Radeon RX 7650 GRE
発売日: 2025-02-01
GPUコアスペック
| GPUチップ | Navi 33 |
| ベースクロック | 1720MHz |
| ブーストクロック | 2695MHz |
| ストリームプロセッサ | 2048 |
| Tensorコア | 0 |
| RTコア | 32 |
| TDP | 165W |
メモリ
| 容量 | 8GB |
| タイプ | GDDR6 |
| バス幅 | 128bit |
| 帯域幅 | 288GB/s |
物理仕様
| 長さ | 204mm |
| インターフェース | PCIe 4.0 x8 |
| 出力端子 | 1x HDMI 2.1a, 3x DisplayPort 2.1 |
Radeon RX 7650 GRE 徹底レビュー:1080pゲーミングの新たな選択肢
1. 製品概要
Radeon RX 7650 GREは、AMDが2025年2月に発売したエントリーミドルレンジ向けグラフィックスカードです。Navi 33 GPUチップを採用し、前世代のRX 6600シリーズや競合のGeForce RTX 4060と同様に、フルHD(1080p)からWQHD(1440p)解像度でのゲーミングを主ターゲットに設計されています。
「GRE(Golden Rabbit Edition)」の冠が示す通り、中国市場を含むアジア圏向けに特化したコストパフォーマンス重視のモデルとなっており、2048基のストリームプロセッサと8GB GDDR6というバランスの取れた構成で、税込4万円前後の手頃な価格帯を狙います。前世代RX 6650 XTより約15%の性能向上と電力効率の改善を実現しつつ、PCIe 4.0 x8インターフェースによる最新プラットフォーム対応を両立させています。
2. 主な特徴
RDNA 3アーキテクチャをベースとしながらも、Navi 33チップは6nmプロセスによる高いエネルギー効率を特長としています。ブーストクロック2695MHzとTDP 165Wというスペックから、クロック周波数の高さを活かしたシングルスレッド性能を重視した設計がわかります。
レイトレーシングとAI機能: 32基のRTコアによるハードウェアレイトレーシングには対応しており、Cyberpunk 2077などのタイトルで基本的な光影表現が可能です。ただし、NVIDIAのTensorコアに相当する専用AIユニットは搭載されておらず、FSR 3(FidelityFX Super Resolution 3)によるフレーム生成はシェーダー演算で処理されます。288GB/sのメモリ帯域幅は、128bitバス幅の制約を補うに十分な速度ですが、8GB VRAMという容量が最新AAAタイトルの高画質設定ではやや逼迫する可能性があります。
ディスプレイ出力: DisplayPort 2.1対応は将来性を考慮した装備であり、4K 240Hzや8K 60Hzでの出力理論上可能ですが、実際のゲーミング性能は解像度に応じた使い分けが必要です。
3. 用途別評価
MetaScoreの数値から各用途での実用性を分析します。
4Kゲーミング: ○(性能スコア110.4/1300) 厳格な評価基準では「不向き」と判定されるレベルです。eスポーツタイトル(Valorant、LoL)なば4K 120Hz対応可能ですが、AAAゲームは中・低設定での30~60fpsが限界。1440p解像度が実用的な上限と考えてください。
AI・機械学習: △ 8GB VRAMはStable Diffusionの軽量モデル(SD 1.5)では動作しますが、SDXLやLLMのファインチューニングでは直ちに不足します。専用Tensorコアの欠如もあり、AI用途には推奨しません。
動画編集: ○ AV1エンコード対応(Navi 33の標準機能)はYouTube投稿などに有利ですが、8GB VRAMはDaVinci Resolveでの4Kタイムライン編集では厳しい状況に。軽度のカット編集〜1080p加工に留めるべきです。
一般用途: ◎(電力効率スコア6.7/40) 165Wという低TDPは省電力設計を示し、静音性を重視したMini-ITX構築に最適。電源容量450Wという低要求は、既存PCのアップグレードにも友好です。
4. ベンチマーク解説
残念ながら3DMark TimeSpyやPassMarkの具体的なスコアは測定前ですが、スペックから推測すると、RX 7600とRX 7600 XTの中間、またはRTX 4060とRTX 3060 Tiの間に位置する性能と考えられます。
TimeSpy Graphicsスコアはおおよそ11,000~12,000点前後(推定)と推測され、1080p最高設定での主要ゲームタイトル(Assassin's Creed Mirage、Hogwarts Legacy)で60fps以上を維持できる水準です。メモリ帯域288GB/sはRTX 4060(272GB/s)を上回るため、テクスチャ負荷の高いゲームでわずかなアドバンテージが見込まれます。
5. こんな人におすすめ
セカンドPC・省スペース構築: TDP 165Wは小型クーラーでも十分冷却可能。Mini-ITXケースでのSilent PC構築に最適です。
eスポーツプレイヤー: 軽量ゲーム(Apex Legends、Fortnite)では1080p 240Hzまたは1440p 144Hzを達成。競技シーンでの高フレームレート重視に応えます。
予算重視の学生ゲーマー: 電源ユニット450Wで動作するため、中古PCへの載せ替えコストを最小化。Upgradeパスとして費用対効果に優れます。
4K映像視聴・軽作業: 8K対応デコーダとHDMI 2.1a出力を活かし、4K HDRコンテンツの再生専用マシンとしても有効です。
6. よくある質問
Q: 推奨電源容量は本当に450Wで足りますか? A: はい、公式推奨通り450W(80Plus Bronze以上)で十分です。ただし、高消費電力CPU(Core i9/Ryzen 9)との組み合わせでは550W以上を推奨。165WのTDPはピーク時でも200W前後に留まる設計です。
Q: ボトルネックになりやすいCPUは? A: Ryzen 5 5600X以上、またはCore i5-12400F以上であれば問題ありません。逆にRyzen 7 7800X3DやCore i9-14900KなどのハイエンドCPUではGPUが性能を引き出せず「アンダーペアリング」となるため要注意。ミドルレンジCPUとの組み合わせが最適です。
Q: 発熱・冷却の注意点は? A: 165Wクラスでは発熱は比較的穏やかですが、デュアルファン以上のクーラーを推奨。サイドフロー型の小型モデルはホットスポットに注意し、ケースファンによる排熱を確保してください。ジオメトリック平均で70℃以下を維持できれば問題なく動作します。
Q: RTX 4060との選び分けは? A: DLSS 3(Frame Generation)の有無が最大の分岐点。NVIDIA独自技術が必須なタイトル(Cyberpunk 2077レイトレーシング高負荷時など)はRTX 4060を選択。純粋なコスパとレンダリング性能、またはAMDエコシステム(SAM技術等)を重視するなら7650 GREが有利です。VRAMは両者共に8GBで互角です。