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開発ログ2026年4月5日by K.hirano

Gemma 4 E2B vs E4B:24問実測で見えた速度5倍差の使い分け基準

gemma4:e2b/e4bの24問ベンチマーク結果を比較。スコア差、速度差、APUでの使い分け、Ollamaで試す前の判断基準を整理します。

#dev-log#gemma4#local-llm#benchmark#apu#gemma-4-e4b
gemma4:e2bとe4bで迷っている人向けに、スコア・速度・APU実用性の差から先に結論を確認できます。

gemma4:e2b(5.1B)は196/240点・ランクA、e4b(8B)は218/240点・ランクS。差がつくのは論理推論(B: 40点 vs 60点)だけで、コーディングは両者とも60/60満点。日常タスクならE2Bで十分、複雑な多段推論だけE4Bが有利。

📋 この記事で使用したテスト問題(全24問)は LLM 24問テストスイート で確認できます。

目次

ローカルLLMをAPUや省電力環境で回していると、最後にぶつかる悩みはだいたい同じです。

E4Bは強い。でも遅い。E2Bは速い。でも、どこを削っているのかが少し気になる。

今回、Gemma 4 E2BとE4Bを24問で比較しました。結論から言うと、コーディングは両者とも満点級で差が出にくい一方、論理推論で差が開き、速度はE2Bが約5.3倍速いという結果でした。

なので、この比較の答えはシンプルです。 日常タスクならE2Bで十分。複雑な多段推論だけE4Bを選ぶ、です。

まず結論:速度はE2B、推論はE4B

今回の実測では、ざっくりこうでした。

項目E2BE4B差分
総合スコア196/240(81.7%・ランクA)218/240(90.8%・ランクS)22点差
A: 意地悪45/60(75%)43/60(71.7%)E2B勝ち
B: 論理推論40/60(67%)60/60(100%)最大の差
C: コーディング60/60(100%)60/60(100%)差なし
D: 日本語力51/60(85%)55/60(91.7%)E4B優位・差は小さい
推論速度19.5 tok/s(Radeon 780M iGPU)102.7 tok/s(RTX 4070 Ti)約5.3倍

この数字だけ見ると「じゃあE4Bで全部よくない?」となりそうですが、現場ではそう単純ではありません。 遅さは、ベンチ上の不満ではなく、使う回数が増えたときのストレスとして効いてきます。

比較条件:同じ土俵で見たかった

比較で一番大事なのは、モデル名より条件です。 条件がズレると、数字だけ立派な別物になります。

今回の見方は次の通りです。

  • Gemma 4 E2B と Gemma 4 E4B を比較
  • 実機上での応答品質と速度を重視
  • 24問のセットで、日常利用に近いタスクを中心に確認
  • コーディング、要約、推論、軽い変換、やや難しめの指示追従を含める
  • そして、両者ともB6(偽コイン12枚)ではタイムアウト

ここは地味ですが重要です。 このクラスの壁は、E2BでもE4Bでも超えられませんでした。 つまり、どちらを選んでも「万能」にはならない、ということです。

コーディングは両者とも完璧。差はほぼ出ない

ここはコーディング問題に身構えていたぶん、肩の力が抜けました。

コード補完や小さめの実装支援では、E2BとE4Bの差がほとんど見えませんでした。 少なくとも今回の24問では、Cは60/60で両者とも満点です。

ここで大事なのは、「コードが書ける」ことと「複雑な設計判断ができる」ことは別、という点です。 単発の関数修正、軽いリファクタ、既存コードの意図把握なら、E2Bで十分に戦えます。

つまり、コーディング用途だけでE4Bを選ぶ理由は薄いです。 速度差を考えると、むしろE2Bのほうが気持ちよく回ります。

差が出たのは論理推論。ここでE4Bが一段上

本題はここです。

E2Bは軽快ですが、論理推論が少し苦しい場面がありました。 一方のE4Bは、複数条件をまたぐ判断や、途中で前提を保持したまま結論へ進む処理が安定していました。

この差は点数にすると大きく見えますが、実務上はもっと分かりやすいです。

  • E2B:短い指示、定型処理、単発の変換に強い
  • E4B:複数ステップの推論、条件整理、矛盾チェックに強い

特に「AかBかを見分ける」だけでなく、「AでもBでもなく、条件次第でC」というタイプの問いでは、E4Bが安定しました。 ここはモデルサイズの差が、そのまま出た印象です。

速度差5倍は、想像以上に体験を変える

速度は数字以上に効きます。 E2B 19.5 tok/s(Radeon 780M iGPU)、E4B 102.7 tok/s(RTX 4070 Ti)。約5.3倍の差です。なお、テスト環境が異なる(APU vs dGPU)ため、純粋なモデルサイズ差だけではなくGPU性能差も含まれています。

これが意味するのは、単純に「待ち時間が短い」だけではありません。

  • 途中で修正したいときに、すぐ再実行できる
  • 試行回数を増やしてもストレスが少ない
  • 失敗しても「まあもう一回」で済む
  • ローカル実行のメリットがはっきり出る

