gemma4 12BはどのGPUで動く?実測3点+主要18枚の速度早見表【VRAM 8GBは崖の縁】
gemma4 12Bを手持ちGPUで動かす判断材料を、VRAM別・実測3点・主要18枚の速度早見表で整理。8GBの限界も明確にします。
こんにちは。蒸し暑さが少しずつ増してきたこの頃、手元の GPU で何がどこまで動くのか、確かめておくにはいい時期だと思います。
gemma4 12B を自分の PC で動かすなら、私の答えはこうです。12GB なら 52t/s 前後で快適、8GB は崖の縁、VRAM が足りないと1桁 t/s まで落ちます。 t/s は1秒あたりに文字(トークン)をいくつ出せるかの速さで、52t/s あればほとんど待たされません。判断のコツはひとつで、VRAMVRAMグラフィックボードに載っている、GPU 専用の高速なメモリ。詳しく →(GPU に載っている専用メモリ)は「動くか」を決め、帯域(そのメモリを読み書きする速さ)は「速いか」を決める、と分けて見ることです。
この記事では導入の手順ではなく、どの GPU ならどれくらい動くかを、実測3点と主要18枚の早見表で整理します。予測値と実測値は混ぜません。動かし方そのものは gemma4:12bはollamaで動かない — 12GB GPUでllama.cpp実測52t/sの最短ルート にまとめているので、あわせて読むとつながりが見えやすいはずです。
12GBは快適、8GBは危ない、24GBは速い
容量ごとの目安を先に並べておきます。
- 12GB: gemma4 12B の実用ラインです。実測では RTX 4070 Ti 12GB = 52.25t/s。体感はかなり素直で、待たされる感じは薄いです。
- 16GB: 余裕があります。実測では RTX A4000 16GB = 44.77t/s。容量は安心ですが、帯域次第で速度は伸び切りません。
- 24GB: かなり速いです。実測では RTX 3090 24GB = 75.44t/s。中古で狙う価値はあります。
- 8GB: ここははっきり言います。崖の縁です。 Q4_K_M でも容量は“ちょうど”で、コンテキストを削るか部分オフロード前提になります。あふれると一気に遅くなります。
数字はすべて gemma4 12B / Q4_K_M / 7.4GB が前提です(2026-06-05時点の実測・調査に基づきます)。量子化量子化(Quantization)AI モデルの数値を少ない桁数で表し直して、ファイルと必要なメモリを小さくする手法。詳しく →(モデルを軽く縮める方式)が Q5/Q8 などに変われば、必要な VRAM も速度も変わります。コンテキスト長コンテキスト長(Context Length)AI が1回のやりとりでまとめて扱える文章の長さの上限。トークン数で表す。詳しく →(一度に読ませる文章の長さ)が伸びれば VRAM 消費は増えますし、GPU の冷却・電力制限・ドライバ・実行エンジンでも上下します。なのでここに出てくる速度は「絶対値」ではなく、同じ条件で GPU を比べるための目安として使ってください。
話の順番はこうなっています。
実測アンカー3点
まず、予測の土台になる実測を置きます。ここを飛ばすと、この先の表がただの“それっぽい数字”になってしまいます。
| status | GPU | VRAM | 実測 t/s | 条件 | メモ |
|---|---|---|---|---|---|
| 実測 | RTX 4070 Ti | 12GB | 52.25 | ollamaOllama(ローカルLLMランタイム)手元の PC でオープンウェイトの LLM を手軽に動かすための、無料のソフト。詳しく → 0.30.4 / text-only Modelfile / 100%GPU | 12GB帯の基準点 |
| 実測 | RTX A4000 | 16GB | 44.77 | llama.cpp | 帯域は控えめでも安定 |
| 実測 | RTX 3090 | 24GB | 75.44 | llama.cpp / RunPod実走 / 2026-06-05 | 費用 $0.073 |
測った場所は、自宅の RTX 4070 Ti 12GB(ollama 0.30.4)、RunPod(時間単位で GPU を借りられるサービス)での RTX A4000 / RTX 3090(llama.cpp server-cuda)、のちに追加した Vast.ai での RTX 3060 / 4090 / 5090(ollama・ウォームアップ後)です。tokens/s はサーバーが報告する値(eval_count / eval_duration)で、ネットワークの遅れは含みません。VRAM 使用量と GPU/CPU への振り分けの比率も同時に記録し、結果は実測台帳(JSON)に残しています。RTX 3090 を RunPod で回した費用は $0.073 でした。
