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チュートリアル2026年5月24日by K.hirano

gfx1103(Radeon 780M)でOllamaが動くモデル一覧2026——5B上限の理由と量子化別VRAM早見表

gfx1103/Radeon 780Mで動くOllamaモデルを実測ベースで整理。5B上限の理由、Q4_K_M/Q8_0のVRAM目安、動く/重い/NGを自分で判定できます。

#Ollama#gfx1103#radeon780m#rocm#LLM

関連記事としては iGPU で LLM 推論:Radeon 780M + Ollama ROCm の速度実測と落とし穴3つBlogiGPU で LLM 推論:Radeon 780M + Ollama ROCm の速度実測と落とし穴3つRadeon 780MでOllama ROCmを動かす手順を、renderグループ・gfx1103偽装・OOMの3つの落とし穴ごとに整理。Ubuntu 24.04向けの実用ガイドです。 もあわせて読むと、今回の論点とのつながりを把握しやすくなります。

780M(gfx1103)の実用ラインは5B以下・Q4_K_Mです。VRAMに載ることと快適に回ることは別物です。

目次

まず結論:780MのOllamaは5B以下が実用の中心です

gfx1103(Radeon 780M)でOllamaを使うとき、まず悩むのは「これ、動くのか」ではなく「動いても実用速度なのか」です。

780Mは共有VRAM最大15.8GBという見た目の余裕がある一方、5Bを超えると速度優位が急に薄くなります。 VRAMに収まることと、快適に回ることは別物です。ここを混同すると、重いモデルを掴んで終わります。

先に結論だけ置くと、実用の鉄板は5B以下、特にQ4_K_Mです。 5B超は「入るかどうか」より「iGPUで回す意味があるか」を疑ったほうがいいです。

gfx1103は2025年にOllama公式サポート入りしました

Ollama公式ドキュメント(docs.ollama.com)では、gfx1103がLLVM Target一覧に正式掲載されています。2025年以降の更新で、Radeon 780M系を前提にした扱いが見えるようになりました。

動作の要点はシンプルです。 HSA_OVERRIDE_GFX_VERSION を設定すると安定しやすい、というのが実務上の落としどころです。コミュニティ報告では 11.0.0〜11.0.3 で揺れがあります。

bash
# Ubuntu / Arch Linux での確実な起動方法(バージョンはコミュニティ報告で 11.0.0〜11.0.3 の揺れあり)
HSA_OVERRIDE_GFX_VERSION="11.0.2" OLLAMA_LLM_LIBRARY="rocm_v60000" ollama serve

加えて、AMD向けの ollama-for-amd フォーク(likelovewant/ollama-for-amd) はgfx1103をネイティブサポートします。Arch Linuxであれば ollama-rocm (0.13.0-2以降) も hipblas 7.1.0 でgfx1103に対応しています。まずは公式系で動かせるか、という順番で考えるのが安全です。

モデル対応表:動く/重い/NG を量子化別に整理

780Mで動かせるモデルをサイズ・量子化・VRAM目安・動作区分・速度目安で整理しました。速度目安は推定(※印)または既存記事からの実測値です。

モデル名サイズ量子化VRAM目安780M動作速度目安
qwen3:0.6b0.6BQ4_K_M~0.8GB✅ 快適未確認
smollm2:1.7b1.7BQ4_K_M~1.5GB✅ 快適未確認
deepseek-r1:1.5b1.5BQ4_K_M~1.3GB✅ 快適未確認
qwen3:1.7b1.7BQ4_K_M~1.5GB✅ 快適実測 27.3 tok/s
llama3.2:1b1BQ4_K_M~1GB✅ 快適未確認
gemma3:1b1BQ4_K_M~1GB✅ 快適未確認
qwen2.5:3b3BQ4_K_M~2.5GB✅ 動く未確認
llama3.2:3b3BQ4_K_M~3.6GB✅ 動く未確認
phi4-mini:3.8b3.8BQ4_K_M~2.3GB✅ 動く未確認
gemma3:4b4BQ4_K_M~2.5GB✅ 動く未確認
qwen3:4b4BQ4_K_M~3GB✅ 動く未確認
gemma4:e2b5.1BQ4_K_M~3.1GB⚠️ 重い実測 19.5 tok/s
qwen2.5:7b7BQ4_K_M~4.5GB⚠️ 重い未確認
mistral:7b7BQ4_K_M~4.5GB⚠️ 重い未確認
deepseek-r1:7b7BQ4_K_M~4.5GB⚠️ 重い未確認
qwen3:8b8BQ4_K_M~5GB⚠️ 重い未確認
llama3.1:8b8BQ4_K_M~6.2GB⚠️ 重い未確認
gemma4:e4b8BQ4_K_M~5GB⚠️ 重い実測 9.9 tok/s(≈ CPU速度)
gemma3:12b12BQ4_K_M~6.7GB⚠️ 重い未確認
qwen3:14b14BQ4_K_M~10.7GB❌ NG寄り未確認(VRAMは入るが速度が実用以下の可能性)
gemma3:27b27BQ4_K_M~15.1GB❌ NG未確認(VRAM上限ギリギリ)
7B以上7B+Q8_08GB+❌ NG未確認(VRAM不足の可能性)
13B以上13B+FP1626GB+❌ NG未確認(VRAMオーバー)

