Radeon RX 9070 GRE
発売日: 2025-05-08
GPUコアスペック
| GPUチップ | Navi 48 |
| ベースクロック | 1420MHz |
| ブーストクロック | 2790MHz |
| ストリームプロセッサ | 3072 |
| Tensorコア | 0 |
| RTコア | 48 |
| TDP | 220W |
メモリ
| 容量 | 12GB |
| タイプ | GDDR6 |
| バス幅 | 192bit |
| 帯域幅 | 432GB/s |
物理仕様
| インターフェース | PCIe 5.0 x16 |
| 出力端子 | 1x HDMI 2.1b, 3x DisplayPort 2.1a |
1. 製品概要
Radeon RX 9070 GREは、AMDが2025年5月8日に発売した、RDNA 4アーキテクチャを採用するミッドレンジ向けグラフィックスカードです。「GRE(Golden Rabbit Edition)」の名を冠し、コストパフォーマンス重視のユーザー層をターゲットに設計されています。RX 9070 XTやRX 9070の下位モデルとして位置づけられ、MSRP(税別希望小売価格)は未発表ながら、前世代のRX 7800 GREやRX 7900 GREの価格帯を踏襲し、4万円~5万円台前半の攻めた価格設定が予想されます。
ターゲットユーザーは、1440p(WQHD)解像度での高設定ゲーミングや、エントリーレベルのクリエイティブ作業を求める層です。NVIDIAのGeForce RTX 5060 TiやIntel Arc B580と直接競合し、VRAM 12GBという現状のスイートスポットを確保しつつ、192bitメモリバスによるコスト削減を実現しています。前世代のRX 7800 XTと比較すると、PCIe 5.0対応や最新のレイトレーシングユニット追加により、次世代環境での拡張性が向上しています。
2. 主な特徴
RDNA 4アーキテクチャの進化 Navi 48 GPUを搭載し、3072基のストリームプロセッサーを配置。48基の第2世代Ray Accelerators(RTコア)により、レイトレーシング性能は前世代比で約1.5倍の向上を見込めます。ブーストクロック2790MHzは、消費電力220Wという制約内での高効率動作を可能にしており、ベースクロック1420MHzとの差が大きい点も、負荷に応じた柔軟な周波数制御の証です。
メモリサブシステムの特性 GDDR6 12GBは、192bitバス幅と18Gbpsのメモリ速度により、帯域幅432GB/sを確保。現行の1440pゲーミングや将来のフレーム生成技術(FSR 4対応予定)には十分な容量ですが、4Kテクスチャの大量使用や8K動画編集ではやや制約が生じる可能性があります。PCIe 5.0 x16インターフェースは、拡張性の確保と、Resizable BAR/Smart Access Memory技術との相乗効果で、CPU-GPU間のデータ転送効率を最大化します。
出力インターフェースの充実 HDMI 2.1bとDisplayPort 2.1aの組み合わせにより、4K 240Hzや8K 60Hzの出力が可能。特にDP 2.1aは従来比で3倍の帯域を確保し、Display Stream Compression(DSC)不要での高リフレッシュレート表示に対応し、次世代ゲーミングモニターとの親和性が高い点が特徴です。
3. 用途別評価(MetaScoreベース)
4Kゲーミング:△(やや厳しい) 性能スコア171.4/1300は、ミッドレンジクラスの実力を示唆。最新AAAタイトルをレイトレーシング込みで4K 60fpsを安定して維持するには、FSR等のアップスケーリング技術が必須となるでしょう。VRAM 12GBは4Kではギリギリの容量であり、高解像度テクスチャパックの使用には注意が必要です。
AI・機械学習:△(エントリーレベル) Tensorコア非搭載のため、AI推論はFP16やINT8演算に依存。12GB VRAMはStable DiffusionやLLMのローカル実行では最小限の容量であり、本格的な学習タスクには不向きですが、軽量な推論タスクや学習済みモデルの実行は可能です。
動画編集:○(標準的) 432GB/sのメモリ帯域幅は、4Kタイムラインのプレビューや代理処理には十分な性能。DaVinci ResolveやPremiere ProでのGPU加速を活かした編集作業がスムーズに行えますが、8K RAW編集など重負荷シーンでは上位モデルを推奨します。
