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事例紹介Session 1962026年3月21日by K.hirano

ランクSとランクA——GPT-5.4 mini・nanoに24問解かせた

GPT-5.4 mini($0.75/1M)とnano($0.20/1M)をMETA-MARK独自の24問で採点。mini 92.9%ランクS・nano 79.2%ランクA。料金・横断比較・使い分けまで。

#GPT-5.4#OpenAI#ベンチマーク#LLM比較#mini#nano#API

2026年3月17日、OpenAIがGPT-5.4 mini($0.75/1M)とnano($0.20/1M)をリリース。META-MARK独自の24問ベンチマークで採点した結果、miniが223/240点(92.9%)ランクS、nanoが190/240点(79.2%)ランクA。前作GPT-5.4フラッグシップとの差はわずか数点——それで価格は数分の一という話をしたい。

📋 この記事で使用したテスト問題(全24問)は LLM 24問テストスイート で確認できます。

目次

今回登場した2つのモデル {#models}

GPT-5.4がリリースされてから13日後の3月17日、OpenAIが軽量版2モデルを同時リリースした。

モデル入力価格出力価格提供先
GPT-5.4 mini$0.75/1M$4.50/1MAPI・Codex・ChatGPT Free/Go
GPT-5.4 nano$0.20/1M$1.25/1MAPIのみ

miniのほうはChatGPT無料プランで動くデフォルトモデルになった。「フラッグシップの縮小版」ではなく、「大規模エージェントの実行ノード」として設計されている、というのがOpenAIの説明だ。

nanoは「もっと単純なタスク向け」とされているが、OSWorld-Verifiedで39.0%という数字は——以前のモデルと比べると——相当な実力がある。

実際のところどうなのか。自分で試した。

META-MARK 24問ベンチマーク結果 {#benchmark}

このサイトでは、AIモデルを比較するための独自24問テストを運用している。常識・論理推論・コーディング・日本語能力の4カテゴリ、各60点満点(計240点)で採点する。

モデルスコア正答率ランク
GPT-5.4 mini223 / 24092.9%S
GPT-5.4 nano190 / 24079.2%A

miniはランクS(90%以上)、nanoはランクA(75〜89%)。

miniの92.9%はこのベンチマークシリーズで過去最高タイのスコアだ。前回最高だったGPT-5.4フラッグシップとの差は数点以内に収まった。「フラッグシップに接近している」というOpenAIの主張は、少なくともこのテストでは嘘ではない。

カテゴリ別の詳細 {#category}

GPT-5.4 mini(223点)

カテゴリスコア満点正答率
A. 常識・一般知識506083.3%
B. 論理・推論586096.7%
C. コーディング6060100%
D. 日本語能力556091.7%

コーディングが満点だった。論理推論も96.7%と高水準で、川渡り問題やパリティ戦略が絡む問題をすべて正解している。日常のタスクで「miniで十分では」という印象が強い。

唯一の取りこぼしがA(常識)で、お墓問題・月曜問題といった認知バイアスを問う問題に引っかかった。これはフラッグシップでも同じ傾向があり、モデルサイズというより問題の性質に近い。

GPT-5.4 nano(190点)

カテゴリスコア満点正答率
A. 常識・一般知識436071.7%
B. 論理・推論476078.3%
C. コーディング576095.0%
D. 日本語能力436071.7%

コーディングが57点と健闘している。miniとの差が最も小さいのがコーディングカテゴリで、「簡単なコード補助なら十分」という評価が数字で裏付けられた形だ。

論理推論が78.3%と落ちているのは、多段階推論が要る問題で途中で答えが揺れるためだ。「シンプルな手順で解ける」タスクに向いている、とOpenAIが言う意味がこの数字でわかる。

料金の計算——nanoで76,000枚の写真が$52 {#pricing}

nanoの$0.20/1Mという価格が実際どの程度か、Simon Willison氏が具体例で示した計算が面白い。

博物館の写真1枚を説明させると、2,751入力トークン+112出力トークンで0.069セント。これを76,000枚に掛けると約$52。

たとえばカタログ写真の自動タグ付けや商品説明の下書き生成をnanoに流すコストが、おそらく自社のエンジニアが手作業する1時間分のコストを下回る——そういう水準になってきた。

miniとnanoのコスト比較

仮に月間100万トークンの入力を処理するとしたら:

