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チュートリアル2026年9月5日by K.hirano

結論、検証ありならClaude Fable 5.1、直接参照ならGPT-6 Astra

AA-Omniscience同点43の内訳を分解。正答率と非ハルシネーション率の違いから、工程別のモデル選びを整理します。

#GPT-6 Astra#Claude Fable 5.1#AA-Omniscience#ハルシネーション#モデル比較

リーダーボードで Claude Fable 5.1 と GPT-6 Astra を見ると、AA-Omniscience Index はどちらも43です。数字だけなら「好きな方でよい」と判断しそうですが、実際には間違い方の性質がかなり違います。

人間が必ず内容を確認する工程なら、正答率67%の Claude Fable 5.1 が向いています。出力が社内FAQや一次回答としてそのまま参照される工程では、非ハルシネーション率49%の GPT-6 Astra のほうがリスクを抑えやすい。ただし、49%でも不正解時の半分以上ではハルシネーションが起こり得るため、どちらを選んでも検証工程は外せません。

同点43は「同じ性能」ではなく、異なる失敗の相殺です

Artificial Analysis(AA)の AA-Omniscience Index は、知識の信頼性とハルシネーションを測る指標です。正解には加点し、ハルシネーションには減点します。一方で、答えを拒むこと自体には減点しません。スコアは-100から100までで、0は正解と不正解が同数、負の値は不正解が正解より多い状態を示します。

この設計では、たくさん正解できることと、分からないときに作り話を避けることが、同じ一つの数字に入ります。AAの表示では、Claude Fable 5.1(max with fallback)、GPT-6 Astra(max)、Claude Fable 5(with fallback)の3モデルが43で並び、4位の Claude Opus 5(max)は37です。

AA-Omniscience Index。上位3モデルが43で並ぶ知識の信頼性を -100〜100 で表した指標。左から3本が同じ高さで並び、それが Claude Fable 5.1・GPT-6 Astra・Claude Fable 5 の43。右へ行くとゼロを割り、最右は -49(出典 https://artificialanalysis.ai/ 、2026-09-05 取得)

モデルAA-Omniscience Index正答率非ハルシネーション率
Claude Fable 5.1(max with fallback)4367%27%
Claude Fable 5(with fallback)4365%36%
GPT-6 Astra(max)4363%49%
Claude Opus 5(max)3761%39%

Fable 5.1はAstraより正答率が4ポイント高く、AAのKnowledgeとしては上です。しかし、非ハルシネーション率はAstraが22ポイント高い。正解できる問題を多く持つFable 5.1と、分からない問題で作り上げずに済む割合が相対的に高いAstraの差が、合成スコアの中で打ち消し合っています。

ここで注意したいのは、AstraがAAのmax、Fable 5.1がmax with fallbackという別設定で掲載されている点です。推論の強度を下げた場合に、この2軸がどう変化するかは確認できません。

正答率67%と非ハルシネーション率27%は矛盾しません

非ハルシネーション率の分母は、正解しなかった回答です。AAの定義では「1 − ハルシネーション率」とされており、全回答のうち何割が正確だったかを示す数字ではありません。

Fable 5.1の正答率67%は、評価された回答全体のうち正しく答えられた割合です。残りの回答では、正解できなかった場合に、拒否や保留を含めてでっち上げずに済んだ割合が27%でした。Astraは正答率63%で、知識量の指標ではFable 5.1に届きません。一方、正解できなかった回答のうち、非ハルシネーションだった割合は49%です。

AA-Omniscience Accuracy と Non-Hallucination Rate の2枚同じ評価を2成分に割った左右2枚。左の正答率では茶色の Claude Fable 5.1 が67%で先頭、GPT-6 Astra は3本目の63%。右の非ハルシネーション率では順序が入れ替わり、GPT-6 Astra が49%、Claude Fable 5.1 は27%まで下がる(出典 https://artificialanalysis.ai/ 、2026-09-05 取得)

OpenRouterのテキスト表示でも、Astraは正答率62.6%、非ハルシネーション率48.7%と表示されます。AAの棒グラフにある63%と49%は、丸めの違いです。

迷うとしたら、「分かる問題を増やしたい」のか、「分からない問題で余計な答えを出してほしくない」のか。ここを切り分ける場面だと思います。正答率と非ハルシネーション率は、同じ正確さを別の角度から見ている数字ではありません。前者は知識、後者は不正解時の出力挙動です。

MiniMax-M3とGPT-5.6 Solを見ると、2軸が別能力だと分かります

この2軸の独立性は、同点の2モデルだけでは見えにくいものです。MiniMax-M3は正答率27%ですが、非ハルシネーション率は82%で全体1位です。分かる問題は少ない一方、分からない問題で取り繕わずに済む割合は高い位置にあります。

反対に、GPT-5.6 Solは正答率59%と高いものの、非ハルシネーション率は8%です。GPT-5.6 Lunaも正答率43%に対して非ハルシネーション率7%でした。知識問題に答えられることと、答えられない問題で安全側に倒れることは、同じ能力として扱えません。

なお、非ハルシネーション率の表示は、数値が近いモデルの並びを読み違えやすい部分です。Claude Fable 5.1は27%で、32%は隣に表示されるInklingの値です。ここを取り違えると、Fable 5.1の性質を逆に読んでしまいます。

検証ありならFable 5.1の知識量が手数を減らします

コードレビューを前提にした実装、調査メモの下書き、専門文書を読ませて人間が根拠を確認する作業では、正答率67%が効きます。最終判断を人間が行うなら、最初から正しい候補が返る回数が多いほど、確認と修正の手数を減らせるためです。

