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開発ログ2026年9月21日by K.hirano

Claude Codeを週間枠到達後に実測:advisorは日別73〜105回動いた

最上位モデルの週間枠が尽きた後、メインを一段下げて advisor だけ最上位に残す構成を、セッションログの日別集計で検証した実測記録。

#Claude Code#AI開発環境#コスト管理

週の半ばで、一番賢いモデルの枠が尽きました。

関連記事としては effort を途中で変えるとキャッシュはどうなる? Fable 5.1 と Opus 5 で実測した もあわせて読むと、今回の論点とのつながりを把握しやすくなります。

Claude Code を本気で回していると、わりと普通に起きることだと思います。困るのは、そこから枠がリセットされるまでの数日間をどう過ごすかです。素直に一段下のモデルへ落とすと、体感でわかるくらい判断が雑になる。かといって、その数日のために上位プランへ乗り換えるのも大袈裟な気がする。

そこで試したのが「メインは一段下げる。ただし advisor だけは最上位モデルのまま据え置く」という構成でした。本稿では最上位を Fable 5.1、一段下を Opus 5 として扱いますが、話の骨格はモデル名によらず同じです。結論から言うと、これはかなり良い選択肢です。ただし、良い理由は多くの人が思っているのとは少し違うところにあって、そこを誤解したまま使うと後で痛い目を見ます。実際のログを集計して確かめたので、順番に書いていきます。先に結論の骨だけ置いておくと、最上位モデルのメイン利用は枠到達の翌日からゼロになったのに、同じモデルの advisor 呼び出しは日別 73〜105 回で止まらなかった、というのが観測の中心です。

なにをどう測ったか

数字の話に入る前に、測り方と、この記事が言えないことを先に出しておきます。

  • 検証日: 2026-09-16
  • 環境: Linux 上の Claude Code v2.1.273、サブスクリプションプラン、advisor モデルを設定ファイルで常時指定(メインは Opus 5・思考の深さは中程度)
  • 手法: ローカルのセッションログ(JSONL)を日別に集計し、応答データの usage 内の iterations 配列から advisor 呼び出しのモデル名とトークン数を抽出しました。使用率は公式の使用量取得経路から取得した値を前後で比較しています
  • 期間: 枠到達の前日から4日後までの計6日分
  • 一次情報: 課金・キャッシュ・レート制限の記述は Claude Code 公式ドキュメントの advisor ページ を参照しました

そして、この記事で言えないことです。これは単一環境・単一アカウントの観測(n=1)であり、プラン種別や時期によって挙動は変わりえます。とくに「advisor 分が全体の利用上限に乗っているかどうか」は実測では判別できませんでした。週間メーターは1%刻みで、1回の呼び出しでは検出限界を下回るためです。判別できなかったことを「乗っていない」と読み替えないでください。

そもそも advisor とは何か

Claude Code には「アドバイザー」という仕組みがあります。メインのモデルが作業を進める裏で、節目だけ別の(より賢い)モデルに相談する機能です。設定で相談相手のモデルを指定しておくと、メインのモデルが「方針を決める前」「同じエラーで詰まった時」「完了を宣言する前」といったタイミングで自発的に呼び出します。

重要なのは、呼ぶかどうかを決めるのはメインのモデル自身だという点です。人間が「ここで相談しろ」と指示することもできますが、既定では完全にモデル任せ。この性質が、後で効いてきます。

公式ドキュメントも、この機能の狙いを「速いメインモデルと強いアドバイザーを組み合わせたほうが、強いモデルを最初から最後まで走らせるより安く済むことが多い」と説明しています。つまり今回やろうとしている構成は、そもそも製品が想定している使い方そのものです。奇策ではありません。

枠が尽きた後、何が起きていたか

ここからが実測です。手元のセッションログから、最上位モデルが「メインとして」呼ばれた回数と、「アドバイザーとして」呼ばれた回数を日別に数えました。

日メインとしての呼び出しアドバイザーとしての呼び出し
枠到達の前日744 回28 回
枠到達の当日118 回100 回
枠到達の翌日0 回73 回
その2日後0 回85 回
その3日後0 回105 回
その4日後0 回99 回

