gemma4:e2b/e4bの24問ベンチマーク結果を比較。スコア差、速度差、APUでの使い分け、Ollamaで試す前の判断基準を整理します。
TL;DR: gemma4:e2b(5.1B)は196/240点・ランクA、e4b(8B)は218/240点・ランクS。差がつくのは論理推論(B: 40点 vs 60点)だけで、コーディングは両者とも60/60満点。日常タスクならE2Bで十分、複雑な多段推論だけE4Bが有利。
📋 この記事で使用したテスト問題(全24問)は LLM 24問テストスイート で確認できます。
ローカルLLMをAPUや省電力環境で回していると、最後にぶつかる悩みはだいたい同じです。
E4Bは強い。でも遅い。E2Bは速い。でも、どこを削っているのかが少し気になる。
今回、Gemma 4 E2BとE4Bを24問で比較しました。結論から言うと、コーディングは両者とも満点級で差が出にくい一方、論理推論で差が開き、速度はE2Bが約5.3倍速いという結果でした。
なので、この比較の答えはシンプルです。 日常タスクならE2Bで十分。複雑な多段推論だけE4Bを選ぶ、です。
今回の実測では、ざっくりこうでした。
| 項目 | E2B | E4B | 差分 |
|---|---|---|---|
| 総合スコア | 196/240(81.7%・ランクA) | 218/240(90.8%・ランクS) | 22点差 |
| A: 意地悪 | 45/60(75%) | 43/60(71.7%) | E2B勝ち |
| B: 論理推論 | 40/60(67%) | 60/60(100%) | 最大の差 |
| C: コーディング | 60/60(100%) | 60/60(100%) | 差なし |
| D: 日本語力 | 51/60(85%) | 55/60(91.7%) | E4B優位・差は小さい |
| 推論速度 | 19.5 tok/s(Radeon 780M iGPU) | 102.7 tok/s(RTX 4070 Ti) | 約5.3倍 |
この数字だけ見ると「じゃあE4Bで全部よくない?」となりそうですが、現場ではそう単純ではありません。 遅さは、ベンチ上の不満ではなく、使う回数が増えたときのストレスとして効いてきます。
比較で一番大事なのは、モデル名より条件です。 条件がズレると、数字だけ立派な別物になります。
今回の見方は次の通りです。
ここは地味ですが重要です。 このクラスの壁は、E2BでもE4Bでも超えられませんでした。 つまり、どちらを選んでも「万能」にはならない、ということです。
ここはコーディング問題に身構えていたぶん、肩の力が抜けました。
コード補完や小さめの実装支援では、E2BとE4Bの差がほとんど見えませんでした。 少なくとも今回の24問では、Cは60/60で両者とも満点です。
ここで大事なのは、「コードが書ける」ことと「複雑な設計判断ができる」ことは別、という点です。 単発の関数修正、軽いリファクタ、既存コードの意図把握なら、E2Bで十分に戦えます。
つまり、コーディング用途だけでE4Bを選ぶ理由は薄いです。 速度差を考えると、むしろE2Bのほうが気持ちよく回ります。
本題はここです。
E2Bは軽快ですが、論理推論が少し苦しい場面がありました。 一方のE4Bは、複数条件をまたぐ判断や、途中で前提を保持したまま結論へ進む処理が安定していました。
この差は点数にすると大きく見えますが、実務上はもっと分かりやすいです。
特に「AかBかを見分ける」だけでなく、「AでもBでもなく、条件次第でC」というタイプの問いでは、E4Bが安定しました。 ここはモデルサイズの差が、そのまま出た印象です。
速度は数字以上に効きます。 E2B 19.5 tok/s(Radeon 780M iGPU)、E4B 102.7 tok/s(RTX 4070 Ti)。約5.3倍の差です。なお、テスト環境が異なる(APU vs dGPU)ため、純粋なモデルサイズ差だけではなくGPU性能差も含まれています。
これが意味するのは、単純に「待ち時間が短い」だけではありません。
逆にE4Bは、1回あたりの重みが増えます。 正確さは欲しい。でもテンポは欲しい。 この両立が難しいとき、E2Bの軽さはかなり効きます。
今回、B6(偽コイン12枚)は両モデルともタイムアウトでした。 ここは「E4Bなら解けるはず」と期待していると肩透かしです。
ただ、失敗の価値はあります。 この結果から言えるのは、E2BとE4Bの差は“万能性の差”ではなく、“中難度までの安定性”の差だということです。
つまり、難問クラスに入ると、どちらも止まる。 ならば、普段使いで重いE4Bを抱えるより、日常タスクはE2Bで回し、必要なときだけ別の手段を考えるほうが現実的です。
このあたりは、モデルサイズ以前に、そもそも用途が違うと割り切ったほうがいいです。
E4B単体の記事を読んで「強いな」と思った人ほど、E2Bに落としたときの落差が気になるはずです。 その疑問は自然です。
ただし、確認すべきポイントは「性能が下がるか」ではなく、どの作業が本当にE4Bを必要としていたのかです。
次に見るべきはここです。
ここを整理すると、無駄に上位モデルへ引っ張られなくなります。
今回の24問比較で見えたのは、E2BとE4Bは「上か下か」ではなく、得意な場面が違うということです。
なので判断基準はかなり明快です。
私は今回の結果を見て、E2Bを「妥協版」とは呼びません。 むしろ、省電力・ローカル運用では、かなり筋のいい実用版です。 そしてE4Bは、データでは上位ですが、速度まで含めると常用の重さが出ます。
この差を知っているだけで、モデル選びはだいぶ楽になります。
今回はどちらも Ollama のデフォルト量子化で動かしています。量子化レベルを変えると速度・精度ともに変わりますが、その比較は今回の対象外です。
RTX 4070 Ti 相当のdGPU なら E2B は 40〜50 tok/s 程度は出ると想定されます。今回はAPU環境でのコスパ比較が主目的のため、同一GPU環境での比較はしていません。
両モデルともタイムアウト(時間切れ終了)でした。どちらが「惜しい答え」を出したかの詳細は今回未計測です。
| 項目 | E2B | E4B |
|---|---|---|
| モデル | gemma4:e2b(5.1B) | gemma4:e4b(8B) |
| テスト機 | ワークステーション | aiserver |
| GPU | Radeon 780M(iGPU) | RTX 4070 Ti 12GB |
| 推論速度 | 19.5 tok/s | 102.7 tok/s |
| テスト日 | 2026-04-04 | 2026-04-03 |
注意: テスト環境(GPU)が異なるため、速度差はモデルサイズだけでなくGPU性能差も含みます。
この記事は、実務で AI ツールを活用している開発者・技術者向けに書いています。
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