速度の見方はVRAMより帯域
gemma4 12B の Q4_K_M は、必要 VRAM が 7.4GB です。だから「載るか」はまず VRAM で見ます。ただ、速さは帯域で決まる場面が多いんですよね。
ざっくりした予測式はこれです。
tokens/s ≈ メモリ帯域(GB/s) ÷ 7.4(GB) × 効率
実測から逆算した効率は、RTX A4000 が 0.74、RTX 4070 Ti が 0.77、RTX 3090 が 0.60 でした。つまり 〜700GB/s帯は効率0.75前後でかなり当たる一方、700GB/sを超えると効率が落ちる傾向が見えています。〜700GB/s 帯の当たり具合は、4070 の予測51に対して 4070 Ti の実測が 52.25 だったことからも分かります。
たとえば 4060 Ti 16GB は容量に余裕があっても、帯域が 288GB/s しかないため、予測速度はそこまで伸びません。逆に 3080 10GB は容量がタイトでも帯域が強く、速度はかなり出ます。
「容量が多いほうが速いはず」と考えたくなりますが、実機ではそう単純ではありません。最初に引っかかるのは、たぶんここです。
主要18枚の速度早見表
以下は、実測6点+帯域ベース予測の早見表です。status列を必ず見てください。実測と予測を混ぜていません。
実測のうち RTX A4000 は llama.cpp、RTX 3090 は両ランタイム(llama.cpp 75.44 と ollama 63.16)、それ以外(3060・4070 Ti・4090・5090)は ollama で測っています。ランタイム(モデルを動かすソフト)が違うと同じ GPU でも十数%ずれるため(3090 の実測がその好例です)、実測同士の t/s を1対1で比べるときは計測条件もあわせて見てください。
| status | GPU | VRAM | 目安 t/s | 判定 | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| 実測 | RTX 3060 | 12GB | 31.84 | 実用可 | ollama実走2026-06-07(予測36→やや下) |
| 予測 | RTX 3070 | 8GB | 約45 | 崖の縁 | 容量が厳しい |
| 予測 | RTX 3080 | 10GB | 約62〜77 | 実用可 | 帯域が強い |
| 実測 | RTX 3090 | 24GB | 75.44 | 快適 | llama.cpp / RunPod実走 $0.073(ollama版は63.16・下の追記参照) |
| 予測 | RTX 4060 | 8GB | 約28 | 崖の縁 | 容量が厳しい |
| 予測 | RTX 4060 Ti | 16GB | 約29 | 実用可だが遅め | 容量より帯域がボトルネック |
| 予測 | RTX 4070 | 12GB | 約51 | 快適 | 4070Ti実測に近い基準 |
| 実測 | RTX 4070 Ti | 12GB | 52.25 | 快適 | 12GB帯の基準点 |
| 予測 | RTX 4080 Super | 16GB | 約60〜75 | 快適 | 条件差で振れやすい |
| 実測 | RTX 4090 | 24GB | 76.38 | 高速 | ollama実走2026-06-07(予測82〜102→やや下振れ) |
| 予測 | RTX 5060 Ti | 16GB | 約45 | 実用可 | 世代差の影響あり |
| 予測 | RTX 5070 | 12GB | 約68 | 快適 | 帯域設計次第 |
| 予測 | RTX 5070 Ti | 16GB | 約73〜91 | 快適〜高速 | 幅あり |
| 予測 | RTX 5080 | 16GB | 約78〜97 | 高速 | 幅あり |
| 実測 | RTX 5090 | 32GB | 94.18 | 高速 | ollama実走2026-06-07(予測145〜182→大幅下振れ) |
| 実測 | RTX A4000 | 16GB | 44.77 | 実用可 | 安定志向 |
| 予測 | RTX 3060 Ti | 8GB | 約45 | 崖の縁 | 帯域448GB/s・容量注意 |
| 予測 | RTX 4070 Super | 12GB | 約51 | 快適 | 帯域504GB/s・4070Ti近傍 |
