時給が安いことと、安く終わることは別です。LLM では「借りたGPUの値段」より、1トークン(文字のかけら)をどれだけ速く出せるかのほうが効いてきます。

16GBで何が起きたか

16GB側は、モデルが VRAM(GPUに載っている専用メモリ)に収まりませんでした。

今回の gemma3:27b は約17GB級なので、16GBのGPUにそのまま載せるのは無理です。するとLLMは、低速なシステムRAM(パソコン本体のメモリ)も使う構成に逃げます。結果、賢さは同じでも、とにかく遅い。

  • RTX A4000(16GB)
    • 速度: 2.29 tokens/s
    • 1回答: 約3分29秒
    • 状態: VRAMに収まらず CPU 混在に落ちる

正直、ここは少し迷いました。安いので「それなりに実用になるだろう」と期待したくなる気持ちは分かります。ですが、27B級ではその期待は外れました。

24GBで何が起きたか

24GB側は、ちゃんとVRAMに収まりました。こうなると話はかなり素直です。

  • RTX 4090(24GB)
    • 速度: 47.4 tokens/s
    • 1回答: 約9秒
    • GPU使用率: 100%
    • 状態: ほぼGPUだけで回る

同じモデルなのに、体感が別物です。16GBでは「待つ」のが仕事になっていましたが、24GBでは普通に対話できます。待ち時間が短いだけで、検証の回転数がかなり変わります。

速度差は20倍、コスト差は7.5倍

今回いちばん大事な数字です。

RTX 4090(24GB)RTX A4000(16GB)差
速度47.4 tokens/s2.29 tokens/s約20.7倍
100万トークンあたりのコスト$4.0$30.37.5倍

時給39円は魅力的です。でも、1トークンを出すのに極端に時間がかかるなら、総額では高くつく。少し冷たい真実ですが、LLM を借りて回すときにはここがいちばん効きます。

※この数字は記事執筆時の1回の計測です。後日の再計測では A4000 が 5.43 tokens/s・時給 $0.17 で、差は約2.2倍まで縮みました。16GB が割高という結論は変わりませんが、倍率は計測条件で大きく動きます。

なお、この20倍という差は「VRAMあふれ」と「カード自体のメモリ帯域差(4090は約1008GB/s、A4000は約448GB/s)」の合わせ技です。メモリ帯域は、メモリからデータを読み出す道の太さだと思ってください。仮に16GBに収まるモデルだったとしても、帯域差のぶんだけ4090のほうが速くはなります(理論上はおよそ半分の速度)。ここまで桁違いになるのは、あくまで「あふれた」からです。

VRAMは賢さではなく速さを決める

ここは誤解しやすいので、はっきり書きます。VRAM容量は「モデルの賢さ」を決めません。 同じモデルを動かしている限り、回答の中身は同じです。16GBで遅くなっても、出力の質は落ちません。違うのは、その賢さをどれだけ速く引き出せるかです。

実際、gemma3:27b は大きいだけあって内容そのものはかなり強く、量子コンピュータの説明まで普通に高品質でした。一方で、小さい gemma3:4b に変えると、速くなる代わりに事実の取り違えが出ました。たとえば「日本の第二の首都=福岡」のような誤答です。

つまり、VRAMが足りないことによる遅さと、モデル自体の賢さの差は別の問題です。量子化(モデルを圧縮して軽くする工夫)を使えば、小さいVRAMでも大きめのモデルが「収まる」こともあります(VRAM 12GBで35Bクラスを動かした実測も参考になります)。鍵はいつも「そのGPUにモデルが収まるか」です。

LLM の文章生成は、かなりの部分がメモリ帯域で頭打ちになります。ざっくり言うと、

生成速度 ≒ GPUメモリ帯域(GB/s) ÷ モデルサイズ(GB) × 効率(0.6〜0.85)

この見方で、4090の実測 47.4 tokens/s は理論値の8割近くで、だいたい筋が通ります。そして、VRAMからあふれた瞬間に低速なシステムRAMへ逃げると崖落ちする。今回の16GBは、まさにそこにはまりました。

借りるならこの判断でいい

判断はシンプルです。

  • 7B〜12B級を試す → 16GBでも成立しやすい
  • 27B級を実用的に回したい → 24GB級が最低ライン
  • 「とりあえず一番安いGPU」 → たいてい失敗しやすい

27B級なら、RunPod では RTX 4090 / 3090 の24GBクラスをまず見るのが現実的です。RunPod には B300 や H200 のような業務用から、RTX 4090・3090・A4000 のようなコンシューマ/ワークステーション向けまで幅広く並び、価格は時給で一覧表示されます。「動かすモデルが収まる最小GPU」を価格順に探すのがやりやすいです。入口として十分易しく安いので、クラウドGPUの試走には向いています。

RunPodのGPU価格グリッド。B300からRTX 4090・3090まで時給が一覧表示

RunPodのGPU価格グリッド下段。RTX A4000(16GB)$0.25/hrなど16〜24GB帯とストレージ設定

選び方を自分の目で確かめるなら、ここから登録して触ってみてください。

📌 再掲(紹介リンク/アフィリエイト): 下のリンク経由の新規登録+$10入金で、双方に少額クレジットが入ります。

👉 RunPod を試す: https://runpod.io?ref=8f3bejl2

RunPodの紹介プログラム画面。新規登録で$5-500のクレジットボーナス、紹介者にも還元される説明

動作確認と、最後にやること

触り終わったあとは、次の順に確認しておくと安心です。

  1. Pod がまだ Running になっていないか確認する
  2. 使い終わったら Stop ではなく Terminate する
  3. auto-pay 設定を見直す(ONだと残高低下時に自動入金されます)
  4. クレジット残高を確認する
  5. 次回試すモデルのサイズを先に決める

借りるのは簡単で、時給は激安。でも、収まらないモデルを載せると安い16GBは7.5倍割高になりえます。賢さはモデル次第、VRAMは速度と収まり方次第。27B級を触るなら、最初から24GB級を借りる。この結論を一度持っておくと、GPUを選ぶときの迷いがかなり減ります。

どのように検証したか

計測は 2026-06-02 に実施しました。各 Pod には Ollama(ローカルLLMを動かす定番ソフト)を入れて、同じモデルを次のように動かしただけです。

bash
# どちらのGPUでも同じコマンド。違うのは載せたGPUだけ
ollama run gemma3:27b

RunPod で実際に GPU を借り、同じ gemma3:27b(Ollama)を RTX A4000(16GB) と RTX 4090(24GB) の2台で動かしています。速度(tokens/s)と1回答あたりの体感時間、GPU使用率は実機の実行結果です。料金($0.25/hr・$0.69/hr)と前払いクレジット・接続画面・紹介プログラムは、2026年6月時点のRunPodコンソールのスクリーンショットをそのまま掲載しています(個人情報はマスク済み)。コスト($/100万トークン)は「時給 ÷(tokens/s × 3600秒)」で算出しました。

クラウドサービスは設定画面が更新されることがあり、本記事と画面が異なる場合があります。OS・ライブラリのバージョンが違えば手順が変わることもあるので、本番環境に使う前にはテスト環境で動作を確かめてください。

参考リンク

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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