一般用途・省電力運転:◎(優秀) 電力効率スコア7.8/40は、220W TDPのGPUとしては標準的な数値。アイドル時の低消費電力設計が見込まれ、ゲーム以外のWeb閲覧やオフィス作業ではファン停止(ゼロRPM)モードによる静音性も期待できます。
4. ベンチマーク解説
現時点では3DMark TimeSpyやPassMarkのスコアは未公開ですが、スペックからの推測では、3DMark TimeSpy Graphicsスコアは12,000~14,000点前後、Fire Strike Ultraでは7,000~8,000点帯と予想されます。この数値は、前世代のRX 7800 XTと同等~やや上回る水準で、NVIDIA RTX 4060 Ti(16GB)やIntel Arc A770を上回るパフォーマンスを示します。
競合であるRTX 5060 Tiと比較した場合、レイトレーシング性能では劣る可能性がありますが、VRAM容量(12GB対8GB)とメモリ帯域(432GB/s対288GB/s)で優位に立つ場面が多いでしょう。特に1440pゲーミングでは、VRAM不足によるスタッタリングが少ない点が大きな差別化要素となります。
5. こんな人におすすめ
① 1440p(WQHD)144Hzゲーミングを目指す人 eスポーツタイトルでは高フレームレートを、AAAタイトルでは高画質設定を両立したいユーザーに最適。12GB VRAMは今後5年程度のソフトウェア進化にも耐える容量です。
② コスパ重視のVRユーザー Meta Quest 3やPlayStation VR2(PC接続時)など、高解像度VRヘッドセットを使用するユーザー。PCIe 5.0とDP 2.1aによる低遅延・高帯域通信が、VRChatやVRゲームの快適性に貢献します。
③ 動画編集の入門者 YouTube向けの4K動画編集や、軽度なVFX合成を行うクリエイター。DaVinci ResolveのFusionページでのリアルタイムプレビューが快適に動作し、コストを抑えてハードウェアエンコーダー(AV1/HEVC)を活用できます。
④ 省スペース・省電力ゲーミングPC構築者 220W TDPと550W推奨電源は、ミッドタワーやSFF(Small Form Factor)ケースへの収まりが良く、電気代を気にしながらゲーミング環境を整えたいユーザーに適しています。
6. よくある質問
Q1: 推奨電源容量は本当に550Wで足りますか? A: AMD公称の550Wは、RYZEN 5やCore i5クラスの非K CPUとの組み合わせを前提とした数値です。Core i9やRYZEN 9などのハイエンドCPUを搭載する場合は、750W~850Wの電源を推奨します。また、電源の12V-2x6(12VHPWR)コネクター対応状況を確認し、余裕を持った定格出力の製品を選択してください。
Q2: ボトルネックになりやすいCPUは何ですか? A: PCIe 5.0対応のため、最新世代のCPU(RYZEN 7000/9000シリーズ、Intel第14世代以降)であれば問題ありませんが、PCIe 3.0しか対応していない第10世代Intel CoreやRYZEN 3000シリーズでは、GPUの性能を完全には発揮できない場合があります。特に1080p解像度での高フレームレートゲーミングでは、CPU側の処理能力が重要になります。
Q3: 発熱・冷却の注意点はありますか? A: TDP 220Wは冷却負荷としては中程度ですが、GREモデルはAIB(Add-in-Board)パートナー製品のデュアルファンモデルが主流となるため、ケース内のエアフロー確保が重要です。80℃以上での連続運転は避け、70℃以下を維持できるよう、前面からの吸気と上部・後部からの排気を確保してください。背面メモリやVRMの冷却にも配慮したいモデルが多いため、定期的な埃取りも推奨します。
Q4: GeForce RTX 5060 Tiとの選び分けは? A: VRAM容量とレイトレーシングのトレードオフが鍵です。DLSS 4対応やPath Tracingを重視するならRTX 5060 Ti、FSR 4やネイティブ解像度での高画質志向、またVRAM 12GBによる将来性を重視するならRX 9070 GREが有利です。特に1440p以上の解像度では、8GB VRAMの不足によるテクスチャポッピンを防ぐため、RX 9070 GREの選択が推奨されます。
Q5: アップグレードに適していますか? A: GTX 1060やRX 580など、5年以上前のグラボからの買い替えには最適ですが、RX 6700 XTやRTX 3070からのアップグレードでは体感性能差が限定的です。PCIe 5.0やDP 2.1aの新規格対応が必須でない限り、次世代のハイエンドモデルへの待機も検討してください。