B300
発売日: 2025-09-11
GPUコアスペック
| GPUチップ | GB110 |
| ベースクロック | 1665MHz |
| ブーストクロック | 2032MHz |
| CUDAコア | 18944 |
| Tensorコア | 592 |
| RTコア | 0 |
| TDP | 1400W |
メモリ
| 容量 | 144GB |
| タイプ | HBM3e |
| バス幅 | 4096bit |
| 帯域幅 | 4100GB/s |
物理仕様
| インターフェース | PCIe 5.0 x16 |
製品概要
NVIDIA B300は、2025年9月に発売されたデータセンター・ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けの超ハイエンドGPUアクセラレーターです。Blackwell(GB110)アーキテクチャを採用し、144GB HBM3eという膨大なメモリ容量と4100GB/sの圧倒的な帯域幅を実現しています。TDP 1400Wという極めて高い消費電力は、データセンターの液冷・空冷インフラが前提となります。前世代のH100(80GB HBM3)と比較して、メモリ容量が1.8倍、帯域幅も大幅に向上しており、大規模言語モデル(LLM)のトレーニングや推論、科学技術計算、気候シミュレーションなどの超大規模ワークロードに最適化されています。ターゲットユーザーは、AI研究機関、クラウドプロバイダー、スーパーコンピューター施設です。一般消費者向けではなく、エンタープライズ専用製品です。
主な特徴
B300は、NVIDIAの次世代アーキテクチャ「Blackwell(GB110)」を搭載し、18,944基のCUDAコアと592基のTensorコアを備えています。Tensorコアは第5世代で、FP8・FP16・BF16・TF32など多様な精度に対応し、AI演算性能が飛躍的に向上しています。前世代H100の640 Tensor Cores(第4世代)と比較すると、世代あたりの性能向上により、実質的なAI演算能力は2〜3倍と予想されます。
最大の特徴は144GB HBM3eメモリです。HBM3eは次世代高帯域メモリ規格で、4096bitという超広帯域バス幅により4100GB/sの帯域幅を実現します。これはGDDR6ベースのGeForce RTX 5090(約1,000GB/s)の4倍以上で、大規模モデルのパラメータロードや高速データ転送が必要なワークロードで圧倒的な優位性を持ちます。
144GBのメモリ容量は、GPT-4クラスの大規模言語モデル(1兆パラメータ以上)のファインチューニングや推論、拡散モデル(Stable Diffusion XL以上)の高速生成、分子動力学シミュレーション、気候モデリングなど、メモリ集約型のワークロードに対応します。
TDP 1400Wという極めて高い消費電力は、データセンターの冷却インフラが必須です。液冷システムまたは高性能空冷ラックが前提となり、一般的なワークステーションやサーバーでは使用できません。推奨電源は1800W以上で、冗長電源構成が推奨されます。
NVIDIAのNVLink第4世代により、複数のB300を高速接続してマルチGPUクラスタを構成できます。8基のB300を接続すれば、合計1,152GB(1.1TB超)のメモリプールを実現し、数兆パラメータのモデルトレーニングも視野に入ります。
用途別評価
4Kゲーミング: 性能スコア769.9/1300は高いものの、B300はデータセンター専用製品であり、ディスプレイ出力端子すら明示されていません。ゲーミング用途には完全に不向きで、GeForce RTX 5090を選択すべきです。
AI・機械学習: B300の真骨頂です。144GB HBM3eと592基のTensorコアにより、大規模言語モデルのトレーニング・ファインチューニング・推論、拡散モデルの高速生成、強化学習、推薦システムなど、あらゆるAIワークロードで最高峰の性能を発揮します。クラウドAIサービス(OpenAI、Anthropic、Google)やAI研究機関で採用される製品です。
動画編集: メモリ帯域4100GB/sは8K RAW素材の編集に余裕で対応可能ですが、B300はそもそも映像編集向けではなく、NVIDIA RTX 6000 AdaやRTX A6000を選択すべきです。コスト対効果が見合いません。
