Radeon RX 9060
発売日: 2025-08-05
GPUコアスペック
| GPUチップ | Navi 44 |
| ベースクロック | 1700MHz |
| ブーストクロック | 2990MHz |
| ストリームプロセッサ | 1792 |
| Tensorコア | 0 |
| RTコア | 28 |
| TDP | 132W |
メモリ
| 容量 | 8GB |
| タイプ | GDDR6 |
| バス幅 | 128bit |
| 帯域幅 | 322.3GB/s |
物理仕様
| インターフェース | PCIe 5.0 x16 |
| 出力端子 | 1x HDMI 2.1b, 2x DisplayPort 2.1a |
Radeon RX 9060 レビュー:省電力エントリーモデルの現在地
1. 製品概要
Radeon RX 9060は、AMDが2025年8月5日に発売したRDNA 4アーキテクチャ採用のエントリーレベル・メインストリーム向けグラフィックスカードです。Navi 44チップを搭載し、132Wという低TDPを実現しながら、PCIe 5.0 x16対応という最新インターフェースを備えています。
市場での位置づけは、前世代のRX 7600シリーズの後継に相当し、フルHD(1080p)高設定ゲーミングをメインターゲットとした入門~中級者向けモデルです。8GB GDDR6メモリと128bitメモリバスという構成から、4Kゲーミングや重厚なクリエイティブワークは狙いませんが、eスポーツタイトルの高フレームレートや、省スペースPCビルドに最適な選択肢となります。
競合製品であるGeForce RTX 5060シリーズと比較すると、 Tensorコアを欠く一方で、1792基のストリームプロセッサと28基のRTコアによるレイトレーシング性能、そしてPCIe 5.0対応という将来性で差別化を図っています。特に電力効率スコア8.1/40を見ると、省電力設計が特徴的であることがわかります。
2. 主な特徴
アーキテクチャの進化 Navi 44はRDNA 4の最小型ダイとなり、1700MHz(ベース)~2990MHz(ブースト)という高いクロック周波数を実現しています。特筆すべきはPCIe 5.0 x16対応で、帯域制約のないデータ転送を可能にし、将来のプラットフォームとの相性を確保しています。
レイトレーシングとFSR 28基の専用RTコアを搭載し、適度なレイトレーシング性能を提供します。ただし、ハイエンドモデルとの性能差は大きく、レイトレーシングを伴うタイトルではFSR(FidelityFX Super Resolution)3との組み合わせが必須となるでしょう。AIアップスケーリング機能は専用Tensorコアを持たないため、シェーダー演算による実装に依存します。
メモリ構成の特性 8GB GDDR6と128bitメモリバスという構成は、2025年基準ではやや保守的ですが、322.3GB/sのメモリ帯域幅によりテクスチャ読み込みのボトルネックは最小限に抑えられています。TDP132Wという低発熱設計により、シングルファンクーラー搭載のコンパクトモデルも製品化が予想され、小型PCケースへの搭載に有利です。
3. 用途別評価
MetaScoreに基づく実用的な評価は以下の通りです:
4Kゲーミング:☆☆☆☆☆(非推奨) 性能スコア107.2/1300は、厳密な4Kゲーミングには全く足りません。最新AAAタイトルでは4K解像度は諦め、1080p~1440pでの利用を前提とすべきです。
AI・機械学習:☆☆☆☆☆(非推奨) Tensorコア非搭載、VRAM 8GBというスペックから、Stable DiffusionやLLMのローカル実行には向きません。AI関連タスクはCPU処理またはクラウドサービス利用を推奨します。
動画編集:★★★☆☆(最低限可能) 8GB VRAMは4K動画編集の最低ラインですが、帯域322.3GB/sは確保されているため、軽度のカラーグレーディングやカット編集は可能です。ただし、After Effectsなどの重厚なコンポジット作業にはVRAM不足がボトルネックとなるでしょう。
一般用途・省電力利用:★★★★☆(優秀) 電力効率スコア8.1/40は省電力設計を示唆し、132W TDPは古い中古GPUと比較して圧倒的に電力コストを抑えられます。24時間稼働のサブPCや、HTPC(Home Theater PC)としての利用に最適です。
4. ベンチマーク解説
現時点で公開されたベンチマークスコアはN/Aですが、スペックから推測すると、3DMark Time Spyでは約8000~9000ポイント、PassMark G3D Markでは10000点前半程度のスコアが想定されます。
競合比較では、同価格帯のRTX 5060(推定)よりレイトレーシング性能で劣る一方、従来のラスタライズ性能では互角またはやや優位に立つ可能性があります。特にPCIe 5.0対応は、将来のRyzen 9000シリーズなど新世代CPUとの組み合わせで、帯域ボトルネックを完全に排除できる利点があります。
実用的なパフォーマンスとしては、『Cyberpunk 2077』1080p高設定でFSR利用時に60fps前後、『Apex Legends』などのeスポーツタイトルでは144fpsを軽く超える性能が期待できます。
5. こんな人におすすめ
・省電力・コンパクトPCを組みたい人 132W TDPは550W電源でも余裕を持って駆動可能で、Mini-ITXケースへの搭載にも適しています。
・eスポーツ・FPSゲーマー 『Valorant』『Counter-Strike 2』など、高フレームレートを重視する競技ゲームにおいて、コストパフォーマンスを重視したい方に最適です。
・サブPC・ストリーミング用PC メインPCとは別に配信エンコード専用機や、リビングPCを組む際の、発熱・消費電力を抑えたい利用シーンに適しています。
・予算重視の1080pゲーマー 最新ゲームを1080p解像度でプレイしたいが、4K対応や業務用機能は不要という、一般的なゲーム利用者にマッチします。
6. よくある質問
Q: 推奨電源容量は? A: 公式推奨は300Wですが、実際には品質の良い550W~650Wの80PLUS Bronze以上の電源を推奨します。PCIe 5.0対応電源(12VHPWR/12V-2x6コネクタ)であれば、将来的なアップグレードも見据えた運用が可能です。
Q: ボトルネックになりやすいCPUは? A: Intel Core i3シリーズやRyzen 3シリーズの旧世代モデル(4コア以下)では、1792ストリームプロセッサの性能を引き出せない可能性があります。推奨はRyzen 5 7500F以上、またはIntel Core i5-13500以上の6コア12スレッド以上のCPUです。
Q: 発熱・冷却の注意点は? A: TDP132Wは比較的低めですが、2990MHzの高クロックを維持するためにはケース内の排熱が重要です。小型ケース利用時は、前面または底面からの吸気を確保し、排気ファンの追加を検討してください。デュアルファンモデルを選ぶと、静音性と冷却性能のバランスが取れます。
Q: 競合製品(RTX 5060等)との選び分けは? A: レイトレーシングを重視するならRTX 5060、従来のレンダリング性能やPCIe 5.0による将来性、価格を重視するならRX 9060が有利です。また、Linux環境やオープンソース開発を行う場合、AMDのドライバー対応は優位に働くことが多いです。
Q: 8GB VRAMでは将来的に不足しませんか? A: 2025年以降のAAAタイトルでは8GBは最小限のラインとなりつつあります。Ultra設定でのプレイは難しくなる可能性があるため、High設定までの妥協を前提とするか、予算に余裕があれば12GB以上のモデル(RX 9060 XT等)を待つことを検討してください。