GeForce RTX 5080 Mobile
発売日: 2025-04-02
GPUコアスペック
| GPUチップ | GB203 |
| ベースクロック | 975MHz |
| ブーストクロック | 1500MHz |
| CUDAコア | 7680 |
| Tensorコア | 240 |
| RTコア | 60 |
| TDP | 80W |
メモリ
| 容量 | 16GB |
| タイプ | GDDR7 |
| バス幅 | 256bit |
| 帯域幅 | 896GB/s |
物理仕様
| インターフェース | PCIe 5.0 x16 |
GeForce RTX 5080 Mobile 詳細レビュー:次世代モバイルGPUの実力検証
1. 製品概要
GeForce RTX 5080 Mobileは、NVIDIAが2025年4月2日に発売したBlackwellアーキテクチャ搭載のハイエンドモバイルGPUです。デスクトップ向けRTX 5080のエッセンスを80Wという厳格な電力制約内に凝縮した製品で、16GB GDDR7メモリと896GB/sの帯域幅を備え、前世代RTX 4080 Mobileから世代を跨いた性能向上を実現しています。
主なターゲットユーザーは、4K外部ディスプレイ出力対応のゲーミングノートPCを求めるヘビーユーザーや、Stable DiffusionやLLM推論をローカル環境で行いたいAI開発者、さらには8K動画編集を移動しながらこなすクリエイター層です。デスクトップPCの代替としての完成度を高めつつ、厚み18mm前後の超薄型ゲーミングノートへの搭載も可能な電力効率設計が最大の魅力です。
2. 主な特徴
本製品の中核をなすのは、5nmプロセスで製造されたGB203 GPUチップです。CUDAコア7,680基、Tensorコア240基、RTコア60基という構成は、Ada Lovelace世代のRTX 4080 Mobile(Ada AD104)に対して演算コア数で約15%の増強に相当します。
特筆すべきはGDDR7メモリの採用です。256bitバス幅ながら896GB/sという驚異的な帯域幅を確保し、4KテクスチャのストリーミングやAIモデルの読み込みにおいてボトルネックを極限まで排除しています。また、PCIe 5.0 x16インターフェースに対応しており、Thunderbolt 5接続の外付けGPUボックス(eGPU)環境でも本来の性能をほぼ発揮可能です。
新機能ではDLSS 4(ディープラーニングスーパーサンプリング)のフレーム生成技術が進化し、従来よりも少ないオーバーヘッドでfpsを向上させます。加えて第5世代TensorコアはFP4精度演算に対応し、AI推論時のスループットは前世代比で最大2倍の効率を記録。レイトレーシング性能も第4世代RTコアにより、80Wという低消費電力ながらフルパスレイトレーシング(フルRT)ゲームが実用上十分なfpsで楽しめます。
3. 用途別評価
MetaScoreの数値に基づく実用的な評価は以下の通りです。
4Kゲーミング:△~○ 性能スコア230.4/1300は、デスクトップ版ハイエンドモデルとの比較では控えめですが、モバイル基準では上位クラス。内蔵ディスプレイのWQHD(2560×1440)では高設定で120fps超を維持でき、4K出力時はDLSS 4のフレーム生成必須という実用域に位置づけられます。
AI・機械学習:◎ 16GB VRAMはStable Diffusion XLやLLM(7Bパラメータモデル)の量子化推論に十分な容量です。Tensorコア240基による並列処理能力と、896GB/sの高速メモリ帯域が、画像生成のプロンプト処理速度を飛躍的に高めます。電力効率スコア28.8/40の高さから、長時間の学習タスクでも電源アダプタ負荷を抑えられます。
動画編集:◎ DaVinci ResolveやAdobe Premiere Proでのタイムライン編集では、16GB VRAMが8K ProRes素材のキャッシュに余裕を持ち、896GB/sの帯域がプレビューのカクつきを防止。AV1デコード/エンコードのハードウェア支援も強化されています。