きれいに分かれました。メインとしての利用は枠に到達した時点で完全に途絶し、そこから一段下のモデルへ退避しています。ところがアドバイザーとしての呼び出しは一度も止まらず、到達前と同等以上の頻度で動き続けていました(呼び出しが多い日は、単にメインで長時間作業した日です)。

これは表示上の話ではありません。枠が満杯の状態で、サーバーが実際にその呼び出しを通したということです。つまりアドバイザー経由の呼び出しは、そのモデル専用の週間枠のゲートを通過していない。

同じモデルの呼び出し回数を日別に並べた折れ線。メインとしての利用は744回から118回を経て枠到達の翌日に0回へ落ち以後ゼロのままだが、アドバイザーとしての呼び出しは28回から100回へ上がり、その後も73回・85回・105回・99回と止まらない

同じモデルなのに、片方だけが止まった。止まらなかったほうが advisor 経由

ついでに使用量の内訳も見てみたのですが、アドバイザーのトークンは応答データの表向きの集計欄には現れず、一段深い場所にだけ記録されていました。7日分を足すと、アドバイザー側の入力は1億トークンを超えているのに、その数字は表向きのどの欄にも合流していませんでした(メイン側はキャッシュ読み込みとして別欄に数十億トークンが記録されているので、「メインが小さい」という意味ではありません。あくまでアドバイザー分がどこにも足されていないという話です)。使用量を自前で集計しているツールがあるなら、ここを読み落としている可能性が高いです(自分のツールがまさにそれで、慌てて直しました)。

応答データの使用量欄の入れ子構造を示す図。表向きの集計欄にはメイン側のトークンだけが入り、アドバイザーのトークンは一段深い iterations 配列の中だけに記録され、上の合計へは合流していないことを示す

合計欄を読むだけの集計ツールは、advisor 分をまるごと取りこぼす

「実質タダ」ではない、という話

ここで「じゃあアドバイザーは枠外なんだから使い放題では?」と考えたくなります。私も一瞬そう思いました。でも、そう結論づけるのは危険です。

公式ドキュメントの課金セクションには、こう書いてあります。

Subscription plans: advisor usage counts toward your plan's usage limits, except that a Fable advisor bills to usage credits on plans where Fable usage does (サブスクリプションプランでは、アドバイザーの利用はプランの利用上限にカウントされる。ただし Fable をアドバイザーにした場合、Fable の利用がクレジット課金になるプランでは、アドバイザー分もクレジットに課金される)

後半に例外が付いています。「Fable アドバイザーはクレジット課金だから、そもそも枠に乗らないのでは?」という読み方ができる箇所なので、ここは検討が要ります。ただ、今回の環境にこの例外は当てはまらないと考えています。理由は2つで、この環境の Fable は実際に週間メーターで管理されていた(だから枠に到達した)こと、そしてアカウント側のクレジットが無効・残高ゼロの状態だったことです。クレジットが使えない状態で562回の呼び出しが通っている以上、それがクレジットから引かれたとは考えにくい。したがって例外ではなく一般則のほうが効いている、というのが私の読みです。ここはプラン区分についての推測であって、ドキュメントに書いてある事実ではありません。

さらに同じページには「アドバイザーの利用は /usage が表示するセッション合計にもカウントされる」とも明記されています。つまり規定上は、カウントされるのが正しい挙動です。メーターに出ていないのは表示の不具合である可能性が高い。実際、この食い違いを指摘した Issue が公式リポジトリに上がっており、起票から10日ほど経った時点でまだ開発側からの回答はありません。

