Intel Core Ultra 5 245KF
発売日: 2024-10-24
CPUコアスペック
| コア数 | 14 |
| スレッド数 | 14 |
| ベースクロック | 4.20GHz |
| ブーストクロック | 5.20GHz |
| TDP | 125W |
| ソケット | LGA1851 |
| アーキテクチャ | Arrow Lake |
| プロセスノード | Intel 20A |
キャッシュ・メモリ
| L2キャッシュ | 26MB |
| L3キャッシュ | 24MB |
| 最大メモリ | 192GB |
| メモリタイプ | DDR5-5600 |
| メモリチャネル | 2 |
ベンチマーク
| Cinebench R23 シングル | 2,118 |
| Cinebench R23 マルチ | 25,085 |
| Geekbench 6 シングル | 2,981 |
| Geekbench 6 マルチ | 17,863 |
| PassMark | 43,257 |
プラットフォーム
| PCIeバージョン | 5.0 |
| PCIeレーン数 | 20 |
| 内蔵GPU | なし |
Intel Core Ultra 5 245KF 詳細レビュー:Arrow Lake世代のコスパ重視CPU
1. 製品概要
Intel Core Ultra 5 245KFは、2024年10月24日に発売されたIntelの最新デスクトップ向けプロセッサー「Core Ultra 200シリーズ(Arrow Lake)」の中核を担うミドルハイモデルです。LGA1851という新ソケットに対応し、Intel 20A(2nm世代相当)プロセスルールを採用した次世代アーキテクチャーを搭載しています。「KF」サフィックスが示す通り内蔵GPUを省略し、オーバークロック機能を備えたモデルで、ディスクリートGPUと組み合わせたゲーミングPCやクリエイター向けワークステーションの中核として設計されています。
主なターゲットユーザーは、Radeon RX 7800 XTやGeForce RTX 4070 Tiといったハイエンドグラフィックスカードと組み合わせるPCビルダー、および動画編集・3Dレンダリングなどのマルチスレッド処理を必要とするクリエイター層です。前世代のCore i5-13600Kシリーズと比較して、命令処理効率の最適化と電力あたり性能の向上が図られており、特に長時間の負荷処理における安定性と発熱抑制が強化されています。
2. 主な特徴
Arrow Lakeアーキテクチャーの進化 Intel Core Ultra 5 245KFは、従来のRaptor Lakeから刷新されたArrow Lakeマイクロアーキテクチャーを採用しています。Intel 20Aプロセスノードによるトランジスタ密度の向上と、新設計のPコア(Lion Cove)およびEコア(Skymont)の組み合わせにより、IPC(クロックあたり命令実行数)が向上しています。L3キャッシュ24MBは、ゲーミングにおけるフレームレート安定性や大規模データ処理の効率化に貢献します。
14コア14スレッドの実用的構成 物理14コア(スレッド数も14)という構成は、Hyper-Threading(SMT)を無効化した実装となっており、コアあたりのリソースが集中する設計です。ベースクロック4.2GHz、最大ブーストクロック5.2GHzの動作周波数は、シングルスレッド重視のタスクにおける応答性を確保します。125WのTDP(熱設計電力)は、ハイエンドモデルに比べて冷却要件が緩やかであり、240mm〜360mmのAIO水冷クーラーまたは大型空冷クーラーでの運用が推奨されます。
電力効率とプラットフォームの新化 従来のIntel 7プロセスからIntel 20Aへの移行により、消費電力あたりの性能(パフォーマンス・パー・ワット)が改善。特にアイドル時や軽負荷時の電力消費が抑制されており、24時間運用を前提としたワークステーションや省電力重視のビルドに適しています。対応するLGA1851ソケットは、DDR5-6400以上の高速メモリ(最大192GB対応)とPCIe 5.0の完全対応を可能にし、将来の拡張性も確保します。
3. 用途別評価
MetaScoreの数値を基にした実用的な評価は以下の通りです。
ゲーミング用途(シングルスレッド性能重視) Cinebench R23シングルスコア2118、Geekbench 6シングル2981という数値は、現行のハイエンドCPUと比較するとやや控えめな水準(性能スコア58.3/100)です。フルHD(1080p)での高リフレッシュレートゲーミングでは、競合製品に比べて若干のボトルネックが生じる可能性がありますが、WQHD(1440p)や4K解像度ではGPU側が制限要となるため、実用上の差は最小限に抑えられます。特にGPUボトルネックが発生しやすい高負荷ゲーミングにおいては、問題なく144fps以上のフレームレートを維持できます。
