Radeon RX 7700
発売日: 2025-09-18
GPUコアスペック
| GPUチップ | Navi 32 |
| ベースクロック | 1900MHz |
| ブーストクロック | 2600MHz |
| ストリームプロセッサ | 2560 |
| Tensorコア | 0 |
| RTコア | 40 |
| TDP | 200W |
メモリ
| 容量 | 16GB |
| タイプ | GDDR6 |
| バス幅 | 256bit |
| 帯域幅 | 622.1GB/s |
物理仕様
| 長さ | 267mm |
| 幅 | 50mm |
| インターフェース | PCIe 4.0 x16 |
| 出力端子 | 1x HDMI 2.1a, 2x DisplayPort 2.1, 1x USB Type-C |
AMD Radeon RX 7700 製品レビュー:16GB VRAM搭載のWQHD対応ミドルレンジGPU
1. 製品概要
2025年9月18日に発売されたAMD Radeon RX 7700は、RDNAアーキテクチャ(Navi 32)を採用したミドルレンジ向けグラフィックスカードです。16GB GDDR6という大容量VRAMを搭載しながら、200Wという比較的抑えめのTDPを実現したモデルで、WQHD(2560×1440)解像度でのゲーミングや、映像・AIクリエイティブワークを主ターゲットとしています。
前世代のRX 6700 XTシリーズと比較すると、VRAMが12GBから16GBへと増量され、メモリバス幅も256bitを維持しつつ帯域幅は622.1GB/sに向上。一方で、ストリームプロセッサ数は2560基と、コアスペックはエントリー~ミドルレンジに位置づけられます。競合製品であるNVIDIA GeForce RTX 4060 Ti 16GB版や、将来的なRTX 5060シリーズとの価格帯競合が予想される製品です。
2. 主な特徴
RDNA 3系アーキテクチャの省電力設計 Navi 32をベースに、5nmプロセスの改良版を採用。ベースクロック1900MHz、ブーストクロック2600MHzという保守的な設定により、200WのTDPで16GB VRAMを冷却可能な設計を実現しています。40基のRTコア(レイトレーシングコア)を搭載し、ハードウェアレイトレーシングにも対応。ただし、NVIDIAのTensorコア相当の専用AI処理ユニットは非搭載です。
高帯域メモリシステム 256bitのメモリバス幅とGDDR6の組み合わせにより、622.1GB/sというメモリ帯域を確保。これは動画編集ソフトや3Dレンダリング時のテクスチャ読み込みにおいて、ボトルネックを起こしにくい数値です。DisplayPort 2.1やHDMI 2.1aへの対応により、4K 120Hzや8K 60Hzの映像出力も可能です。
FSR 3.0フレーム生成対応 AMD独自の超解像技術「FidelityFX Super Resolution 3.0」にフレーム生成技術を組み合わせることで、性能スコアの限界を補う高いゲーミングパフォーマンスを実現しています。
3. 用途別評価(MetaScoreベース)
4Kゲーミング:△(やや厳しい) 性能スコア133.1/1300という数値から、ネイティブ4Kでの高設定ゲーミングは厳しい状況です。FSRを利用すればプレイ可能なタイトルもありますが、最新AAAタイトルの4K 60fps維持は期待できません。
AI・機械学習:○(VRAM依存のタスク向け) Tensorコア非搭載のため、純粋な計算速度はNVIDIA製品に劣りますが、16GB VRAMという大容量メモリが強みです。Stable Diffusionの画像生成(512×512~768×768程度)や、軽微なLLMローカル実行など、VRAM容量がボトルネックになりやすい用途では実用的です。
動画編集:◎(コスパ重視のクリエイター向け) 622.1GB/sのメモリ帯域と16GB VRAMは、DaVinci ResolveやPremiere Proでの4K~6Kタイムライン編集に十分なスペックです。特にH.265/H.266デコードのハードウェア支援により、スクラブル再生時の快適性が向上しています。
一般用途・オフィス:○(電力効率に注意) 電力効率スコア6.7/40とやや低めの数値のため、常時稼働型のマシンでは電気代がやや嵩みます。ただし、PCIe 4.0 x16対応により、最新プラットフォームでの互換性は確保されています。
4. ベンチマーク解説
残念ながら3DMark TimeSpyやPassMarkのスコアは公開されていませんが、スペックから推測すると、WQHD解像度での平均60fps前後、フルHD(1920×1080)では120fps以上を維持できる性能と考えられます。Cyberpunk 2077などの重度なレイトレーシングタイトルでは、ネイティク設定では30fps前後に留まる可能性があり、FSR 2.0/3.0の併用が必須となります。
同価格帯の競合製品(RTX 4060 Ti 16GB)と比較すると、レイトレーシング性能では劣るものの、VRAM帯域幅の大きさから、高解像度テクスチャを多用するゲームや、プロフェッショナル用途では優位に立つ場面が見込まれます。
5. こんな人におすすめ
WQHD 144Hzモニターを所持するミドルコアゲーマー eスポーツタイトルでは144fps以上、最新AAAタイトルでも60fps前後を狙える性能です。16GB VRAMにより、今後のVRAM食いのタイトルにも対応しやすい設計です。
予算重視のAIイラストクリエイター Stable Diffusion WebUIやComfyUIでの生成に必要なVRAM 16GBを確保しつつ、比較的リーズナブルな価格帯を実現。RTX 4060 Ti 16GB版の代替として検討すべき製品です。
4K動画編集を行うSoloクリエイター DaVinci ResolveでのFusion作業や、カラーコレクション時のGPUエフェクト適用において、VRAM不足によるクラッシュを防ぎたい方に最適です。PCIe 4.0帯域も確保されているため、NVMe SSDからの高速読み込みにも対応します。
6. よくある質問(FAQ)
推奨電源容量は本当に550Wで足りますか? 公式推奨は550Wですが、650W以上の電源を推奨します。200WのTDPに加え、CPU(特にハイエンドモデル)やその他コンポーネントの消費電力を考慮すると、余裕を持った電源選びが長期的な安定性につながります。80PLUS Bronze以上の認証取得電源を選びましょう。
どのCPUと組み合わせるとボトルネックになりませんか? Ryzen 5 7600 / Intel Core i5-13400F以上の最新6コアCPUであれば、WQHDゲーミングでのボトルネックはほぼ発生しません。ただし、フルHD(1080p)での高フレームレート(240fps以上)を狙う場合は、Ryzen 7 7800X3DやCore i7-14700Kなどの高性能CPUが推奨されます。
発熱や冷却の注意点は? 200WクラスのGPUは、従来のシングルファンモデルでは冷却が厳しいケースがあります。デュアルファン以上の厚型クーラー搭載モデルを選び、PCケース内のエアフローを確保してください。特に、mATXやMini-ITXケースへの搭載時は、補助ケースファンの追加を検討してください。
NVIDIA製品との選び分けは? レイトレーシングやAI関連(CUDA対応ソフト)を重視するならNVIDIA RTX 4060 Ti、純粋なVRAM容量とメモリ帯域を重視するならRadeon RX 7700が有利です。DLSS 3.0対応タイトルが多い場合はNVIDIA、FSR 3.0対応でコスパを重視する場合はAMDを選ぶと良いでしょう。特に16GB VRAMが必要な用途(特定のAIツールや8K動画編集)では、コストパフォーマンスでRX 7700が優位に立ちます。