※ 予測値は Q4_K_M / 7.4GB 前提です。別量子化では変わります。また「予測」の行は帯域から出した推定値なので、実機の冷却・電力制限・ドライバ・実行エンジンで上下します。
8GBが崖の縁と言う理由
この記事でいちばん気になるのは、たぶんここだと思います。「8GBでもいけてしまうのでは?」と。
8GB の GPU は「全く無理」ではありません。そこがややこしいところです。gemma4 12B の Q4_K_M は本体だけで7.4GBあり、そこに実行時のバッファやコンテキストの分が乗って、実測では合計8.0GB(RTX 4070 Ti・デフォルトコンテキスト)に達しました。8GB カードにとっては文字どおり「容量ちょうど」です。
そのため、8GB 帯は次のどれかになりやすいです。
- コンテキストをかなり削る
- 一部をCPUへ逃がす
- 速度が大きく落ちる
- 途中でVRAM不足にぶつかる
VRAM があふれたときの落ち方は甘くありません。参考までに、RTX A4000 16GB に gemma3:27b(19.5GB) を載せたケースでは 5.43t/s まで落ちました。GPU 使用率は77%で、残りの23%は CPU に逃げています。“少し足りない”は“だいぶ遅い”になる、ということです。
gemma4 12B で言えば、8GB カードはこの崖の最前線にいます。買い足しの判断材料としては、正直おすすめしづらいです。
3090の予測が外れた話
ここは隠さず書きます。RTX 3090 は事前予測で 94.9t/s と見ていましたが、実測は 75.44t/s でした。21%の下振れです。
事実と推測を分けておきます。実測75.44t/sは事実です。下振れの原因のほうは推測になりますが、高帯域側ではメモリ律速(メモリの速さだけで頭打ちになること)だけでは説明しきれないためと考えています。
この効率低下は世代差でも説明できません。同じAmpere世代の中でも、A4000(448GB/s)は効率0.74、3090(936GB/s)は0.60 と、帯域が上がるほど効率が落ちています。「高帯域カードを1枚しか測っていないから外れただけ」ではなく、帯域の中で一貫した傾向です。効いていそうなのは、演算側の律速、スケジューラの挙動、実装差、量子化やカーネルの最適化差といったあたりです。
なので、4090 / 5070 Ti / 5080 / 5090 のような高帯域帯は、単一の数字で断定しないでください。この記事では、あえて 幅 で出しています。700GB/s 超の予測は、幅の下限寄りで読むのが安全です。予測に気持ちよく乗りすぎると、あとで現物に裏切られます。実務では、そこが一番痛いです。
【追記 2026-06-07】4090・5090 を実測しました。 公開後、Vast.ai で RTX 4090 = 76.38 t/s / RTX 5090 = 94.18 t/s(いずれも ollama・ウォームアップ後)を実測しました。早見表の予測(4090=約82〜102、5090=約145〜182)に対し、特に 5090 は大きく下振れ。高帯域帯ほど効率が落ちる本記事の見立てを、実測がさらに裏付けた形です(5090 帯の実効率は約0.39まで低下)。なお 3090 は llama.cpp、4090・5090 は ollama での計測で、ランタイムが異なるため効率の数値同士は直接は比較できません(同じ条件なら llama.cpp の方が速く出ます)。
【追記 2026-06-08】3090 も ollama で測りました。 上の 75.44t/s は llama.cpp の値です。今回 Vast.ai で 同じ RTX 3090 を ollama で測ると 63.16t/s(ウォームアップ後)でした。同じGPU・同じモデルでも、ランタイムが違うだけで約16%差が出ます(llama.cpp の方が速い)。これは「ランタイムが異なると直接比較できない」と書いた点の、いちばん分かりやすい実測例です。なので 4090=76.38 や 5090=94.18(ともに ollama)と 3090 を並べるなら、3090 も ollama の 63.16 で揃えるのがフェアです(75.44 と混ぜない)。効率でいうと ollama の 3090 は約0.50で、ollama 同士で見ても高帯域ほど効率が下がる傾向は変わりませんでした。
買うならどのGPUか
迷うとしたら、たぶん「いまの GPU のまま使うか、買い足すか」だと思います。手持ちの容量ごとに、率直に書きます。