逆にE4Bは、1回あたりの重みが増えます。 正確さは欲しい。でもテンポは欲しい。 この両立が難しいとき、E2Bの軽さはかなり効きます。

B6で両方タイムアウトした意味

今回、B6(偽コイン12枚)は両モデルともタイムアウトでした。 ここは「E4Bなら解けるはず」と期待していると肩透かしです。

ただ、失敗の価値はあります。 この結果から言えるのは、E2BとE4Bの差は“万能性の差”ではなく、“中難度までの安定性”の差だということです。

つまり、難問クラスに入ると、どちらも止まる。 ならば、普段使いで重いE4Bを抱えるより、日常タスクはE2Bで回し、必要なときだけ別の手段を考えるほうが現実的です。

実務での使い分け:こう分けると迷いにくい

E2Bが向く場面

  • メモ要約
  • 軽い翻訳
  • コード断片の生成
  • 単発の質問応答
  • 速度を優先したいローカル運用
  • APUや省電力環境で、できるだけ回転率を上げたいとき

E4Bが向く場面

  • 条件が多い推論
  • 前提を保持したまま判断したいとき
  • 文章の整合性チェック
  • ちょっとした“考えてから答える”系の仕事
  • 速度よりも正確さの上振れが欲しい場面

どちらにも不要な場面

  • 難問を一発で完全解決したい
  • 長い多段推論を毎回安定させたい
  • ベンチの総合点だけで全部片づけたい

このあたりは、モデルサイズ以前に、そもそも用途が違うと割り切ったほうがいいです。

E4B記事を読んだ人が、E2Bで確認すべきこと

E4B単体の記事を読んで「強いな」と思った人ほど、E2Bに落としたときの落差が気になるはずです。 その疑問は自然です。

ただし、確認すべきポイントは「性能が下がるか」ではなく、どの作業が本当にE4Bを必要としていたのかです。

次に見るべきはここです。

  1. 自分の作業に多段推論がどれだけあるか
  2. 1回の精度と、1日の試行回数のどちらが重いか
  3. 速度低下を我慢してでも、推論の安定性が欲しいか
  4. 省電力環境で、E4Bを常用する意味があるか

ここを整理すると、無駄に上位モデルへ引っ張られなくなります。

まとめ:上位互換ではなく、用途で選ぶ

今回の24問比較で見えたのは、E2BとE4Bは「上か下か」ではなく、得意な場面が違うということです。

  • コーディングは両者とも強い
  • 論理推論はE4Bが一歩上
  • 速度はE2Bが圧勝
  • 難問クラスでは両方とも止まる

なので判断基準はかなり明快です。

  • 日常タスクを軽快に回したいならE2B
  • 複雑な推論を少しでも安定させたいならE4B

私は今回の結果を見て、E2Bを「妥協版」とは呼びません。 むしろ、省電力・ローカル運用では、かなり筋のいい実用版です。 そしてE4Bは、データでは上位ですが、速度まで含めると常用の重さが出ます。

この差を知っているだけで、モデル選びはだいぶ楽になります。

よくある質問

E2BとE4Bで量子化は同じですか?

今回はどちらも Ollama のデフォルト量子化で動かしています。量子化レベルを変えると速度・精度ともに変わりますが、その比較は今回の対象外です。

E2BをNVIDIA GPU で動かしたらE4Bより速くなりますか?

RTX 4070 Ti 相当のdGPU なら E2B は 40〜50 tok/s 程度は出ると想定されます。今回はAPU環境でのコスパ比較が主目的のため、同一GPU環境での比較はしていません。

B6(偽コイン12枚)はどちらが諦めが早かったですか?

両モデルともタイムアウト(時間切れ終了)でした。どちらが「惜しい答え」を出したかの詳細は今回未計測です。

検証環境メモ

項目E2BE4B
モデルgemma4:e2b(5.1B)gemma4:e4b(8B)
テスト機ワークステーションaiserver
GPURadeon 780M(iGPU)RTX 4070 Ti 12GB
推論速度19.5 tok/s102.7 tok/s
テスト日2026-04-042026-04-03

注意: テスト環境(GPU)が異なるため、速度差はモデルサイズだけでなくGPU性能差も含みます。

この記事は、実務で AI ツールを活用している開発者・技術者向けに書いています。

参考リンク

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  • 実際の構成を探すなら、GPU 比較ページやローカルLLM向け構成記事もあわせて見ると判断しやすいです。
  • ハードウェア候補は用途別の AI 構成ガイドからたどると、単体製品より違和感なく検討できます。

この記事を書いた人

HW系エンジニアとして20年以上、10,000件を超える顧客訪問と2,000件を超える単独ソリューション実績。AIツールを使った個人開発やIoT農園など、Raspberry Piを使ったオートメーション化なども実践中です!エンジニア専門結婚相談所も運営中、ClaudeCodeで解決できない心の課題も解決いたします!

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