区分の基準:

  • ✅ 快適:5B以下・iGPU優位が明確(25 tok/s以上)
  • ⚠️ 重い:VRAMには載るがiGPU優位が薄い(5-15 tok/s)
  • ❌ NG:VRAM不足 or 速度がCPUと同等以下

実測値の注記: 既存記事(iGPU で LLM 推論:Radeon 780M + Ollama ROCm の速度実測と落とし穴3つBlogiGPU で LLM 推論:Radeon 780M + Ollama ROCm の速度実測と落とし穴3つRadeon 780MでOllama ROCmを動かす手順を、renderグループ・gfx1103偽装・OOMの3つの落とし穴ごとに整理。Ubuntu 24.04向けの実用ガイドです。)からの引用です。環境・コンテキスト長・バックグラウンドプロセスで変動します。

実測ベースの実用感

780MでのOllama実測データを軸に見ると、線引きがかなりはっきりします。

  • qwen3:1.7b → 27.3 tok/s(iGPU)
  • gemma4:e2b(約5.1B)→ 19.5 tok/s
  • gemma4:e4b(8B)→ 9.9 tok/s(ほぼCPU速度)

この差は、単純に「大きいモデルほど遅い」だけではありません。 5Bを超えたあたりで、iGPUを使う意味が薄くなるのが本質です。

1.7Bの27.3 tok/sは、プロンプトの返答待ちが短く、会話のリズムが崩れにくいです。 一方で8Bの9.9 tok/sになると、出力を見守る時間が伸びて、体感はかなり別物になります。

「載る」より「気持ちよく返る」ほうが大事です。ここが780Mでのモデル選びのコアです。

5B超でiGPU優位が消える理由

ここは感覚論ではなく、計算で見たほうが早いです。

理由は大きく2つあります。

  1. 重みそのものが増える
  2. KVキャッシュが効いてくる

さらに780Mでは、VRAM容量だけでなくメモリ帯域と演算の釣り合いが効きます。モデルが大きくなるほど、iGPUの強みである並列性が速度に直結しにくくなります。

つまり、VRAMには収まっても、演算帯域でCPUと同等の速度帯に落ちる可能性があります。gemma4:e4bで実際に9.9 tok/s(≈ CPU速度)が観測されたのがその一例です。他の8Bモデルでも同様の傾向が出る可能性は高いですが、実測していないため「未確認」としています。

量子化別VRAMのざっくり計算式

公式ドキュメントには「現場で使うための計算式」はあまり出ません。自分で持っておくと強いです。

基本式

terminal
重み容量の目安 = パラメータ数(B) × 量子化bits / 8
実際のVRAM ≈ 重み容量 + KVキャッシュ(1〜2GB)

量子化の特徴

量子化bits相当特徴780Mでの推奨度
Q4_K_M4bit品質/VRAMバランス最良★★★ 推奨
Q5_K_M5bit高品質・VRAM少し増加★★☆ VRAMに余裕があれば
Q8_08bit高品質・VRAM約2倍★☆☆ 5B超は危険
FP1616bitフル精度★☆☆ ほぼすべてNG

計算例

5Bモデルを Q4_K_M で動かす場合:

  • 重み: 5 × 4 / 8 = 2.5GB
  • KVキャッシュ: +1〜2GB
  • 実運用の余裕: +数GB(OS・表示系・Ollama管理分)