12GB 帯をすでに持っているなら、買い足しは急がなくてよいです。RTX 4070 Ti の実測が 52.25t/s で、RTX 4070 の近くも実用圏に入ります。このあたりなら gemma4 12B は十分“触れる”速度で、待ち時間が短く、ローカルで使う満足度も高いです。コスパの分水嶺は、この 12GB・4070 / 4070 Ti 級の 52t/s前後 だと見ています。
8GB しかないなら、買い足しの根拠にはしにくいです。 動く可能性はありますが崖の縁で、コンテキストを詰めると使い勝手が落ちます。「とりあえず試したい」には向いても、「日常的に使う」には弱いです。
16GB を狙うなら、容量の安心感はあります。 ただ速度は GPU 次第です。A4000 の実測 44.77t/s は安定していますが、3090 のような帯域の強いカードには届きませんし、4060 Ti 16GB のように容量があっても遅い例もあります。
速度最優先なら、中古の 3090 はかなり強い選択肢です。24GB で余裕があり、実測は 75.44t/s。RunPod 実走の費用は $0.073 でした。再現性を自分で確かめたい人には、こうしたレンタルでの実験も相性がいいです。
なお、公開時点で残っていた ollama 上流バグ(mmproj 強制ロード)と GGUFGGUF(ggml Unified Format)llama.cpp 系のソフトでローカル LLM を動かす時に使う、モデルの保存形式。詳しく → 日本語崩れは、本記事公開当日の ollama 0.30.5 + GGUF 再変換で解消されました(公式タグ gemma4:12b を 4070Ti で動作確認済み・52t/s で本記事の実測値どおり。思考モデルのため think:false の指定だけ必要です)。ollama の対応状況や日本語出力の品質は 2026-06-05 時点のもので、上流の更新で変わります。修正までの経緯と動かし方の詳細は gemma4:12bはollamaで動かない — 12GB GPUで実測52t/sを出す最短ルート にまとめているので、本記事では GPU 選びに集中します。
4070Ti 12GB での実機運用の様子は gemma4 MTP drafterをRTX 4070 Ti 12GBで動かした記録 も参考になります。GPU 別の対応状況は gemma 4 のAIワークロードページ にも整理しています。
再現するときの注意点
この記事の数字をそのまま当てはめると、たぶん少しずれます。理由は単純で、実機の条件が効くからです。確かめてほしいのは次のあたりです。
- 量子化: Q4_K_M かどうか
- コンテキスト長: デフォルトか、増やしていないか
- 実行エンジン: ollama か llama.cpp か
- GPU使用率: 100%GPU か、一部CPUに逃げていないか
- VRAM使用量: 7.4GBを超えていないか
特に大事なのは、“VRAMに収まる”と“速い”は別という点です。量子化を変えた場合は、上の予測式(帯域 ÷ モデルサイズ × 効率)のモデルサイズを差し替えれば、自分でおおよその見当をつけられます。
動作確認のしかた
自分の GPU で確かめるなら、次の順で見れば十分です。
-
VRAMが足りるか確認する
- gemma4 12B / Q4_K_M / 7.4GB を前提にする
- 8GB GPUなら、まず崖の縁だと考える
-
1回だけ生成して速度を見る
- 体感が遅いなら、たいていVRAM不足か帯域不足です
- 数字だけでなく、レスポンスの“間”を見ます
-
コンテキストを少し変えて再確認する
- ここで急に遅くなるなら、余裕がありません
-
VRAMあふれ時の挙動を見る
- 1桁t/sまで落ちるなら、運用ラインとしては厳しいです
-
必要なら導入ガイドへ進む
- gemma4:12b導入ガイド(ollama上流バグの回避策)
- ここではGPU選定に集中し、セットアップの罠は別記事に分けています
gemma4 12B は、見た目よりも「GPU の選び方」で満足度が変わります。VRAM だけで安心せず、帯域と実測を一緒に見る。これが、いちばん外しにくい判断です。
参考リンク
- NVIDIA GeForce RTX 50シリーズ公式
- ggml-org/gemma-4-12B-it-GGUF(Hugging Face)
- gemma 4 のAIワークロードページ(META-MARK)
この記事を書いた人
HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!
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