この用途では、Fable 5.1が間違えないという意味ではありません。非ハルシネーション率は27%なので、不正解時に安全側へ倒れる割合はAstraより低い。コードの差分や資料の引用元を確認せずに採用すれば、もっともらしい誤りを通す余地があります。

個人開発や小規模チームで、レビュー担当が必ず画面を見る運用なら、Fable 5.1の「分かる範囲の広さ」を優先する判断は成り立ちます。確認者が疲れているときほど、検証を省略しない手順までセットにしてください。

直接参照される回答ではAstraの49%が効きます

社内FAQ、事実確認の一次回答、要約をそのまま共有する工程では、知識量の差よりも、分からないときの振る舞いが重要になります。誤った説明が確定情報として流通すると、後から訂正するコストが発生するためです。

この場合、Astraの非ハルシネーション率49%は、Fable 5.1の27%より適した材料です。Astraの正答率は63%で、Fable 5.1より4ポイント低いものの、不正解だった回答のうち、でっち上げずに済む割合は高い。直接参照の工程では、この差が選定理由になります。

ただし、49%を「ほぼ安全」と読んではいけません。非ハルシネーション率が49%ということは、正解できなかった回答の半分以上では、なおハルシネーションが起こり得るという意味です。Astraを採用しても、重要情報には出典確認や人間の承認を残す必要があります。

知識以外の評価では、GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1の順位が入れ替わります

AA-Omniscienceだけでモデル全体の優劣を決めることもできません。知識以外の評価では、Astraが上に来る項目と、Fable 5.1が上に来る項目が分かれています。

専門文書推論のGDP.pdf(All-pass)では、Astraが33%で1位、Fable 5.1は26%です。物理推論のCritPtでもAstraは32%、Fable 5.1は30%。GPQA DiamondではAstraが96%、Fable 5.1が94%でした。文書や科学系の一発勝負では、Astraの数字が上回ります。

一方、エージェント作業やコード寄りの評価ではFable 5.1が優位です。AA-Briefcase EloはFable 5.1が1666で1位、Astraは1566。Terminal-Bench v2.1は91%対88%、SciCodeは63%対56%、Humanity's Last Examは59%対55%です。長文脈推論のAA-LCR v1.1でも、Fable 5.1が85%、Astraが81%でした。

GDP.pdf と CritPt。GPT-6 Astra が文書推論で先頭専門文書推論と物理推論の2枚。左端の黒い棒が GPT-6 Astra で、GDP.pdf では33%と先頭に立つ。右の物理推論では GPT-5.6 Sol と並ぶ32%(出典 https://artificialanalysis.ai/ 、2026-09-05 取得)

評価GPT-6 AstraClaude Fable 5.1
GDP.pdf(専門文書推論 All-pass)33%26%
GPQA Diamond96%94%
AA-Briefcase Elo15661666
Terminal-Bench v2.188%91%
SciCode56%63%
AA-LCR v1.181%85%

この順位差は、Omniscienceの同点が「総合的に同じ」という意味ではないことを補強します。評価対象が知識の信頼性なのか、長い作業を完了する能力なのかで、見るべきモデルが変わります。

GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1を工程に当てはめる確認点

モデル名を決める前に、出力がどこで止まり、誰が確認し、誤りがどこへ流れるのかを確認してください。リーダーボードの43だけでは、この運用上の違いまでは見えません。

  • 出力を人間が必ず確認するか。確認なしで公開・参照されるか。
  • 間違いのコストは、修正の手数か、誤情報の拡散か。
  • 評価対象は知識、専門文書、コード、エージェント作業のどれに近いか。
  • Astraはmax、Fable 5.1はmax with fallbackという設定差を許容できるか。

検証ありの実装や下書きなら、Fable 5.1の正答率67%を軸に選びます。回答が直接参照される工程なら、Astraの非ハルシネーション率49%を重く見ます。それでも、重要な事実やコードの採用前に確認を挟む設計は残してください。

同じ2モデルの費用差も工程判断に影響するため、料金とタスク単価まで見たい場合は21k対64kのGPT-6 Astra:費用差2.19倍を生む出力量Blog21k対64kのGPT-6 Astra:費用差2.19倍を生む出力量GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1は同じ$10/$50でも1タスク費用が2.19倍。出力トークンと待ち時間から使い分けを整理します。も合わせて確認できます。両モデルはOpenRouter上で入力が100万トークンあたり10ドル、出力が50ドル、コンテキストはどちらも1Mと表示されています。

私見:同点43を選択理由にしてはいけない

私がこの表を運用に持ち込むなら、AA-Omniscience Indexの43は候補を残すために使い、最終決定には正答率と非ハルシネーション率を使います。レビューを前提にできるならFable 5.1、回答がそのまま読まれるならAstraです。

ただし、これはAAの評価セット上での判断です。AA-Omniscienceは514モデル中22モデル分が表示されており、Intelligence Indexとは母集団も異なります。また、Astraが掲載されていない評価は未計測であって、弱さの証拠ではありません。

数字の読み方で一番避けたいのは、43という合成スコアを「どちらも同じ」と短絡することです。Fable 5.1は知識量、Astraは不正解時の抑制という、別のリスクを持っています。選ぶべきなのはランキングの勝者ではなく、間違いが発生したときに誰がどの工程で止めるのかに合うモデルです。

出典と確認範囲

本稿の数値は、2026年9月5日時点でArtificial AnalysisとOpenRouterの公式ページに表示されていた第三者計測です。筆者が回した計測ではありません。ここに書いたのは確認できた事実で、工程ごとの向き不向きは未実測の推測として区別しています。ページが更新されれば数字は動きます。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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