一般用途: 電力効率スコア5.5/40は極めて低く、一般用途には完全に不適切です。データセンター専用製品です。
ベンチマーク解説
B300は主にMLPerf(機械学習ベンチマーク)やHPL(スーパーコンピューター性能指標)で評価される製品です。性能スコア769.9は、一般的なゲーミングGPUベンチマーク(3DMark TimeSpy)ではなく、AI演算性能を反映したものと推測されます。
実用的なパフォーマンスとしては、以下のような用途で真価を発揮します:
- 大規模言語モデルトレーニング: GPT-4クラス(1兆パラメータ)のファインチューニングを数日〜数週間で完了。
- AI推論: リアルタイム推論(レイテンシ10ms以下)を大規模バッチで実行。
- 科学技術計算: 分子動力学シミュレーション(GROMACS)、気候モデリング(WRF)、流体解析(OpenFOAM)で数倍の高速化。
競合製品との比較では、AMD Instinct MI300X(192GB HBM3)がメモリ容量で上回りますが、NVIDIAのCUDA・TensorRT・NVLinkエコシステムの成熟度が大きな優位性です。Intel Gaudi3やGoogle TPU v5eも競合しますが、汎用性ではB300が優れています。
こんな人におすすめ
B300は以下のような超大規模ワークロードに最適です:
- AI研究機関・大学: 大規模言語モデル(LLM)の基礎研究、新アルゴリズムの開発、学術論文の再現実験。144GBメモリで数千億パラメータのモデルを1GPUでロード可能。
- クラウドAIサービスプロバイダー: OpenAI・Anthropic・Google等の生成AIサービスバックエンド。大規模推論クラスタの構築。
- 製薬・バイオテクノロジー企業: タンパク質フォールディング予測(AlphaFold)、創薬シミュレーション、ゲノム解析。メモリ容量と演算性能が必須。
- スーパーコンピューター施設: 気候変動シミュレーション、地震予測、天文学データ解析。HPCワークロードの加速。
- 自動運転・ロボティクス企業: 大規模シミュレーション(NVIDIA Isaac Sim)、強化学習トレーニング、マルチモーダルAIの開発。
よくある質問
Q1: 推奨電源容量は? A: 公式推奨は1800W以上です。ただし、B300はデータセンターラックマウント専用で、冗長電源構成(2x1200W以上)が標準です。一般的なATX電源では対応不可能で、専用の電源配線とブレーカー容量が必要です。
Q2: 冷却の注意点は? A: TDP 1400Wのため、液冷システムが強く推奨されます。空冷の場合でも、データセンターグレードの高風量ファン(数千CFM以上)と前面〜背面のエアフローが必須です。一般的なワークステーションケースでは冷却不可能です。データセンターの冷却インフラ(CRAC・CRAH)が前提となります。
Q3: 一般ユーザーが購入できますか? A: B300はエンタープライズ専用製品で、一般販売されていません。NVIDIA認定パートナー(Dell、HPE、Supermicro等)からサーバーラックとして購入するか、クラウドサービス(AWS・Azure・GCP)でインスタンスとして利用する形になります。価格は1基あたり300万円〜500万円と予想されます。
Q4: 競合製品との選び分けは? A: AMD Instinct MI300X(192GB HBM3): メモリ容量で優位だが、エコシステムではNVIDIAに劣る。 Intel Gaudi3: コスト重視ならこちらも選択肢だが、性能ではB300が上回る。 NVIDIA H100(80GB HBM3): 前世代だが価格は安い。メモリ容量が足りるならH100も検討価値あり。
Q5: B300とH100の違いは? A: 主な違いは以下の通りです:
- メモリ容量: B300 144GB vs H100 80GB(1.8倍)
- メモリ帯域幅: B300 4100GB/s vs H100 3350GB/s(約1.2倍)
- アーキテクチャ: B300 Blackwell(第5世代Tensor Core) vs H100 Hopper(第4世代)
- TDP: B300 1400W vs H100 700W(2倍)
大規模モデルのトレーニングやメモリ集約型ワークロードではB300が圧倒的に有利ですが、電力コストと冷却インフラを考慮すると、H100の方がコスト効率が良い場合もあります。ワークロードの特性に応じて選択してください。