一般用途:◎ 80W TDPはモバイルワークステーションとして実用上高いレベルであり、電力効率スコア28.8/40は「バッテリー駆動時でもそれなりの性能を維持できる」を示唆しています。
4. ベンチマーク解説
現時点で公表されている具体的ベンチマーク値はありませんが、スペック構成からの推測では、3DMark Time Spy Graphicsスコアは約18,000~20,000点(RTX 4080 Mobile比+20%程度)が期待されます。これはデスクトップ版RTX 4070 Superと同等~やや上回る性能帯です。
競合であるAMD Radeon RX 7900M(TDP 180W級)と比較すると、純粋な演算性能では劣るものの、レイトレーシングおよびAIワークロードではTensorコアとRTコアの構成により優位に立ちます。同じNVIDIA社内では、電力あたり性能(fps/W)でRTX 4090 Mobile(150W級)を大きく上回り、**「省電力ハイエンド」**という新しい市場セグメントを切り開く存在です。
5. こんな人におすすめ
① 4K 144Hz外付けモニターでeGPUゲーミングを楽しみたいユーザー Thunderbolt 5対応ノートPCと組み合わせ、自宅ではデスクトップ並みの4Kゲーミングを、外出時は軽量ノートとして使い分けたい方に最適です。
② Stable DiffusionやLLMのローカル運用を行うAI研究者 16GB VRAMは7BパラメータのLlama 2/3をINT8精度で動作させるのに十分で、Tensorコアの高速化により画像生成が秒単位で完了します。
③ 8K動画編集を頻繁に行う映像クリエイター Proxyless編集(プロキシなし編集)が可能なVRAM容量とメモリ帯域を持ち、現場での確認作業をスムーズに行えます。
④ 超薄型ゲーミングノートを重視するビジネスパーソン 18mm thicknessクラスの筐体に搭載可能な80W設計は、出張先での高負荷作業と携帯性の両立を実現します。
6. よくある質問
Q: 推奨電源容量はどれくらいですか? A: 内蔵GPUとして使用する場合は、ノートPC本体の電源アダプタが240W以上(ファクトリー出荷時の標準付属品)あれば問題ありません。外付けGPUボックス(eGPU)として使用する場合は、300W~350Wの電源ユニットを推奨します。80WのTDPに加え、PCIeバスからの給電余裕と瞬間的なピーク電流を考慮した数値です。
Q: CPUのボトルネックは気にする必要がありますか? A: Core Ultra 9 285HやRyzen 9 8945HSなど、2024年以降のハイエンドモバイルCPUとの組み合わせが理想です。PCIe 5.0帯域を活かすには、CPU側のレーン数とThunderbolt 5コントローラーの対応が必須です。4世代前のCore i7-11800Hなどでは、GPU性能の30%近くが失われる可能性があります。
Q: 発熱・冷却の注意点は? A: 80Wという数値は見た目ほど低負荷ではありません。ノートPC本体への搭載時は、**液金グリスや蒸気室(Vapor Chamber)**による冷却設計が必須です。長時間のAI学習タスクでは、ノートPC底面を冷却台で補助し、吸気口の確保を徹底してください。eGPU利用時は、ボックス内部のファン回転数を手動で上げる設定を推奨します。
Q: RTX 4090 MobileやRTX 5080 Laptop GPU(高電力版)との選び分けは? A: 150W級のRTX 5080 Laptop GPU(TDP可変版)を選ぶべきかは用途次第です。純粋なfpsを求めるなら高電力版が有利ですが、静音性・発熱・実用上の携帯性を重視するなら、この80W版RTX 5080 Mobileが有利です。特にAI推論用途では、Tensorコア数の差が小さいため電力効率重視の本製品が長時間運用コストを抑えられます。既存のRTX 4090 Mobile(Ada世代)とは互角~やや上回るレイトレーシング性能を持ち、GDDR7の帯域利便性でデータ集荷速度が向上します。