Haiku 4.5を24問で実測。単体93%でも十分強く、Advisor(Opus)の2パスで97.5%まで改善。ただし自信満々に間違える盲点も見えました。
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TL;DR: 今回のベンチマークは、総合スコアだけでなく、用途ごとの強みと弱みで見るほうが判断しやすい結果でした。
📋 この記事で使用したテスト問題(全24問)は LLM 24問テストスイート で確認できます。
Haiku 4.5を「コストを抑えるための軽量枠」として使っている人は多いと思います。私も最初はその一人でした。
ただ、実測してみると印象は少し変わりました。Haiku単体でも24問テストで93%のRank Sを取り、さらにAdvisor(Opus)を挟む2パス構成で97.5%まで改善しました。
これは「安いから精度はそこそこ」という雑な話ではありません。少なくとも今回の条件では、Haikuはかなり実務向きでした。
ただし、ここで話をきれいに終わらせると危ないです。Advisorは万能ではありません。自信満々に間違える問題は、すり抜けます。 この盲点まで含めて見ないと、使う側の判断を誤ります。
今回の検証は、机上の比較ではなく、実際に自分でサブエージェントを並列起動して計測しました。
ポイントは3つです。
この条件で、まずHaiku単体の回答品質を見ました。次に、必要なケースだけAdvisor(Opus)を挟む2パス構成にして、どこまで伸びるかを確認しています。
ここで大事なのは、単純な「正答率」だけではなく、どんな問題でAdvisorが効いたか、逆に効かなかったかです。実務では平均点より、この差分のほうが効きます。
まずHaiku単体の結果です。
正直、ここは予想を外しました。格安枠として見ていたモデルが、ここまで素直に点を取るとは思っていませんでした。
さらにAdvisor(Opus)を使った2パスにすると、
まで改善しました。
この差は、ただの数値の伸び以上の意味があります。 Haikuが一次回答でかなりの精度を出し、危ないところだけOpusが補正する形なので、「全部を高いモデルに投げる」よりコスト効率がよい可能性があります。
ただし、ここで気をつけたいのは、2パスにしたから安心、ではないことです。後述しますが、Advisorが出てくる前提そのものが外れるケースがあります。
今回いちばん面白かったのが、A4のケースです。
要約すると、「りんごを取った」系の判断で、Advisorが呼ばれていないのに、Haiku側が自己訂正したのです。
普通なら「低コストモデルが雑に処理して終わりかな」と思う場面でした。ところが実際には、Haikuが途中で違和感を拾って、回答を直してきました。
これが何を意味するか。
つまり、Advisorあり=Haikuが常に雑、ではないし、Advisorなし=即ダメ、でもない。 この辺りは、実際に触るまで見えにくいところです。
A4は、Haikuの見直し能力が想像以上だった一方で、どの問題でも同じように働くわけではない、という現実も同時に見せました。
もう一つ重要なのがD3です。
ここでは採点者(Sonnet)が誤った判定をしていたのを、Advisor(Opus)が修正しました。
これはかなり示唆的です。なぜなら、AIベンチを回していると、つい「採点側は正しい前提」で見がちだからです。でも実際は、採点官も間違える。
この実例は、今回の2パス構成の価値をよく表しています。
要するに、モデル本体だけでなく、評価の鎖も壊れるということです。 現場で「このモデル、思ったよりダメだな」と判断したとき、実は採点側の前提がズレていた、ということは普通に起こります。
このD3は、単なる1問の修正ではなく、ベンチ結果の見方そのものを疑えというメッセージでした。
ここが本題です。
Advisor(Opus)はたしかに効きます。ですが、「自信満々に間違える」タイプの問題には弱いです。
今回の観測では、Haiku側がそれっぽく筋の通った答えを出してしまい、しかもその誤りが一見もっともらしいと、Advisorが介入する契機が弱くなります。つまり、誤りの自覚が薄いまま通過する。
これは厄介です。
なぜなら、実務ではこのタイプのミスがいちばん痛いからです。 雑な間違いなら人間がすぐ止められます。でも、丁寧に見える誤りはレビューを通りやすい。
今回の実験で分かったのは、
ということでした。
つまり、Haiku + Advisor は強いが、完全な検査装置ではないです。 データではかなり優秀ですが、ツール呼び出しはまだまだ。Claude Codeの代替としては厳しいですね、という言い方に近い感覚です。今回のHaikuも同じで、期待以上に強いが、最後の安全弁にはならない。
では、実際に使うならどう考えるべきか。
私の判断はこうです。
特に、次のような場面では相性がよいです。
逆に、
このあたりは、Haiku単体でもAdvisor込みでも、最後は人間の確認が必要です。
今回の結果だけで「高いモデルを全部やめていい」とは言えません。そこまで単純ではないです。 ただ、軽量モデルを雑に見積もるのはもったいない。これははっきり言えます。
この手の結果を社内やチームで共有するときは、正答率だけ貼って終わると危ないです。
最低でも次の3点は一緒に見るべきです。
今回の24問では、Haiku単体でも十分に実用圏に入り、Advisorでさらに伸びました。 でも同時に、A4の自己訂正やD3の採点者修正が示したように、「モデルの強さ」と「評価の正しさ」は別問題です。
この切り分けをしないと、数字だけ見て判断を誤ります。
結論をもう一度だけ置きます。
Haiku 4.5は、安いだけのモデルではありません。24問実測でRank S、単体93%。Advisor(Opus)を組み合わせれば97.5%まで伸びました。 ただし、自信満々に間違える問題はAdvisorをすり抜ける。ここを見落とすと、実務では痛い目を見ます。
だから私は、Haikuを「コスト削減の妥協案」ではなく、条件付きでかなり使える実戦モデルとして見直しました。
用途を絞れば低スコアでも実用になる場面はあります。カテゴリ別スコアで得意分野を確認するのが判断しやすいです。
GPU・量子化・ランタイムが変わると速度・精度ともに変わります。本記事の環境を参考に、差異を見込んで判断してください。
同じテストセットでのスコアが最も比較しやすいです。当サイトの過去ベンチ記事も参照してください。
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