モデル月間入力コスト
GPT-5.4 mini$0.75
GPT-5.4 nano$0.20
GPT-5.4(フラッグシップ)参考:数倍〜

miniでも月$0.75。個人開発のサービスや社内ツールで使うなら、料金を気にするような金額ではなくなっている。

横断比較:8モデルの中での立ち位置 {#comparison}

META-MARKの24問ベンチマークでこれまで採点したモデルとの比較。

モデルスコアランク
GPT-5.4 mini223 / 240(92.9%)S
Claude Haiku 4.5209 / 240(87.1%)A
Qwen3.5:4b(ローカル)194 / 240(80.8%)A
GPT-5.4 nano190 / 240(79.2%)A
Qwen3:4b(ローカル)183 / 240(76.3%)A
phi4:14b(ローカル)175 / 240(72.9%)B

nanoがQwen3.5:4b(RTX 4070 Tiで動くローカルモデル)とほぼ同等のスコアを出した。電気代を込みにすると「どちらが安いか」は使い方次第になってくる。

miniの92.9%はローカルの最高値を10ポイント以上上回っている。これが「規模の現実」だ——以前の記事で書いたことが、このシリーズでも繰り返されている。

どちらを選ぶべきか {#guide}

miniを選ぶ場面

  • コーディング補助・コードレビュー(満点実績あり)
  • 複数ステップの推論が必要なエージェントタスク
  • ChatGPT Free/Goでそのまま使いたい
  • 1回の推論で完結するAPI呼び出し

nanoを選ぶ場面

  • 分類・タグ付け・抽出などシンプルな定型タスク
  • バッチ処理(Batch API利用で50%追加割引)
  • 大量データを低コストで流したい
  • サブエージェントの末端ノード(miniのオーケストレーション下で動かす)

フラッグシップを残す場面

  • 複雑な要件定義・設計判断
  • 長い文脈を持つ対話(400K超えるケース)
  • 重要な意思決定を含むアウトプット

実際のところ、「考える」役割をフラッグシップに任せ、「実行する」役割をminiやnanoに委ねる分業が、コスト最適化の基本パターンになりそうだ。

まとめ {#summary}

GPT-5.4 mini・nanoの登場で、「フラッグシップ性能に近いモデルをどれだけ安く動かせるか」という競争が次の段階に入った。

  • mini: コーディング満点・推論96.7%・日本語91.7%——これでランクS、価格$0.75/1M
  • nano: コーディング95%・分類・抽出に最適——ランクA、価格$0.20/1M(Gemini Flash-Liteより安価)

「試してみた」が口癖の自分が正直に言うと、miniに関しては「フラッグシップが要るシーン」を探す方が難しくなってきた。少なくともコーディングと推論では、もうこれで十分だと思う。

nanoは「大量に流す」ことに特化している。精度よりスループットとコストを優先する場面で、合理的な選択肢になった。

よくある質問 {#faq}

Q. GPT-5.4 nano はChatGPTから使えますか?
A. 現時点ではAPIのみの提供です。ChatGPT(Free/Go/Plus等)では利用できません。miniはFree/Goプランで使えます。

Q. GPT-5.1 mini との違いは何ですか?
A. GPT-5.1 mini(2025年11月リリース、$0.25/1M入力)はGPT-5.1系の軽量版で、今回のGPT-5.4 mini($0.75/1M入力)はGPT-5.4系の軽量版です。5.4 miniの方が高性能・高価格で、OSWorldなどの最新ベンチマークで大幅に改善されています。

Q. ローカルLLMとnanoはどちらがコスパが良いですか?
A. スコアはほぼ同等ですが、用途によって異なります。月に数百万トークン以上を処理するならnano($0.20/1M)、それ以下ならRTX 4070 Ti等の電気代・初期投資を含めたローカル運用も選択肢になります。詳しくはローカルvs クラウドの比較記事を参照してください。過去のローカルLLMベンチマーク(phi4:14b・Qwen3.5:4b・Claude Haiku 4.5)もあわせてご覧ください。

ベンチマーク方法について: 本記事のスコアはMETA-MARK独自の24問テスト(2026年3月実施)に基づきます。各モデルはLiteLLM経由でOpenAI APIを使用して採点。価格・仕様はOpenAI公式発表(2026年3月17日)時点の情報です。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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