8Bモデルを Q8_0 で動かす場合:

  • 重み: 8 × 8 / 8 = 8GB
  • KVキャッシュ: +1〜2GB
  • 合計10GB+は780Mで厳しい

5B超をQ8_0で置くと重みが倍寄りになるため、VRAMが足りなくなることが多いです。

VRAM確認コマンド(Linux)

bash
# ROCm環境でのVRAM使用量確認
rocm-smi

# Ollamaのモデル情報確認
ollama show qwen3:4b

# 実行中の使用量確認
watch -n 1 rocm-smi

新しいモデルを自分で判定する手順

新モデルが出たとき、毎回「動くかな?」で迷う必要はありません。判断の順番を固定すると楽です。

  1. パラメータ数を見る: 5B以下か?

    • 5B以下 → 試す価値あり
    • 5B超 → 速度面でかなり怪しい
  2. 量子化を見る: Q4_K_Mかどうか?

    • Q4_K_M → 第一候補
    • Q8_0 → 品質は上がるがVRAMに注意(5B超は危険)
    • FP16 → 780Mでは基本的に外す
  3. VRAM式で見積もる: パラメータB × 4 / 8 + 2GB(Q4_K_Mの場合)

  4. 速度を疑う: VRAMに収まっても速度が実用かは別

    • 5B超でiGPU優位がほぼなくなる前提を先に置く
  5. 実測で確認: ollama run <モデル名>で短いプロンプトを投げてtok/sを確認

bash
# 実測の目安として短いプロンプトを投げる
time ollama run qwen3:4b "1+1は?" 2>&1
# または以下でトークン速度を確認(eval rate の行を見る)

迷ったときの選び方

780MでOllamaを回していて次のモデル選びに迷っているなら、判断はかなり単純です。

  • 迷ったら Q4_K_M
  • 迷ったら 4B前後まで
  • 迷ったら 5B超は一度保留

780Mの強みは、巨大モデルを無理に抱えることではなく、軽量モデルを快適に回すことです。「賢そうな8B」より「速く返る4B」のほうが実務で勝つ場面が多いです。

780M × ROCm の環境構築・ハブ情報はこちらを参照してください。

よくある質問

gfx1103は2026年現在もOllama公式サポート対象ですか?

はい。Ollama公式ドキュメントのLLVM Target一覧にgfx1103が記載されており、2025年以降のバージョンで公式サポート対象です。HSA_OVERRIDE_GFX_VERSION(コミュニティ報告は11.0.0〜11.0.3)の設定を使うと動作がより安定します。

Q4_K_MとQ8_0のどちらを選べばいいですか?

780MではQ4_K_Mを推奨します。Q8_0は品質が上がる代わりにVRAM消費が約2倍になるため、5B超のモデルでは安定動作が難しくなります。たとえば7B Q8_0は約8GBの重みだけで、KVキャッシュを加えると10GB+になります。

Windowsの780MでOllamaを動かせますか?

標準のOllamaはWindowsでgfx1103未対応の場合があります(CPU fallback)。ollama-for-amd フォーク を使うとWindowsでもgfx1103をネイティブサポートします。

共有VRAMを増やす方法はありますか?

BIOS/UEFI設定で「UMA Frame Buffer Size」または「Shared Memory」を変更すると共有VRAM量を調整できます(通常 2GB/4GB/8GB/16GB の選択肢)。780M(Phoenix APU)では最大15.8GBまで割り当て可能です(2026-05-01 時点)。

注意点

  • 速度目安の「未確認」は筆者の実測データがないことを意味します。実環境でのtok/s計測を推奨します
  • 「動く」「動かない」はモデルと量子化の組み合わせだけでは決まりません。OS・Ollamaバージョン・ROCmバージョンの影響も受けます
  • 実測値(27.3 tok/s, 19.5 tok/s, 9.9 tok/s)は既存記事(2025-12-01 公開)からの引用です。Ollamaのバージョンアップで変化することがあります

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関連リンク

  • 実際の構成を探すなら、GPU 比較ページやローカルLLM向け構成記事もあわせて見ると判断しやすいです。
  • ハードウェア候補は用途別の AI 構成ガイドからたどると、単体製品より違和感なく検討できます。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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