クリエイティブ作業(マルチスレッド性能) Cinebench R23マルチスコア25085は、4K動画編集(Premiere Pro、DaVinci Resolve)や3Dレンダリング(Blender、V-Ray)において快適な作業環境を提供します。14コアでの並列処理により、エフェクトの適用やエンコード時間が短縮され、PassMarkスコア43257はこのクラスのCPUとして堅実なパフォーマンスを示しています。
プログラミング・開発 大規模なコンパイル作業やコンテナビルドにおいて、14コアの並列処理能力が恩恵となります。特にC++やRustなどのビルド時間の長い言語での開発では、コア数の多さが直接的な作業効率向上に結びつきます。
一般用途・オフィス作業 電力効率スコア64.7/100、コスパスコア82.2/100という高い評価は、日常的なWebブラウジングやドキュメント編集において優れた電力効率と購入コストのバランスを示しています。内蔵GPUを必要としない構成での運用が前提となるため、専用グラフィックスカードとの組み合わせが必須ですが、その分価格パフォーマンスに優れています。
4. ベンチマーク解説
提供されたベンチマーク数値の解釈は以下の通りです。
Cinebench R23(シングル2118/マルチ25085) シングルスコア2118は、office作業や軽いクリエイティブ作業における応答性を示す指標で、日常使いでは十分な性能です。マルチスコア25085は、前世代のCore i5-13600K(約24000前後)と同等またはやや上回る水準であり、価格を考慮した性能向上が確認できます。
Geekbench 6(シングル2981/マルチ17863) クロスプラットフォーム対応のこのベンチマークでは、実アプリケーションにおける処理能力が測定されます。シングル2981は最新のAMD Ryzen 9000シリーズに対してやや劣後するものの、実用上は差異を感じにくいレベルです。マルチスコア17863は、同価格帯の競合製品(Ryzen 5 9600Xなど)と互角の戦闘力を示しています。
PassMark 43257 総合性能指標として、このスコアはシステム全体のレスポンスと処理能力を示し、ミドルハイクラスのワークステーションとして適切な性能帯に位置づけられます。
5. こんな人におすすめ
高性能GPUとの組み合わせを重視する1440p/4Kゲーマー GeForce RTX 4070 SUPER以上のグラフィックスカードと組み合わせ、高解像度ゲーミングを楽しみたいユーザーに最適です。CPUボトルネックが少なく、GPUの性能を最大限に引き出せます。
コストパフォーマンス重視の動画編集者 YouTube向け動画編集や短編ムービー制作を行うクリエイターに適しています。14コアによるタイムラインのスムーズな再生と、4Kエンコード時の高速処理を、合理価格で実現します。
省電力運用を求める24時間稼働サーバー兼ワークステーション Intel 20Aプロセスによる電力効率の向上は、常時稼働の開発環境やホームサーバー構築において電気代の削減に直結します。
将来性を見据えた新規PCビルダー LGA1851ソケットは今後の世代でも継続される見込みがあり、マザーボードやメモリなどの基盤投資を長期間有効活用したいユーザーに適しています。
6. よくある質問
Q: 対応マザーボードはどれを選べばいいですか? A: LGA1851ソケットに対応するIntel 800シリーズチップセット(Z890、B860など)のマザーボードが必要です。オーバークロックを行う場合はZ890チップセット、標準運用であればB860チップセットで十分です。メモリスロットはDDR5専用となり、DDR4との互換性はありません。
Q: 推奨されるメモリ構成は? A: DDR5-6400〜7200MHzのメモリを32GB(16GB×2)または64GB(32GB×2)で構成することを推奨します。最大192GBまで対応しており、将来のメモリ増設も容易です。デュアルチャネル構成は必須であり、Arrow Lakeのメモリコントローラー特性上、6400MHz前後が安定性と性能のバランスに優れています。
Q: オーバークロックの余地はありますか? A: 「K」サフィックスを持つため倍率アンロックはされていますが、Arrow Lakeアーキテクチャーはデフォルトで高い電圧・周波数に設定されており、従来のような大きなオーバークロック余地は限られています。基本的にはPBO(Precision Boost Overdrive)的な自動最適化機能の利用に留め、無理な電圧上昇は発熱と消費電力の増大を招くため推奨されません。
Q: AMD Ryzenとの選び分けは? A: ゲーミング用途で特に高いフレームレートを追求する場合は、単純なゲーミング性能が高いRyzen 7 9700XやRyzen 5 9600Xを検討価値があります。一方、Intel Core Ultra 5 245KFはEコアを含む14コアというマルチスレッド性能と、LGA1851プラットフォームの将来的な拡張性(Arrow Lake