念のため自分でも測ってみました。8万トークンほどのアドバイザー呼び出しを1回挟んで前後の使用率を比較したのですが、動いたのは1ポイント程度で、その分は自分の通常のやり取りで説明がつく範囲でした。週間側のメーターは動かず。ただしこれは判定できなかったというだけで、乗っていないことの証明にはなりません。週間メーターは1%刻みで、1回の呼び出しでは検出限界を下回ります。

なので現時点での正直な整理はこうです。そのモデル専用の枠のゲート外にあることは実証済み。全体の利用上限に乗っているかどうかは実測では判別不能で、公式が「乗る」と言っている以上、乗っている前提で運用するのが安全。

それでもフル稼働には及ばない理由

仮にコストの話を脇に置いたとしても、「メイン降格+アドバイザー据え置き」は最上位モデルをフルで回すのと同等にはなりません。理由が3つあります。

1つめ。アドバイザーはキャッシュが効きません。 公式ドキュメントにも「アドバイザー自身の読み込みはキャッシュされない。呼び出しのたびに会話全体を新規に処理し、呼び出し間での再利用はない」と明記されています。手元のログでも、キャッシュ読み込みは常にゼロでした。メイン側が巨大な文脈を1/10の割引価格で読み直しているのに対し、アドバイザーは毎回8万〜18万トークンを定価で送り直している。1回あたりの単価としては、むしろ最も高い経路です。

2つめ。呼ぶタイミングを決めるのはメインのモデルです。 一段下げたモデルが、賢い相談相手を「正しい場面で」呼んでくれるとは限りません。特に思考の深さを浅く設定している場合、確認を省いて記憶で答えてしまう傾向があります。せっかく強い相談相手を用意しても、呼ばれなければ意味がない。プロンプトで「進める前にアドバイザーに相談して」と明示的に頼めるので、重要な局面では言葉で促すほうが確実です。

3つめ。アドバイザーは見るだけで、手を動かしません。 会話の全履歴は読めますが、ツールを実行したりファイルを編集したりはできない。レビュアーであって、実装者ではない。だから「設計の筋を正す」「見落としを指摘する」には効きますが、「難しい実装を最後までやり切る」用途では代わりになりません。

あと地味な注意点として、アドバイザー側にも独立したレート制限があります。混雑時には弾かれる呼び出しが実際に出ていました。無制限ではありません。

結局、どう組むのが良いか

実測を踏まえた私の運用は、こうなりました。

枠が尽きたら、メインを一段下げてアドバイザーは最上位のまま据え置く。 これは正しい判断です。製品が想定している使い方であり、細工でもなんでもありません。枠切れ後の数日間、判断の要所だけ最上位の目が入るので、丸ごと降格させるのに比べて劣化がはっきり小さい。

ただし「枠外だからタダ」という前提で回数を増やすのはやめる。 規定上はカウントされることになっている以上、これは表示の不具合が直らないほうに賭ける行為です。直った日に、遡ってまとめて跳ね返ってきます。しかもアドバイザーは1回あたりが最も高い経路なので、増やした分の反動も大きい。

思考の深さの設定を確認する。 メインを下げるとき、モデルだけでなく思考の深さも一緒に下がっていないか見ておくといいです。私の環境では、メインの Opus 5 は中程度に設定されていました(なお、モデルごとの思考の深さの設定がアドバイザー呼び出し側にも及ぶかは、公式ドキュメントに記載が見当たりません)。設定ファイルを開いて実際の値を確認してからでないと、「下げたつもりが二重に下がっていた」ということが起こります。

節目では言葉で相談を促す。 モデル任せにせず、「方針を決める前に相談して」と書くだけで、強い相談相手が実際に使われる確率が上がります。

枠切れは、しばらく付き合うことになる制約だと思います。上位プランへ飛びつく前に、この組み替えを一度試してみる価値はあります。

出典

検証日・環境

測り方の詳細は本文前半の「なにをどう測ったか」にまとめています。要点だけ再掲すると、検証日は 2026-09-16、Claude Code v2.1.273、サブスクリプションプラン、単一環境の観測(n=1)です。プラン種別や時期によって挙動が異なる可能性があります。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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