Intel Core Ultra 7 265KF
発売日: 2024-10-24
CPUコアスペック
| コア数 | 20 |
| スレッド数 | 20 |
| ベースクロック | 3.90GHz |
| ブーストクロック | 5.50GHz |
| TDP | 125W |
| ソケット | LGA1851 |
| アーキテクチャ | Arrow Lake |
| プロセスノード | Intel 20A |
キャッシュ・メモリ
| L2キャッシュ | 28MB |
| L3キャッシュ | 30MB |
| 最大メモリ | 192GB |
| メモリタイプ | DDR5-5600 |
| メモリチャネル | 2 |
ベンチマーク
| Cinebench R23 シングル | 2,304 |
| Cinebench R23 マルチ | 36,309 |
| Geekbench 6 シングル | 3,157 |
| Geekbench 6 マルチ | 21,377 |
| PassMark | 58,721 |
プラットフォーム
| PCIeバージョン | 5.0 |
| PCIeレーン数 | 20 |
| 内蔵GPU | なし |
Intel Core Ultra 7 265KF レビュー:Arrow Lakeの高コスパモデルは電力効率と性能の黄金比を実現したのか
1. 製品概要
Intel Core Ultra 7 265KF(Arrow Lake)は、2024年10月24日に発売されたIntelの最新デスクトップ向けプロセッサー「Core Ultra Series 2」ラインアップの中核モデルです。LGA1851ソケットを採用した新プラットフォーム対応のCPUで、世代を追うごとに複雑化していたSKU体系を整理し、かつての「Core i7」に相当するミドルハイ・エンスージアスト向けポジションを担っています。
「KF」サフィックスが示す通り、本製品はオーバークロック未ロック(K)かつ内蔵GPU非搭載(F)のモデルであり、ディスクリートグラフィックスカードとの組み合わせが必須となります。ターゲットユーザーは高FPSを追求するPCゲーマーや、動画編集・3Dレンダリングを行うクリエイター、大規模コンパイルを頻繁に行う開発者です。前世代Raptor Lake Refresh(第14世代)と比較して、Intel 20Aプロセスへの移行により電力効率が大幅に向上しており、MetaScoreの電力効率スコア93.7/100はその証左となっています。
2. 主な特徴
本製品の最大の技術的ハイライトは、2nm世代相当の「Intel 20A」プロセスに基づくArrow Lakeアーキテクチャの採用です。RibbonFETトランジスタとPowerVia背面配線技術の導入により、従来のFinFET構造を超える電力効率と性能密度を実現。これにより、前世代比で大幅な電力消費低減(高性能時の電力ドロップ)と、クロック周波数の向上を両立しています。
コア構成はPerformance-core(Lion Coveアーキテクチャ)8基とEfficient-core(Skymontアーキテクチャ)12基の合計20コア20スレッドとなります。ハイパースレッディング(SMT)非対応となっている点が前世代との大きな違いですが、シングルスレッド性能の最適化によりゲーミング性能は向上。ベースクロック3.9GHz、最大ブーストクロック5.5GHzの高周波数動作により、Cinebench R23シングルスコア2304ptsを記録し、最新ゲームにおける高いフレームレートを維持します。
また、L3キャッシュ30MB、最大192GBのDDR5-6400メモリ対応(DDR4非対応)といったスペックは、コンテンツ制作用途での大規模データ処理にも対応。TDPは125W(PL1)ですが、実用的な負荷での電力効率の良さが特徴で、長時間のレンダリング作業でも安定したパフォーマンスを発揮します。内蔵GPUを省くことで、ダイ面積の効率化とコスト削減を実現し、これがコスパスコア100.0/100という最高評価に繋がっています。
3. 用途別評価
ゲーミング用途: MetaScore性能スコア84.4/100は、シングルスレッド重視のゲーミングにおいて現行トップクラスの証です。Geekbench 6シングルスコア3157は高いIPC(1クロックあたり実行命令数)を反映しており、eスポーツタイトルでの240Hz/360Hz高リフレッシュレート環境でもボトルネックになりません。
クリエイティブ作業: Cinebench R23マルチスコア36309は、4K動画エンコードや3Dレンダリングにおいて実用上の処理能力に余裕があります。Premiere ProやDaVinci Resolve、Blenderでの実用作業も快適です。
プログラミング・開発: 20コアによる並列コンパイルが強みです。Unreal EngineやAndroid OSビルドなど、長時間を要するコンパイル作業の時間短縮に貢献。PassMarkスコア58721はシステム全体の処理能力としても信頼性が高く、仮想マシン複数起動などの開発環境構築も楽にこなします。
一般用途・電力効率: 電力効率スコア93.7/100は、従来のIntel CPUの弱点であった「高発熱・高電力消費」を払拭した数値です。常時稼働するデスクトップPCとしての運用コストを抑えつつ、必要な時だけ高クロックで応答するバランスが優れています。
4. ベンチマーク解説
提供されたベンチマーク数値は、実用上どの程度の性能を示しているのでしょうか。Cinebench R23シングル2304ptsは、現行のAMD Ryzen 9000シリーズ(9900X等:約2300-2400pts)と同等か、わずかに低い水準ですが、ゲーミング実用ではほぼ差を感じない領域にあります。
一方、マルチスコア36309ptsは前世代のCore i9-14900K(約38000pts)に迫る性能を示しており、Core i7クラスでありながら旧フラッグシップ級のマルチスレッド性能を持つことがわかります。Geekbench 6マルチ21377ptsは、日常的なアプリケーションのマルチタスク処理において、どのような負荷でも快適に動作する余裕を示唆しています。
競合となるAMD Ryzen 7 9700X(8コア16スレッド)と比較すると、シングルスレッドでは互角、マルチスレッドではコア数の差(20対8)で本製品が大きく上回る構成となっています。
5. こんな人におすすめ
高リフレッシュレートゲーマー: Intel Core Ultra 7 265KFの5.5GHzブーストクロックは、CS2やVALORANT、Apex Legendsなどの競技FPSで240Hz以上のフレームレートを引き出すのに最適です。内蔵GPUがない分、グラフィックスカードへの投資を最大化できます。
動画編集・配信クリエイター: 4K動画のタイムライン編集や、高ビットレートでの録画・ライブ配信エンコードに20コアの処理力が活きます。電力効率が高いため、長時間のエンコード作業でも排熱に余裕があり、静音運用がしやすい点も魅力です。
大規模開発者: Unreal Engine 5のシェーダーコンパイルや、Android AOSPビルドなど、スレッド数を貪る作業で、従来の8コアCPUから大幅な時間短縮が期待できます。
省電力重視の高性能ユーザー: 電力効率スコア93.7の高さを活かし、24時間稼働するワークステーションや、省電力設計を重視するミニタワーPCの心臓部としても適しています。
6. よくある質問
Q:対応マザーボードは何が必要ですか? A:LGA1851ソケットを搭載したIntel Z890またはB860チップセットのマザーボードが必要です。既存のLGA1700(第12-14世代Coreプロセッサー)とは互換性がないため、マザーボードの新規購入が必須となります。Kサフィックスを活かしたオーバークロックを行う場合はZ890チップセットの選択が推奨されます。
Q:推奨メモリ構成は? A:DDR5メモ